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その後の戦い

ブラジルから来た少年を見た。ネタバレあります。

最初に出てきたナチスの残党を追うアメリカ人青年が主人公にしては主人公って顔じゃないな〜と思っていたら死んでしまった。これはナチスの残党をずっと追ってきたお爺さんの話だ。
このおじいさんについてはユダヤ人で、ナチスを追ってきたという事や妹と一緒に住んでることくらいしかわからない。もしかしたら私にはわからないだけでナチスを追ってきたユダヤ人の老人であることがその人のパーソナリティの説明として十分なのかもしれない。
敵役として登場するのはヨセフメンゲレ博士。ナチスの人体実験をやっていた医師だ。はじめこそ仰々しい登場でナチスの残党から敬われる彼だったが、話が進んでいくにつれてメンゲレ博士だけ時代に取り残された人だということがわかってくる。
戦争が終わってから三十年、ナチスを憎み残党を探している老人と、ヒトラーの権威を無くさないためになんとかかんとか細々と活動するメンゲレとの戦いはものすごい惨めだった。

最後の戦いで、二人は血だらけになって揉み合う。その時にメンゲレ博士はこう言う「さっきモーテルでテレビつけたらヒトラーの映画がやってた!まだヒトラーは大人気なんだよ!」この言葉が悲しかった。記録映画なんていくらでもやるような時代に、テレビでヒトラーが出てきて大喜びしている。自分の親とか、知り合いの高齢者とかがヤフーニュースで仕入れた話題をお茶の間に持ってきたときのようなやるせなさ。
そしてメンゲレは犬に噛み殺されて死ぬ。

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