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1人の引きこもり大学生が1人のアイドルの虜になる物語
イベントの規制緩和も着々と進み、都内でも様々なイベントが再び開催されるようになった3月。一人暮らしの大学生である私は自粛期間に心を奪われたBiSHに会いたいという理由から道玄坂のラブホテル街に足を運んでいた。MULTiPLE MANiACSで開催されていたWACK SHOP。そこにWACK所属グループのメンバーが出向いて接客をしてくれるという情報があった。
「BiSHに会えるのかな」
そんな思いで渋谷に足を運んだ上京して1年 19歳の田舎育ち男。無事に整理券を手に入れ、次第に入場の時間が近づく。そこでとある会話が耳に入った。
「メイちゃん(キラ・メイ)とウタちゃん(ウタウウタ ※現在は事務所退所済み)だったよ〜」
「そっか〜」
あぁ、やっぱり会えなかった。タイミング悪いなぁ…。
正直入場前に少し気分が下がってしまった。当時の自分はBiSHにハマって1年と少々。BiSH以外のWACK所属メンバーは自撮りツイートにいいねするくらいではあったが顔と名前は一致していた。そんな中でPARADISES(以降 楽園ズと表記)で活動していた2人。「この人たちはWAgg(研究生グループ)から昇格した2人」「最近“PARADISES RETURN”という曲をリリースした」というくらいしか自分の知っている情報はなかった。
「メイちゃんとウタちゃんか、BiSHじゃないけどメンバーと話せるならまぁいいかな。」
そのくらいの気持ちだった。そしていよいよ自分の入場時間、階段を降り少し覗き込むとそこには同じ世界に住んでいるとは思えぬくらいに可愛くて華奢な女の子たちがお客さんと会話していた。
「これがアイドルか、やっぱり画面で見るより可愛いな…。」
IQ3くらいの感想しか出なかった。そしてあっという間に自分の番、一気に緊張で胸の鼓動が早まった。
「初めまして。誰のTシャツを買おうか悩んでるんですけど…。」
メイ「メイのは買ってくれないの?」
ウタ「私のは?」
理性が崩壊した。「2人とも買いたい…。」と一瞬でなった。が、しかし、多くお金を持っていなかった自分は結局別メンバーのTシャツを購入した。
「まだライブに行ったことがないので今度ライブ行ってみます。」
メイ. ウタ「ありがとう!待ってるね!」
(ウタウウタが退所済みのため写真は掲載しません。)
「誰にでも言っているんだろうな」と内心思っていたが、とりあえず帰りの電車内で楽園ズの曲を数曲聴いてみた。
「めっちゃいいじゃねぇか…。」
偶然
季節は流れ初夏へ 私は偶然Twitterであるツイートを目にした。
-月ノウサギ WAggへのレンタル移籍を終了しPARADISESへ復帰-
「月ノウサギさん…ギャンパレ(GANG PARADE)にいたあのめちゃくちゃ綺麗な人か。そういえばウタちゃんの昇格と同時にWAggに移籍したんだっけ。復帰するのか、メイちゃんとウタちゃんもまた見たいし今度リリイベでも行ってみようかな。」
こうしてほんの出来心で私はタワーレコード渋谷店で行われるリリースイベントに足を運ぶこととなった。3部制とのことで、「どれか1つでも観られればいいや」という気持ちで 7月3日 私は渋谷へ向かった。
初めて生で聴く彼女たちの音楽
CDを購入し整理券を手に入れた私は、会場であるB1FのCUT UPスタジオへ足を踏み入れた。数十分後、輝かしいSEと共に楽園ズの6人がステージに登場した。決してステージから近いわけではなかったが、登場した瞬間からこれまで感じたことのない胸騒ぎがした。そして始まったライブ。音源でしか聴いたことのなかった“PARADISES RETURN”。可愛らしい彼女らのルックスとは反してとてもかっこ良く歌い上げる姿を観て目には涙が浮かんだ。しかし、その後私は更なる衝撃を受けることとなる。
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"PARADISES RETURN"
なんだ…この子は!?
