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Live Your Life「新しい働き方を創る」株式会社Waris 代表取締役/共同創業者 河京子さん

Live Your Life「新しい働き方を創る」株式会社Waris 代表取締役/共同創業者 河京子さんにお話を伺いました。

河京子さんプロフィール
出身地:岡山県
活動地域:福岡県
経歴:1984年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部総合政策学科卒業後、2007年に株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)入社。リクルートキャリア在籍中の2013年4月、株式会社Warisを設立しボランタリーベースで経営に関わった後、2014年6月にリクルートキャリアを退職。2016年4月より福岡在住。
現在の活動:株式会社Waris 代表取締役/共同創業者。女性と企業を新しい働き方でジョブマッチングし、女性が生き生きと働き続けられる社会の実現に向け活動。
座右の銘:Live Your Life

おしなべて誰もが幸福度高く生きられる世界の平和を創りたい

Q. どのような夢やビジョンをお持ちですか?

河京子さん(以下、河 敬称略):昔からのぼんやり描いている夢は、自活する児童養護施設を日本でつくることです。タイのチェンマイにバーンロムサイという日本人がつくった児童養護施設があって、自活する事を目指して設立された施設なんです。そこにはhoshihana villageというゲストハウスがあって、そこで作った服や織物やバック、全部すごくおしゃれなんですが、そういうプロダクトの収益で児童養護施設が自活する仕組みを作っています。バーンロムサイは昔から私の理想で、基本的に日本では児童養護施設はなかなか自活することが難しいのですが、このような自活する児童養護施設を日本でできたらいいなという思いがずっと昔からあります。

さらに、家族の第三者機関のような、オンブズマンのような事も何かできないかと考えています。昔だと、おじいちゃんやおばあちゃん、おじさんおばさんなど、家族の中に第三者的な視点を持った身近な人がいて、客観的な目が常に身近にあったと思うのですが、今の子育ては孤立しやすく閉ざされてしまっている。だからと断定できないですが、今、児童虐待の問題等が多くなっていると思うんです。これは、親が加害者だという見方もあるけれど、逆に言うと親も社会の構造的な問題の被害者であるといえます。そういう意味では親達もちゃんと守ってあげるというか、一緒に支援していかないといけないと思っていて、そういった支援ができる家族の第三者機関のような事が何かできないかと考えています。

あとは子どもの教育についてです。キャリア系の仕事をしている人たちの共通の課題は、結局教育に行きつくんです。子どもの教育をどうするかということ。もっと自立や主体性、自分で考える力とか…。子育ては親育てだと思っていて、親育てはキャリアにつながっていくと思っているので、この辺りの事をできたらいいなという思いはずっとあります。

全部つながるのは、その人自身が、おしなべてエネルギッシュに生き続けること。もちろん葛藤や小さな悩みなどは絶対あるので、それはいいのですが、おしなべてその人自身が幸福度高く希望を持って生きていけるような人を増やしたいということが最大の目的としてあります。みんなができれば死ぬ時に、いい人生だったと思って死んで欲しいという事が最終目標としてあるので、そこを実現できるように展開していきたいと思っています。

Q.夢を具現化するために、どのような目標や計画を立てていますか?

河:先ほど述べた、児童養護施設、家族の第三者機関、子どもの教育というビジョンは、私の中では最終地点のイメージで5-60歳くらいで形にしていきたいと思っています。直近のビジョンでいうと、色んな国に住みたいというビジョンがあります。今はオランダとポルトガルが好きなので、その辺りに住めたらいいなと思っています。もともとデザインが好きなので、経営にも取り入れたいと思っていて、もし次の育休があれば、その1年でオランダやロンドンなどのデザイン大学に留学して、経営×デザインを打ち出してやっていきたいという野望はあります。そこから既存のビジネスを大きくすることとか、あとは新しいキャリア相談プラットホームをつくるとか。さらには、子連れワ―ケーション事業も展開したいと思っています。これから、働く場所が自由になるので、ノマドビジネスワーカーは今よりもっと増えると思うんですね。そういう人たちが、仕事をしながら旅をできる状態があればいいなと思っていて、そういうワーク&バケーションができる場所を日本にも海外にも作っていきたいと思っています。この辺りの事を5年以内には形にしていきたいと思っています。

Q.日々、活動の中で実践していることは何ですか?

河:意識はしていないのですが、ずっと妄想をしています。プランとか差別化とか。どういう手順でしたらいいかや、どうやったらお金が動く仕組みができるかなどを片手間に調べたり、ずっと妄想をしたりしています。仕事が終わって空いた時間や、寝る前とか…。寝れなくなるんですよね、興奮して。寝れなくなるから、バーっとスマホに打ち込んで、整理したり。最後マインドフルネスをしないと眠れない時もあります。そのくらい興奮して。こんな風に、意識はしていないけれど、ずっと何かを妄想しています。

Q.今の活動に至るようになったきっかけは何ですか?

