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「又は」及び「若しくは」並びに「あるいは」
はじめましての方もこんばんは。
池村といいます。
田中みな実さんと結婚したいと思っています。
日常生活において文法に潔癖だと、周囲から敬遠されがちですが、でも正解は知った上で、わざと崩して使いたいというプロ意識もあるので、よろしくお願いします。
それでは始めます。
よろしくお願いします。
誰かの書いた文章を読んでいて、特に気になるのは、andとorの使い方。
andとorの違いがわからない方は少ないと思いますが、日本語にすると、実はそれぞれ2種類の表現があることを意識している方は、意外と少ないのかもしれません。
今日は例文を用いて、その基本ルールを啓蒙します。
又は/若しくは
1.ファーストチョイスは「又は」
2.「又は」>「若しくは」
例文1.
こんな日は、ビール又は発泡酒を飲みたい。
例文2.
こんな日は、ビール若しくは発泡酒、又は牛乳若しくは第3のミルクを飲みたい。
及び/並びに
1.ファーストチョイスは「及び」
2.「及び」<「並びに」
例文1.
イギリスにおける60年代の4大ロックバンドといえば、The Beatles、The Rolling Stones、The Who及びThe Kinksだろう(諸説あり)。
例文2.
イギリス及びアメリカの60年代のロックバンドの中ではそれぞれ、The Beatles、The Who、The Kinks及びCream、並びにThe Beach Boys及びThe Doorsが好きだ。
例文3.(この場合はどっち?)
ジャケットも内容も1枚で伝説になってるバンドといえば、The Velvet Underground(and Nico)及び?並びに?Derek and the Dominosだろう。
あるいは
1.公式な文章ではあまり使わない
2.村上春樹しか使ってはいけない
例文1.
《彼はナイフとフォークを皿の上に置いて、またひとさし指をこめかみに軽くつけた。それが彼が物を考えるときの癖らしかった。チャーミング、と女の子なら言うだろう。
「あるいは怖かったからかもしれない」と五反田君は言った。
「怖い?」
「あの子と二人きりになるのがさ」と彼は言った。そしてナイフとフォークを取り上げた。》
村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス(上)』
講談社文庫, 1991(1998第16刷), 258頁
例文2.
《あるいは彼女が僕に腹を立てていたのは彼と最後に会ったのが彼女ではなく、僕だったからかもしれない。》
村上春樹『螢』
『螢・納屋を焼く・その他の短編』より
新潮文庫, S62年(H11年25刷), 27頁
最後にまったく文脈と関係のない引用をします。
《「やれやれ」と僕は言った。やれやれという言葉はだんだん僕の口ぐせのようになりつつある。》
村上春樹『羊をめぐる冒険(下)』
講談社文庫, 1985(2000第42刷), 36頁
やれやれ。
今日も田中みな実さんと結婚できませんでした。
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