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モルディブ旅行が教えてくれた自分を大切にする生き方

 旅の醍醐味とは何だろう。

見たことがない景色を臨み、初めての味覚を楽しむ。五感をフル活用して一瞬一瞬の新たな刺激を全身で受けとめていく。
観光地巡りの他にも大好きなドラマや小説、漫画のロケ地をまわったり、地域の特産物に舌鼓を打ったり……
旅は、まだ見ぬ世界を知ると同時に、未知の自分に出会えることもあります。 

私はやるからにはとことん追求するタイプ。旅行でも事前にガイドブックを隅々までチェックし、行きたいところを効率的にまわるための行程を考え、当日はスタンプラリーのごとく全て回る。宿泊先には食べて寝るだけ。

そんな私があるときゆったりとした時間を過ごす旅に出会いました。

大手を振って休める絶好の機会、新婚旅行

2017年夏、新婚旅行先を考えていました。新婚旅行といえば、なかなか長期連休をとれない社会人にとって大手を振って休める絶好の機会。
当初、私の出身地である九州一周旅行を目論んでいましたが、職場の上司から「九州はいつでも行ける。海外にしなさい」と一蹴。
素直な私は、今回が初めての海外旅行となる夫とともに行先を検討。

「長期連休じゃないと行けないところ、且つ新婚旅行だからこそ行けるところにしよう」と意見が一致。
せっかくだから、日々の喧騒を忘れて、時間やスケジュールに追われることなくのんびり過ごせるようにリゾートで行先を探しました。 

そうだ モルディブ、行こう。


世界中にリゾート地は多数ありますが、モルディブ共和国はインド洋に浮かぶ約1,200もの島々からなる群島国家。リゾート開発されている約100島は、その小さな島1つ1つがまるごとリゾート地であるワンアイランド・ワンリゾート。

以前よりそこに憧れがありましたが、「徒歩15分程度の小さな島に数日間滞在だけすることに飽きるのではないか……」という不安。
しかし、「働きながら結婚式の準備をして、しかも式当日も慌ただしいので、ハネムーンでモルディブに行ってゆっくり過ごすのはおすすめ!1週間でも足りないくらいです、あっという間ですよ!」という旅行代理店の言葉に背中を押され行先を決定。金額も奮発しました。 

綺麗……世界って本当に綺麗


3カ月後、中部国際空港からシンガポール経由で約16時間、夜10時に首都マーレに到着。手荷物を受け取り空港近くのホテルに一泊。それまでの忙しない日常や長旅の疲れもあり、何も考えずに就寝。翌日は朝食だけ食べて、目的地へ向けて出発。

目的地は首都マーレの島から少し離れたダール環礁にあるリゾート島。船ではなく水上飛行機で向かいました。

モルディブ国内でも飛行機に乗るとは聞いていたけれど、「まさかジブリ映画『紅の豚』にでてくるような水上飛行機に乗れるなんて‼」とジブリ好きの私は大興奮!

ところで、モルディブという国名は、サンスクリット語で「島々の花輪」を意味する言葉に由来しています。上空から眺めるサファイアブルーの海と所々位置する小さな島々に、モルディブは群島国家であることを実感。
「綺麗……世界って本当に綺麗」
ポルコ・ロッソの操縦する飛行艇から外を眺めたフィオの名言を思わず呟きます。

目的地に到着。憧れのリゾートライフがスタート

約1時間後、海にポツンと浮かぶ船専用停留所に到着。海上に、日本のバス停のごとく船の停留所があることに衝撃を受けていると、これからお世話になる滞在先の船がやってきました。いよいよ滞在先へ向かいます。

到着すると早速、陽気なスタッフさんとオリエンテーション。これから丸5日間、外周徒歩15分程の小さな島での生活が始まります。
初日は島の中を歩いて探検。本当に15分で一周できました。
真っ白い砂浜と鮮やかな緑、地平線の彼方まで拡がるターコイズブルーの海。これから始まるリゾート暮らしに気持ちが高揚します。

また、ここには日本人どころかアジア人ですら私たちしかおらず、さらに非日常感がプラスされます。

充実したアクティビティでモルディブの自然を堪能

5日間この地に缶詰めなので、万が一の退屈しのぎにアクティビティの充実したリゾート島をチョイスしていました。
スタッフの案内で行くイルカウォッチングのクルージング、ダイビングスポットでのシュノーケリング、現地民の生活が見られるという近隣の島への探検に出かけました。

イルカウォッチングで実際にイルカに会える確率は50%とのこと。世界中から来たリゾート客とともに、国籍は違えど船上の全員でイルカを探しました。「いた!」という声に皆が反応。野生のイルカのジャンプを近くでみられ、夕日に輝く海原の美しさに心打たれました。

サンゴ礁や美しい南国の魚たちの中を泳ぐシュノーケリングでは、幸運にもウミガメに出会え、別の日にはビーチでマンタの大群を目にしました。
いつもの旅行とは違い、一日のイベントはせいぜい一つだけでしたが、その分体力も気力も充分に参加できました。

何気ないのんびりとした時間も最高の思い出

もちろんアクティビティ以外の時間も楽しみました。宿泊した水上ヴィラからのシュノーケリングをした後は、バルコニーで日光浴。ある時は二人乗りのカヌーで海から島を一周するマリンスポーツに挑戦。

ほかにも、ふと足を止めて白い砂浜と同じ色をしたヤドカリを見つけたり、プールサイドでドリンクを飲みながら読書をしたりして、その時の気分にあわせて島のあちこちで過ごしました。

また、天気のよい日の夕方にはサンセットを眺め、刻一刻と美しく変わる幻想的な光景をただただ見つめ、時間にも仕事のノルマにも追われない、ゆったりとした贅沢な一日を心から満喫しました。

食事は海に隣接しているレストランでビュッフェ。好きなときに好きな料理を好きなだけ。余談ですが、どんなに食べても金額は変わらないオールインクルーシブにして本当によかったです。

電車の時間や財布の中身ですら気にする必要がない、本当にゆっくり過ごせる自由なひと時。気づけば、こののんびりとした時間の流れを心地よく感じていました。

「旅行に行くなら片端から観光地を巡る!」と思っていた自分がゆったりとした旅を心の底から楽しんでいました。

あっという間に最終日。思い出のリゾートが遠ざかる船の中で、もし再訪するなら最安値でいくらになるのかをインターネットで調べていました。

ふと隣をみると、夫も同じホームページをスマホでチェック中。彼も初めての海外旅行を楽しめたようで本当によかったです。

モルディブ旅行が教えてくれたこと、ゆったりとした時間は心と身体を元気にするということ

恐れていた退屈を一瞬たりとも感じることはなく、モルディブでの日々は快適そのものでした。

日常の忙しさとストレスでできた鎧は気づけばなくなり、心からのびのびと非日常を満喫できました。心身ともに力がチャージされる、あの場所にまた行きたい。
モルディブではなくても、のんびりとした時間が流れるリゾートを満喫できるところは国内にも沢山あります。

またリゾートではなくても、絶景やパワースポットを前にして自然からエネルギーをもらったり、温泉で身も心も温まったりホテルライフを楽しんだり……そんな心と身体にご褒美を与える旅も素敵です。自然や太陽のエネルギー、宿泊先のおもてなしの心が明日への活力になります。

常日頃時間と仕事に追われている分、ふと見上げた空の青さに気づけるでしょう。
「ゆったりとした時間を満喫して、自分を大切にしていく」
私の『地球の歩き方』にそんな新しい旅の楽しみ方が加わりました。

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