作業療法士1年目

「作業療法士1年目」と言えるのはあと2日。1年間で何ができただろうか。

初めての症例検討

今から半年ほど前に初めて症例検討会の当番だった時、とても悔しかったのを覚えている。その時、自分で書き留めた言葉。

「病院で初めての症例検討はデグロービング損傷の症例さん。
“HAND20やQuickDASHはセラピストの自己満足に過ぎない部分がある、症例発表するならとるかもしれないけど”
“主観的な満足感を得るにはそもそも機能訓練とADL動作練習をしっかりやらないと”との言葉を頂いた。                   可動域制限が残ってしまう可能性が大きいからこそ代償手段や環境調整が大事になるし、ADLに対する主観的な評価が重要になりそうだと文献読んでやっと気づいて評価をとってみたけど、上司に言われたこともそれはそれで心に留めながら、根拠のある介入をしなければ。」

急性期のザ•医学モデル!と言わんばかりの言葉を浴び、私にはショックが大きかった。また急性期の機能向上が見込める時期にもっとリハ内容を攻めておくべきだったという後悔も残った。

2回目の症例検討

年度末、最後の症例検討会の当番ということで、自分の中ではここが1年目としての集大成にしようと決めていた。(集大成とは大袈裟だが)

以前のnoteで触れた症例の発表。

ICU入退室を繰り返した症例を約5ヶ月間担当させていただいた。状態が不安定な時期を繰り返し、なかなか目標が定まらなかった。状態が安定してきて、いざ起立練習と思ったら、呼吸促迫、パニック様症状。積極的な機能練習は困難であった。

この後、欧米で主に用いられているICU日記というものを題材に、日記を使用し始めたところ、作業に焦点を当てた発言が増え、1週間の目標設定や運動療法への継続的な参加が可能となり、回復期へ転院した。

発表後、以下のような言葉を上司から頂き、ほんの僅かでも急性期から重要な作業に焦点を当てる大切さを伝えられたかな、と感じることができ、凄く嬉しかった。

「久しぶりにOTっていうものを感じた」   「今できることに目を向けることも作業療法、日記を用いることで障害受容やセルフエフィカシーに上手く繋がった例」           「がんのリハビリテーションでも症状を受け入れながら、自分らしく生きる研究が進んでいて、それと似たものを感じた」

自分にできること

まだ自分は経験浅いし、それぞれの分野で知識や介入方法に長けている人はいる。そんな中で自分のやりたいことと、今いる職場で求められることをすり合わせた結果、目標共有に必要な因子を研究すること、どのように重要な作業に焦点を当てるのか模索することが私にできることだと感じた。急性期の患者様の精神面をフォローしながら、自分らしく生きる支援を。この1年を通して急性期で作業療法の専門性を発揮することは容易ではないと分かったが、できることも沢山あると思えた。やっぱり突き詰めたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?