説明から始まる作業療法

新患さんの初回介入の時に、するであろう『作業療法』の説明。患者さんの目には〝リハビリの人〟として映っており、作業療法を知っている人はなかなかいない。

「作業療法は手で行う細かいことや日常生活動作のリハビリが中心となります」

この言葉を使いたくないのに、他の言葉が思い当たらず、使っている自分が悲しくなる。急性期という限られた短い時間の中で、作業に焦点を当てた介入をする自信がないから、とりあえず機能訓練をする。その流れが、こんな説明をさせてしまうのだろう。

この説明が、リハビリは〝してもらうもの〟だという認識を患者に植えつける。

だからといって、協会の定義をそのまま引用すると、以下のようになる。

「作業療法では健康と幸福を促進するために作業に焦点を当てて治療や支援をします」

私が初対面の人にこの説明をされたら、抽象的すぎて怪しい職業だと感じるだろう。笑

そんな時に参考にしたいと思った言葉。

クライエントの認知面などを考慮しながら、自分の「したいこと」「しなければならないこと」「することを期待されていること」を再びできるように一緒に取り組むリハビリであることを説明する。                   出典:作業で語る事例報告/齋藤佑樹

作業療法、リハビリをどう感じているのかといった、クライエントの主観を評価、考慮して伝える。この伝え方あれば、自然とクライエントしか知り得ない日常生活の情報を聞き出すことに繋がるし、ただの日常会話ではなく、作業療法において意味のある行為だと分かってもらえるだろう。

患者さん1人1人に合わせて、アレンジしながら、どんな説明ができるのか挑戦していきたい。

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