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新卒で地獄のテレビADになった女子のリアル。月収や仕事内容、恋愛などの業界事情をぶっちゃける。

※この記事は2018/06/18に執筆した、前ブログ記事からの引用です。

ごきげんイカが?

私は新卒でテレビ番組の制作・人材派遣を行う会社に入社し、とあるバラエティー番組のAD(アシスタントディレクター)を4ヶ月ほどやっていました。

前に書いた「テレビADの仕事の実態 ブラック編メリット編」の記事ではお伝えできなかった部分をご紹介していきます。

まず、テレビのADになるには?


新卒でテレビADになるには、リクナビやマイナビで応募するのが一般的です。

私が入社した会社は、制作会社の中でも大規模でした。

テレビ番組というのは、テレビ局が直で作っている場合もありますが、ほとんどの場合は外部の制作会社が絡んでいます。

1つの番組で複数の制作会社が絡んでいることが多く、同じ業務をしてる同番組のADでも別会社だと給与や待遇面はかなり違います。

なぜか、厳しすぎる現場に配属されました。
入社前の研修で表彰されたり、少しだけ「意識高い」新入社員であった私は、「お前ならどこでも大丈夫そう」とのことで、特に「キツイ」と噂のバラエティ番組に配属されました。

初日から早速、先輩ADに「やばいよ〜しんどいよ〜覚悟しときな」と、脅されました。

それもそのはず。後々訊くと、配属されたADが2ヶ月で10人辞めていく番組だったのです。

しかも、昔の業界のパワハラ体質が残る「ヤバい」現場でした。

ぶっちゃけ、テレビADの月収はどれぐらいなの?


制作会社の求人を見ていると、初任給18万〜23万円ぐらいが多かったように思います。

私の会社は、月収19万+交通費といった感じでした。

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残業代とかいう概念はそもそもないです。手取りは交通費含みで17万弱。

月の勤務時間が400時間ぐらいだったので、時給にしたら400円ぐらい。

(悲しくなるので、時給計算はなるべくしないようにしましょう...泣)

会社に提出するタイムシートがあるのですが、総務の方から

「そのままの勤務時間を書くとヤバいから、なんとかやってね」との
暗黙のご指導が入ります。

勤務時間を誤魔化さないと、局側からご指導が入るからだそうです。

この辺は電通の自殺の事件が発覚する前だったので、ゆるゆるでしたねぇ。

物がめちゃくちゃなくなる

携帯電話の充電器に関しては、上司に貸してそのままパクられることが多かったり、ディレクターに勝手に持って行かれることもありました。

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そこで私はピンクのビニールテープでぐるぐる巻きにして、「●●(本名)の私物!!勝手に使うな!!」とアピールして、盗難対策をしておりました。

それでも、何本かなくなったので、先輩に聞くと「よくあること」らしく、対策が甘いとのことでした。

USBメモリもよく使用するため、なくなりやすかったです。

いつの間にか引き出しを開けられて、誰かに勝手に持って行かれて、全く知らないディレクターの持ち物から見つかったことがありました。

そこで、最終手段として「勝手に持っていったら、呪う」と明記する、怨念ふっかけ作戦を実行しました。

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すると、不思議と盗まれなくなりました。

呪いは最強。

テレビ業界人の恋愛事情は?


忙しいテレビ業界人ですが時間がない中でも、人間だから恋愛はしたいものです。

外部に彼氏や彼女がいる人はもいましたが、不規則な時間帯で働いてる業界ゆえ、生活リズムが同じである同番組の男性ディレクター×女性ADの組み合わせや、AD同士での恋愛が多かったイメージでした。

