2020秋アニメ話数単位ランキング

こんばんは。
Splathon vol.2 Advent Calendar 2020の21日目、いかずち担当の2020秋アニメ話数単位ランキングです。
まだ2020秋アニメ終わってないんだが???と思った皆さん、心配しなくてもぼくもそう思いました。
まあでも最終話付近はハイコンテキストな話が多いので、ランキング対象にならないような話が多いんじゃないかってことで許してください。

趣旨

- 2020年秋アニメのうち、ぼくが見たものが対象です
- 基本的にはそのエピソードをコンテキストなしで見てどうか軸です
- ぼくの好みが出ています

ノミネート作品の紹介

それではさっそく、ノミネート作品の紹介をしていきます!

ヒプノシスマイク#1

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まず最初にご紹介するのは、『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』第1話『As soon as man is born he begins to die.』です。
ヒプノシスマイクはアニメ化以前より非常に人気のあるコンテンツで、当然、そのアニメ版の第1話には大きな期待が集まっていました。
そんな中で放映されたこのエピソードでは、本作に登場するMCグループすべてにラップシーンが用意されています。
それぞれの映像・音楽のクオリティが期待を上回っていることから、この作品の強みはラップシーンであるという制作側の強い主張が感じ取ることができました。
特に、4グループ全員にラップシーンを用意するために駆け足なストーリー展開となっているところが、逆に視聴者を退屈させない魅力的な効果を生んでいる点に注目です。

ヒプノシスマイク#11B

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さて、ヒプノシスマイクからもう1話、第11話『No pain, No gain』Bパートです。
本作品は第9話からラップバトルの決勝トーナメント編が始まり、各チームがラップバトルを行っていくのですが、11Bはその決勝戦に当たります。
決勝戦という場に恥じないラップバトルのクオリティの高さはもちろん、ここにきて唐突に出てきた《回復》というスキル、ヤクザから「オピオイド」という単語が出てきて医師が「鎮痛剤」と返すおまえそれ逆やろみたいな展開。
ハイクオリティを求めてアニメを見る人も、意外な展開を求めてアニメ見る人も双方満足できる傑作です。
ラップに興味ある・なしに関わらず11Bだけでも見てみたほうがいいと思います。

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会#9

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オタク業界に10年続く二次元アイドルブームをもたらした原因の一角にして伝説的作品『ラブライブ!』の3つめのシリーズ、『虹ヶ咲』より第9話『仲間でライバル』です。
本作品は全エピソードすべてがきわめてクオリティが高いのですが、特にテーマ性が際立っているこちらのエピソードを選出しました。
本エピソードの担当ヒロイン朝香果林は、見た目や雰囲気から感じられる強キャラオーラとは裏腹に、部屋の片付けが出来ない、会議でどや顔でアイデアを出す割に自分の作業ができない、なんなら自分の晴れ舞台の直前に逃げ出してしまうという少し残念な女の子です。
オタクのみなさんにおかれましては思い当たる節がある方もたくさんおられるかと思うのですが、本エピソードではそんな朝香果林に対して、「個人主義を標榜する中でもチームとして支え合う姿勢は大切だ」というメッセージとともに許しが与えられます。
ぼくとしてはそのような作品の流れを『ラブライブ!』という箱の中でやりきったことに賞賛の意を示したいです。
また、本エピソードはゲーマーズでラノベを買う優木せつ菜がめちゃめちゃかわいいというのも見所ですので、忘れないようにしてください。

いわかける!#6

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次のノミネートは、スポーツクライミングをテーマにしたスポ根アニメ『いわかける!』第6話『信じられない力』です。
ゼロ年代中盤くらいのクオリティのアニメと安いキャラクターで最初の印象はあまりよくなかったのですが、第4話から関東ボルダリング選手権編が始まり、実質咲-saki-じゃんみたいな面白さのインフレを引き起こしました。
第6話はその関東ボルダリング選手権の準決勝です。
予選の成績が最下位だった主人公の笠原好が覚醒し、予選より難しいはずの課題をどんどん一撃(最高成績でのクリア)していく様子は非常に痛快でした。
その後、より上位の選手が「最下位のあいつに完登できるのに自分にできないはずがない」というナメた姿勢で挑み絶望していく展開は少し前に流行った最弱(最強)主人公の系譜を感じます。

くまクマ熊ベアー#1

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女主人公なろう原作アニメ『くまクマ熊ベアー』より第1話『クマさん、登場』です。
全体のストーリーとしてはMMORPG閉じ込められ系なのですが、そんなのはどうでもよくて、かわいくて最強で現実主義的な主人公ユナがあまりにもかわいい。
MMORPG中では最強のパワーででかい蛇を倒し、現実世界では株だか為替だかで大資産を気づいているユナも、祖父にマンションの保証人をやめられると困るというのも好きです。
Twitter等では魔女の旅々のイレイナになりたいという声が活発に聞こえてきますが、「これになりたさ」軸ではユナのほうが上回っていると言わざるを得ないでしょう。

神様になった日#3

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『Angel Beats!』『Charlotte』に続く麻枝准原作アニメシリーズ第3段『神様になった日』より第3話『天使が堕ちる日』です。
この作品の方向性を(悪い意味で?)決定づけた話で、主人公たちは売れないラーメン屋の再興を任せられることになります。
一貫して悪ノリが過ぎる展開で、本当にこれでラーメン屋が売れるようになるのか?みたいな雑なアドバイスが繰り広げられます。
視聴者側としては、終始引き笑いをしながら見続けるのが正解でしょう。
アニメを見る際の体験としてかなり新しいものがあります。
ちなみに、本エピソードにはドリップで鰹だしをとるシーンがあるのですが、放映直後に行った祇園のラーメン屋でサイフォンで鰹だしを取っていて爆笑しました。