PARADISES RETURNの後に披露した曲、その中で私は1人のメンバーに私は心を奪われた。
そう、それが「月ノウサギ」だったのである。
そこで披露した曲はココナッツ(ファンの総称)からも高い人気を誇る“BRIGHT FUTURE, YOUR SMILE”。アップテンポなサウンドと前向きな歌詞、そして何事も忘れて楽しめるような振り付けが醍醐味の曲だ。この前に披露した“PARADISES RETURN”は対照的にスローテンポでエモーショナルな歌詞がとても心に響くような曲であった。
「なんだこの曲…踊れなくてもめちゃめちゃ楽しいじゃん!!そんでもってなんだあの子…さっきまでクールな表情で歌っていたのにめちゃめちゃキラキラしてるじゃねぇか!!この子は一体どんなポテンシャルしてるんだ!?!?」
ここで何よりも伝えたいのは、彼女はこの日朝6時ごろまで、ニコニコ生放送で某サンシャイン系芸人のマネをしていたということだ。ろくに睡眠もとれてないだろうにこんなにキラキラしたパフォーマンスを見せてくれるのか!?
この時点で私の心はかなり揺れ動いていた。
そして終演後の特典会。唯一覚えているやりとりは
「あんま寝てないですよね?大丈夫ですか?」
月ノ「全然大丈夫だよ!ありがとね!」
という1ループのみ。本当にそれ以外記憶がない。
静まらぬ胸の鼓動と共に帰宅した私は、すぐに楽園ズのライブスケジュールを確認した。幸いいくつか開催予定のライブがあったため、そこから先の私は手当たり次第彼女らのライブに足を運ぶこととなる。このリリースイベント直後に、3月のWACK SHOPで私が会ったウタウウタがグループを脱退してしまったが、5人になった彼女たちは変わらずに熱いパフォーマンスを見せ続けてくれた。
この瞬間 写真に残したいな…
7月下旬に行われる彼女たちのライブのチケットを入手した私は、カメラを購入することにした。理由は単純で、リリースイベントからすっかり虜になっている月ノさんを写真という記録に残したいというものだった。しかし…
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「上手く撮れない」
カメラを買って初めてのライブ。みんな平等に撮ろうと心に決めて望んだ初めてのライブ。恐ろしいほどに上手く写真が撮れない。当たり前だ、カメラのイロハも知らずにぶっつけ本番で写真を撮っても上手く撮れるわけなどない。
(ちなみに下手な写真の中でもやっぱり1番多く写真を撮ってたのは月ノさんだった…というか9割彼女だった)
カメラ,ライブについて学ぶなか、最近楽園ズと月ノさんにハマっていると伝えた友達に
「どこがそんなにいいの?」と問われた。
「綺麗な顔立ちに惹かれたことも間違いない、だけど曲ごとにさまざまな表情を見せてくれる、絶対疲れているのに表情を全く崩さずお客さんを楽しませようと本気でライブをしている姿がなんともたまらんのよ…」
一瞬でこんなに長い言葉が浮かんだのは初めてだった。友達には「そうか…」と軽く流された。
その後数回のライブを重ね、次第に写真技術は向上していくのであった…。
GPトレード
7月のリリースイベント以降、すっかり楽園ズ,そして月ノさんの虜になりライブに複数回足を運んだ私は、10月2日にお台場で開催されたTOKYO IDOL FESTIVAL(通称 TIF)へ参加した。
当日の朝はまさかこの日が運命の日になるとは思わずに…
「今日もBFYS(BRIGHT FUTURE, YOUR SMILE)やってくれるといいなぁ」そんな気持ちを胸に始まった彼女たちの時間。大勢の人が来場するイベントだからだろうか、BFYSをはじめキャッチーでアップテンポな曲が多く、会場全体で楽しめるような楽曲が多かった印象がある。楽園ズブームの到来とほぼ同時にライブに通い出したGO TO THE BEDS(以降 GTTBと表記)の出番が終了したのち、私は別会場で行われる事務所くくりでのスペシャルステージを観賞した。
全項目終了後に登場するWACK代表の渡辺氏…
「GO TO THE BEDSとPARADISES メンバーを全て交換させていただきます。」
は!?交換!?!?