あと、エディターさん(編集する人)との話もよく聞きました。

編集室という密室空間で、数日間カンヅメで過ごすと人間は欲望に負けるもので、女性ADがエディターの人とその場でxxしまったという話をなどを聞きます。ハードですね。

テレビ局員の下で働く事に

私の直の先輩はチーフAD、テレビ局員さんでした。

テレビ局に入社できるぐらいなので、超一流大学を卒業した、超絶エリート。

最初は「頭の回転の早い、いい人だなぁ」と思っていました。(ただ、怒られるたびにバカとは何度も言われた)

「教えてもらう」という行為があったのは、ほんの最初だけ。

あとは「なんとかしろ!!」と、マニュアルを投げて、教育を放棄されます。

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業界の一般的な概念として「仕事は盗んで、覚えろ」という職人気質があります。

周りの人に聞きまくっても、新人にはわからないことだらけ。
(聞いても教えてくれない人も居ますしね)

常人ではこなせない量の仕事を一気に振られたり、少しのミスでフロア全体に響くぐらいの罵声を浴びせられたりしたことが、なんどもありました。(業界にとっては普通のことなので、周りは完全スルー)

その後もラインの返信が少しでも遅いと、1分ごとに執拗にメッセージが送られて来たり、電話が何十件もかかって来ます。

先輩もいそがしすぎて寝てなくて、気が短くなっているので、少しは気持ちがわかります。

自分が気に入らないと「辞めたら?」と言われたりもします。

納得いかず、なんどもケンカしましたが、後々考えると普通にパ○ハラ案件でしたね。

このようなことが当たり前に起きすぎて、感覚がバグってしまいました。

奇妙な先輩方

番組のADには、他にも奇妙な先輩方がたくさん居ました。

2年目の先輩、A氏


仕事ができないことで、よく先輩ADに殴られたり蹴られたりしていました(壮絶すぎる)

そんな仕打ちにあっていたにも関わらず、なぜこの現場に居続けるのかを聞いてみると。

「僕は、大学出て就職で失敗して、ここに拾ってもらったからね。他に行くところがない。

まぁ、今生きていて楽しいことなんて、一つもないよ。」と苦笑しながら言っていました。

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一度業界に染まって洗脳されてしまうと、辞める勇気が湧かないのは、深刻な問題かもしれません。

5年目の先輩、B氏

まったく向上心がなく、ADの後輩よりも下の立場で働いていてもへっちゃらなようでした。

後輩からしたら、先輩なのに立場が下の扱いづらい存在。本人は自由にやりたい放題です。

分身したいほど忙しく大変な繁忙期なのに、空き部屋で寝ながらゲームしているB氏を見た時は、先輩だけど叩き起こしてやろうかと思いました!!←

編集の期間中にハコ(編集室)に入ると、通称ハコメシ(弁当)がたべれます。

(数日間カンヅメなので、それぐらいは欲しいですよね)

ハコメシの買い出し担当だった私に「朝ごはんついでにスタバ買って来て〜。ドリンクも☆」

ドリンクまで要求する奔放っぷり。
(領収書で落としたらバレないのです)

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B氏曰く業界にずっといるのは「スタバが無料で飲めるから」という理由だから、驚きだ。

いや、どこだってスタバぐらいすぐ買えるやん・・・

って突っ込もうと思ったけど、諦めました。

そういった、奇妙すぎる先輩方に囲まれて仕事してました。

支えになった人たち
数ヶ月間でしたが、私が厳しい環境を続けて来れたのも、支えになってくれた多くの方が居たからです。

居酒屋で愚痴を聞いてくれたロケバスの運転手さんやAPさん、その中でも一番お世話になったのは「輩(ヤカラ)センパイ」でした。

他番組ADの「輩(ヤカラ)センパイ」

備品の貸し借りでよくお世話になっていたのですが、金髪・ソフトモヒカン・血走った目というヤカラ風のいかつい見た目とは裏腹にめちゃくちゃ優しく、情に熱い良い人でした。