神様になった日#4

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引き続き『神様になった日』より第4話『闘牌の日』です。
前話によって決定づけられた方向性が続いていて、終始意味不明な麻雀が続く地獄のようなアニメとなっています。
手牌の具合がよくない -> ひなが出てきて意味不明なアドバイスをする -> 意味不明な役を主張するという謎の展開が基本です。
0本場の子のときに「二色同順ドラ隣ドラ隣」出和了りで2300点を獲得するなど、点数計算も意味不明。
全体的に意味不明な展開の中で、実況やヒロインの杏子さえも気圧されて訳わからん発言を繰り返します。
ラストの「しかも謎の点数を申告だー!」は名言でしょう。
勢いで死ぬほど笑える人だけが楽しめる、特殊なエピソードだったといえるでしょう。

魔女の旅々#3A

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続いては今期の大人気ヒロインイレイナちゃん擁する『魔女の旅々』より第3話Aパート『花のように可憐な彼女』です。
花で人間をおびき寄せ、魔力をどんどん吸ってしまう特殊な植物がテーマとなっている8分ほどの短いエピソードですが、このエピソードによってイレイナの旅人としてのスタンスを明確なものとなっています。
そのスタンスは、「自分の手に負えないものには近づかない」。
古くから冒険譚といえば、冒険先の各地にある様々な問題を解決し現地の人たちに感謝されながら次の街に向かうというスタイルのものが基本とされていますが、それらとこの作品との違いを明確にした非常によいエピソードといえるでしょう。
この方向性は3B『瓶詰めの幸せ』でも実感できるでしょうから、第3話は通貫して見られることをおすすめします。

魔女の旅々#9

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次のエピソードも『魔女の旅々』より第9話『遡る嘆き』です。
虐待を受けたことがきっかけで連続殺人鬼になり処刑されてしまった友人を助けたいという依頼人の頼みによって、過去に戻り、虐待を阻止することでその友人が犯罪者になるのを防ぐことになります。
本作品での過去改変ルールは、「過去を改変した瞬間新たな未来が生成される」ものの「未来に戻ったところでもともとの世界にしか戻れない(改変後の世界には戻れない)」というものなので、完全に自己満足ですが、やはり友人が助かった世界があるというものが心の支えになることもあるのでしょう。
結論から言うとこの試みはうまくいかないのですが、イレイナはこれがうまくいかなかったことに強い憤りを感じています
この憤りが前節で述べたイレイナのスタンスとは異なっている点が魅力です。
もしかしたら時間軸としてはこちらのエピソードの方が先で、このことがあったから現地人に深入りしなくなったのかもしれません。

無能なナナ#2

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超能力者を能力なしで殺していくことを目指すアニメ『無能なナナ』の第2話『時間遡行』です。
この作品はハイレベルな騙し合いを魅せたい作品という見た目をしているのですが、ストーリーや伏線の作りがチープであまりうまくいっているとはいえなさそうです。
そんな中で、このエピソードは全編を通して伏線回収がうまくハイクオリティを保てています(敵役はアホですが)。
ストーリー冒頭で氷の能力を持った能力者が池を凍らせるのですが、これを利用して殺人をキメるのはなかなかスマートでした。

アサルトリリィ#8

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最後にご紹介するのは、ブシロードはこっちに社運を賭けてほしかった『アサルトリリィ BOUQUET』より第8話『ツバキ』です。
本来は謎の巨大生命体と戦って世界と人類を守る的な内容のストーリーなのですが、本エピソードは戦技競技会という運動会的な概念の日常回です。
端的に申し上げてミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウスちゃんがかわいい。
全体的なストーリーとしては特別な要素はそんなにないのですが、2010年代中頃のラノベ原作アニメ感が強く、そこが非常によいです。
この毒にも薬にもならない日常バトル感、脳に直接いい感じの刺激を与えてくれます。
あとED曲のAice5感が好きです。

ランキング

以上でノミネートエピソードの紹介を終えます。
ほかにも魔法科高校の劣等生2期#4や戦翼のシグルドリーヴァ#4なども好みではあったのですが、少しノミネートには弱いかなという印象でした。
また、『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』や『安達としまむら』などは非常に面白いアニメなのですが、話数単位で切り取るのが非常に難しいためノミネートされていません。

いまランキング形式にする必要性について疑問に思っているのですが(紹介文書いたし満足)、せっかくランキングということにしたので、ノミネート11エピソードの中からトップ3を決めたいと思います。
以下、選定理由とともにどうぞ。

第3位 いわかける#6

実は今期は俺TUEEE色のある作品が少なくスポ根要素も不足している中で、非常に良質なスポ根俺TUEEE成分を補給できました。

第2位 ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会#9

やはりオタクのADHDに対する許しがラブライブというコンテンツで提供された意味は大きいと思います。

第1位 魔女の旅々#9

あの後味の悪いエンディングが非常に好みです。
魔女の旅々はハッピーエンドよりもバッドエンドのほうが数十倍は映える作品なので、このエピソードをアニメ化してくれたことに感謝です。

さて、これでアニメの紹介は終わります。
アドベントカレンダー、明日の担当はフェイさんです。
よろしくお願いします!

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