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BiSHからWACKを知り、過去にカミヤサキ(GO TO THE BEDSとPARADISESの分裂前のグループ GANG PARADEのオリジナルメンバー 2020年5月にグループを脱退し事務所を退所)とアヤ・エイトプリンス(WACK所属グループBiSの元メンバー 2期BiSの解散とともに事務所を退所)のトレード移籍があったことは知っていたが、まさか全メンバートレードとは。
トレード前、GTTBの評価はファンの中でもかなり高く、「声量が足りない,不安定」など否定的なコメントが寄せられることもあった楽園ズのメンバーがGTTBの曲を歌うことに不安を感じてしまった自分。実際に私が声量や安定感の不足を実感することも少なくはなかった。
そこから11月頭のツーマンツアー 「GO TO PARADISE TOUR」が開催されるまで、両グループは充電期間に入った。
不安と恋しさ
ライブがない10月が幕を開けた。
いつも通り楽園ズとGTTBの曲を聴きながら大学へ足を運ぶ。ライブがないという喪失感のなか大好きな月ノウサギさんにリプを飛ばしまくる毎日。ライブで月ノさんの姿を見ることがこんなにも自分の支えになってたのだと実感することとなった。
11月のツーマンツアー 幸いにも6公演中2公演のチケットを取ることができたが、ライブの日が近づくたびに「あの子たちがGTTBの曲を本当にやり切れるのか? また否定的な言葉をぶつけられないか?」という気持ちが込み上げてきた。だがしかし、1ファンである私には見守ることしかできない…。
GO TO PARADISE TOUR
そして迎えた11月3日 ツーマンツアーの初日だ。このライブの2部に私は参加した。不安が残るなか、圧倒的な実力で楽園ズの曲をやり遂げる新生楽園ズのメンバーたち。これだけ素晴らしいものを見せられてなおさら不安になった。しかしそんな不安は一瞬で打ち砕かれることとなる。
「初めまして!私たち GO TO THE BEDSです!」
「あぁ、始まる。大丈夫だろうか…。」そんな気持ちを残したまま始まる一曲目の“merry bad end”
「えっ、この子達…こんなカッコよかったか!? 」
正直言って曲が変わるたびに鳥肌がたった。本当に数ヶ月前まで可愛らしいスカートの衣装でザ・アイドルサウンドというような曲を歌っていた子たちなのか!?と。そんな中でもやはり僕の瞳が捉えるのは彼女だった。
「月ノさん…こんな表情できるん!?」
あんなにキラキラで誰よりも楽しそうな表情でライブをしていた彼女が狂気的な目をしてGTTBの曲を歌っている。はたまたポップサウンドの“赤ちゃん”を披露すると、数ヶ月前に見たようなキラキラした表情で踊り、歌っている。
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「あの人はカメレオンか?」
このライブを終えて1番最初に浮かんだ感想はこれだった。カワイイもできてカッコイイもできる。こんな人だったのか。すごい(語彙力)
続けて行われた11月8日の大阪公演でも、彼女の表情筋はあり得ないくらいに動いていた。同じ人間なのだろうか?
月ノウサギという人間
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イオンモールつくば
GTTBとしてのお披露目から約1ヶ月半、私は今も月ノウサギの虜になっている。いや、今はもっと月ノウサギの虜になっている。楽園ズでも見せてくれたキラキラした表情でアップテンポな曲を歌い上げる姿もそうだが、これまでにはなかった狂気的でカッコイイ姿をGTTBで見られるようになったことが何よりも大きい。何よりもライブに行きたい。予定を蹴ってでも彼女に会いたい。そんな毎日を送っている。もちろんライブに行けばお金はなくなる。リリイベに行けばお金はなくなる。洋服やゲームは買えなくなる。満足に食事も摂れなくなる。
それでも会いたい
そう思わせてくれるのが彼女の1番の魅力なのだ。なぜかはわからない。会いに行けば表情筋フル稼働でハイクオリティのパフォーマンスを見せてくれて、特典会では何回行っても笑顔で迎えてくれる。1度でも目にすれば何よりもファンを大事にしているのだろうという気持ちが絶対に伝わるはずだ。最初は顔ファンでもいい。カシワック企画でツイートにいいねをされて気になった人は是非現場に足を運んで欲しい。
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月ノウサギ(左) キャ・ノン(右)
現在開催中のカシワックでは彼女はトレード前のPARADISESとして活動している。ユキ・レイソレこと柏木由紀とのコラボ楽曲“夏のバカヤロー”のMVでは、白いセーラータイプの衣装に身を包むとても可愛らしい彼女を堪能することができる。企画の終了後には、この可愛らしい佇まいの彼女をすぐに見ることはできないが、与えられた環境下で妥協など一切せずに全力で魂をぶつけてくる彼女の魅力が少しでも多くの人に伝われば嬉しい。
以上、しがない大学生の駄文でした。
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イベント予定(現在チケット購入可能なもの)
12月25日
サンリオピューロランド ワンマンライブ「GO TO THE BEDS is my life」
12月26日
サンリオピューロランド PARADISESとのツーマンライブ「GO TO PARADISE TOUR IN SANRIO」
どちらもローチケより購入可能
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