末期の私は常に病んでいて、どうしようもなかったのですが、喫煙所に連れ出してくれ、お悩み相談をしてくれました。

今は全く吸いませんが、この当時は、ストレスのあまり1本だけもらいタバコしてました。

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ちなみに、仕事でのストレスたまりすぎてタバコを吸い出すAD、かなり多かったです。というか、業界人自体がタバコ吸う人多いですから。

辞め際は突然に

私の辞め際は、ジェットコースターのようでした。

辞める寸前は電話がなりすぎて、幻聴がきこえたり

メンタルが安定せず、心療内科で薬を処方してもらったり

拒食気味になって、体重が1ヶ月で7キロぐらい減ったり

直の先輩のチーフADの仕事だけでなく、他の先輩やディレクターも担っていた私は、心身共に限界を迎えていました。

会社の人に「せめて他の現場に変えて欲しい」と訴えても「まだ頑張れるだろ?」と引き留め続けられていました。

「こんなんで辞めちゃ不恰好だし、いくら仕事が辛くてもそれが社会の洗礼。限界まで頑張らなくてはならないのだ。辛くても飛んでたまるか。」

そうしたちっぽけなプライドだけで、身体にムチを打って馬車馬のように働いていました。

胃もキリキリ痛くて、よじれそう。

ああ、死んだ方がマシなのかなぁ。

・・・・・・

もう、限界。

そう思った時に、目の前に非常階段がありました。

「このまま飛び降りれば、どんだけ楽なのだろうか」

頭にそんなことがよぎりました。

一歩踏み出してしまおうか。

そう思ったとき「局内診療所」の文字が目に入った。

私は、ふと我に帰った。

「死ぬぐらいなら、恥をかいた方がマシ!!」

そう思い、診療所に飛び込みました。

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本当は、局員の方しか使えない診療所だったみたいなのですが、特別に診療してもらい、休ませていただきました。

しばらくすると、会社の人が慌てて飛んできて

「そこまで辛かったとは。もう、辞めて大丈夫だよ。」

と、ようやく超絶ブラック現場を辞められることになりました。

死ぬぐらいなら「辞める勇気」を持て


テレビのADだけでなく、すべてのブラック企業労働者に伝えたいのは、

死のうとか思うぐらいなら、今すぐ辞めてしまえ!!

ということです。

私のように、プライドを気にして死を連想するぐらい末期になるのなら、プライドなんて、捨ててとっとと辞めてやりましょう。

命まで脅かされる場合であれば、飛ぶことも厭わないで良いと思います。

(飛ぶというのは、ビルから飛び降りるという意味ではありませんよ。)

極限を言えば、あなたがいなくても現場なんて何とかなるもの。

すべては、死ぬよりはマシなんだから。

人間らしい生活ができない仕事は、仕事ではない

人間らしい生活ができず命の危険まで感じる仕事は、もはや仕事ではないと思います。

生活をする為に働いてるのに、何故その生活がまともにできないのか。

そして、罵声や馬事雑言が飛び交うのは普通に考えておかしい。

そして、自分の物があたり前のようになくなる。

人を全く信頼できなくなりますよね。

「これでも、昔の業界に比べればマシ」と、業界人は言いますが、そもそもその感覚がおかしいと思うのです。

ちなみに、お世話になっていた「輩センパイ」は、私がやめた後、とあるロケのシュミレーションで腰の骨を折り、危うく下半身不随になるところだったそう。(しかもこの事件、番組側は隠蔽してますからね。社会の闇ですよ)

後日、普段から気にかけてくれたディレクターの名前をTwitterで検索したら、フォローしているのが「乱○」「セ○レ募集」のアカウントばかりだったり

少しだけ手伝っていた別の番組のディレクターが淫行で逮捕されたり、とにかく乱れた現場すぎて、考えるだけでおぞましくなりました。

そもそも、きついとわかりながらなぜこの業界に入ったのか?
それは学生時代に経験した別のエピソードが絡んでくるので、それはまたの機会にということで。

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少しでもあなたの心に響いたら嬉しいです🌼