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東京のスタートアップから、名古屋に移住して起業した話

はじめまして、碇です。岐阜・名古屋を拠点にIDENTITYという会社をやっています。

東京を離れ、愛知に移住してから4年。元々は『IDENTITY名古屋』という名古屋の地域メディアからスタートした会社も、気づけばたくさんの仲間が増え、2019年6月で3期目を終えました。

『あらゆる領域にデジタルシフトを』という言葉を掲げ、マーケティング領域を中心に企業のデジタルシフト、今っぽくいえばデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援が主な事業です。

自社事業では前述の地域メディアのほか、cocorone美濃加茂茶舗といった事業も展開し、PMや編集・ライター、デザイナーを中心に常時40名ほどがプロジェクトに関わっています。

そして人が増えてくると「うちの会社って何がしたいんだっけ」「社長って元々なにしてた人なの」などなどメンバーから疑問もでてきます。

そこで社内外への共有と忘備録も兼ねて、ここまでの経緯と地方で経営する中で感じたことをnoteにまとめることにしました。

名古屋で起業するまでの経緯

僕は横浜市で生まれ育ちました。郊外だったけど、最寄駅にはスターバックスもユニクロもドンキホーテもあります。市内の中心地に比べればマイナーな街でしたが、いまになって振り返ると全国的にみれば都会に分類される街だったと思います。

東京で起業したのは2011年。まだスタートアップという言葉が出始めばかりの頃です。

当時はシードのVCも数えるほどしかなく、1回の投資額も300万円から多くても5,000万円ぐらい。1億も調達すれば、テックメディアに大きく取り上げられる時代でした。

4年ほど頑張ったものの、立ち上げたスタートアップはうまくいかず。その時期にプライベートな事情が重なったこともあり、会社を離れ愛知に移住しました。

昔からの友人でありIDENTITYの共同創業者になるモリと「名古屋でローカルメディアをやろう」という話をしたのもその頃です。その後、メディア運営を通じて仲間も増え、大企業との取引も増えてきたので法人化をすることにしました。

『地方の問題』は本当に地方だけの問題なのか

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移住して1年ほどは東京の知人のスタートアップを何社か手伝いながら、地域メディアを通じて名古屋や他の地域の企業からも相談を受けることが多くなります。

すると今度は東京の友人たちから「自分のITスキルで地方企業の支援をしたい」といった声を沢山もらうようになりました。

それ自体は全然悪いことではなく、実際に僕も移住した頃は同じように人にお願いしていました。最先端のデジタルツールとロジカルなアプローチで、『地方』の抱える課題を解決できる気がしますよね。でもちょっと待てよ、と最近は思うのです。

たしかに『地方』には課題も山積だし、ヒト・モノ・カネもノウハウも足りない。

LTVやCACという横文字が会議の場で並ぶことは少なく、その代わりにFAXでしか申し込めないネットショップ開設セミナーのお誘いがチラシで送られてきます。後継者不足の問題で会社は潰れるし、人のいない商店街がどこの駅前にも並んでいます。

でも『地方』じゃなくたって、東京にもそんな会社は沢山ありますよね。紙の請求書じゃなきゃ受け取れない会社、セキュリティ上クラウドサービスを使えない会社、人手不足で黒字倒産する会社。

都会の人が『地方』の問題だと思っていることの多くは、本当はオフィスビルの隣のフロアでも起きている問題なんです。

そこをミスリードして「地方にはITスキルが足りないから自分が活躍できるはず」と意気揚々に飛び込むことは、じゃあ隣のオフィスにいきなり転職して改革できますか?というのと、そう変わらないんじゃないでしょうか。

そもそも『地方』と大きい主語でまとめても、200万人の地方都市と2,000人の集落では抱える問題は全然ちがいます。もちろん、同じ規模の市町村同士でも事情はそれぞれに異なるでしょう。

そこにある課題は『地方だから』あるんじゃない。そこで生活する人の営みがあり、悩みがあり、理由があるからこそ、そこにしかない課題が生まれるわけです。

当初は僕たちも『あらゆる地域にデジタルシフトを』をミッションに掲げていました。その想いは今も変わっていないけど、僕らに解決できる課題は地理的条件に関係するのではなく、どこにでもあるものなんだと最近ようやく気づきました。

だから3年たって、地域から領域へ。『あらゆる領域にデジタルシフトを』というミッションに変更しました。

なぜデジタルシフトなのか。それは何もかもがデジタルシフトで解決できると思っているから、ではなくて。ただそれしか出来なかったんですよね。

北は北海道から南は九州まで、仕事で色んな地域にいきました。

僕は日本茶がどうやってつくられるのか知らない。自動車の部品がどのように開発されているのか知らない。工場に機械を導入する費用も、それを卸すメーカーのことも知らない。

原価は?製法は?販路は?設備投資にいくらかかるの?どうやって売上をあげているの?

旅先で出会う様々なビジネスに触れて、課題を聞いて、結局僕にはインターネットで解決できる部分を探すことしか出来ませんでした。

インターネットが解決策なのではなく、僕にはインターネットしか出来なかった。これは首都圏をでて、ITやスタートアップという世界から身を置いて一番の学びでした。

IDENTITYも早3年。社会におけるインパクトはまだまだまだまだです。

それでも僕らにはこれしかないから。困っている人を僕らに出来ることで手助けできるように、次の3年もがんばっていきます。

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わかる
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IDENTITY. Inc 共同代表取締役 |NPO法人soar 理事 『あらゆる領域にデジタルシフトを』をミッションに、企業のデジタルシフト/DXの支援をしています。自社事業にIDENTITY名古屋、cocorone、美濃加茂茶舗。カバーは澤村スペンサー英梨々の絶対領域
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