河:中3の時に、世界平和を実現するんだと決め、ジャーナリストを目指していました。そのため、就活もマスコミしか受けなかったんですよ。新聞社や雑誌出版など。記者になりたいと思っていたんです。そして、大学3年の時に就活の練習だと思ってインターンシップを受けた会社があったのですが、そこが前職のキャリア系の会社で。で、そこのインターンシップのグループワークのプレゼンで優勝してしまって。当初、就職する気は全くなかったのですが、社員さんと話すなかで、自分のやりたい事がここならできると思ってしまい、キャリアの道に進むことになりました。8年間その会社に在籍していましたが、ほぼ毎年のように辞める事を考えていましたね(笑)ジャーナリストになりたいって。でも、自分自身怖くて一歩が中々踏み出せませんでした。そこで背中を押してもらったのが、今の共同代表の二人です。

Q.中3の時に世界平和をめざすようになったのは、どういう認識の変化があったからですか?

河:世界平和の前に、差別をなくしたいという思いが一番最初にありました。私、在日コリアン3世なんですが、中学生の時に、在日について説明する機会が何度かあって。だけどみんな、在日って何か知らない人が多いんですね。その頃から、みんなが知るきっかけを作らないと、と思い始めました。私はあまり経験がなかったのですが、やっぱり差別もまだあって。在日に限らず、マイノリティの問題は、知らないという事だけが壁になっているんじゃないかと思うんです。知らないという事だけで分けてしまっているから差別がおきるけど、知る機会があって、その人と友達になれば、友達の一人と何ら変わらないという感覚になれるのにな、と考えるようになりました。自分はそんなに差別に苦しんだことはないけれど、差別に苦しんでいる人たちもいたので、差別をなくしたいなと思っていて、そのためには知るきっかけをつくることで、差別意識や偏見がなくなるきっかけを提供していきたいという事を思っていました。

中3の時、親友5人のグループがあったのですが、私が在日である事をそのうちの3人は知らなかったんですね。修学旅行で夜に、理由は忘れてしまったのですが、私がカミングアウトのような事をしたんです。そんなに驚かれるとは思っていなかったのですが、すごく驚かれたんです。どういうこと?って。そして、在日の説明をしたら、知らなかった事にショックをうけてみんなが泣いたんです。私は差別をされていないけれど、私の上の世代は悲しい思いをしている人達がいる事や、差別的な制度もまだまだあること、歴史の話などをしたら、知らなかった事がショックだったらしくて。そして、この4人がこの国をどうにかしよう!と言ってくれたんです。これが私の成功体験となり、マスコミを目指そうと思うようになりました。みんな知るきっかけがないだけなんだなと思って。知る機会がないだけなのに、差別側・非差別側と分ける事は、両者にとって機会損失だと思って。知れば、みんな何とかしようと動き出す。知るきっかけを作り差別意識をなくすことで、世界平和をつくっていきたい、そういう風に思ったんですね。私の世界平和の原体験はそこです。

Q.河さんの描く世界平和とは、どのようなことですか?

河:もちろん戦争がない状態というのもそうなのですが、私は一人ひとりが、自分の幸せにわがままに生きていける状態が平和だと思っています。もちろん、戦争の状態だと自分の幸せなんて考える事もなく、まずは生きるスペースを探す事が第一になると思います。そういうのはもちろん無いほうがいいし、戦争の状態でないにしても、例えば虐待されている子にとって、虐待は戦争の状態と変わらない。そういう意味では虐待をなくすことも世界平和のひとつだと思うし、一般的には幸せそうに見える女性などでも、中に抱えてるドロドロしたものがある状態だとしたら、それは本当の意味で平和ではないと思うので、そういうところは解消して、もっと自分の幸せや自分のありたい姿に向き合って、幸せな状態になれるように。それを、みんなができるようになる事、これが平和じゃないかなと思っています。

記者:すべてが、「死ぬ時にいい人生だったと思って死んで欲しい」という最終目標につながってくるんですね。一貫した姿にとても感銘をうけました。貴重なお話をありがとうございました!

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河京子さんの活動、連絡についてはこちらから。

【株式会社 Waris】

https://waris.co.jp/

【編集後記】
今回、記者を担当した池田・不知です。
ご自身が感じている社会に対する違和感を常にあらゆる角度からとらえ、よりよく改善していくためには?を常に常に考え実践されている様子がとても伝わってきた取材でした!これから益々のご活躍とご健勝をお祈りいたします。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。


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