やっとオリパラが終わった

 これくらい開催地で評判の悪いオリンピックも初めてだろう。何よりもIOCバッハ会長のゴーマンな態度が、全国民を敵に回したのが大きかった。
 札幌が冬季大会に立候補しているらしいが、期待する声は減退するだろう。もうオリンピックをやりたがるのは利権目当ての人間しかいない。

 もはや過去の人になってしまったスガは、オリンピックを支持率回復の特効薬と期待していたようだが、愚かとしか言いようがない。
 コロナを甘く見た上に、カネまみれで利権まみれのオリンピックの現実の姿を暴露してしまった。

 いま期待しているのは「2020東京大会の公式記録映画」である。映画監督には河瀬直美氏が起用されている。

 オリンピックの記録映画は1936年ベルリン大会の『民族の祭典』が素晴らしかったので、オリンピック憲章で全ての大会で記録映画を作ることが義務付けられている。
 ナチスオリンピックとも呼ばれるベルリン大会を、天才レ二・リューフェンシュタールは肉体の躍動にクローズアップして、見事な作品として残した。

 1964年大会の市川崑監督の『TOKYO OLYMPIAD 1964』もそれに並ぶ名作だった。古い東京の街並みが鉄球やブルドーザーで破壊される場面から始まる映像は体制側からは評判が悪く、明るく国威発揚に繋がる場面だけを切り取ったダイジェスト版が作られたが、そんなモノは誰も受け入れなかった。

 河瀬直美氏も体制迎合に流れるような監督ではない。開会式終了後に芝生が入れ替えられる場面を夜を徹して映しているらしい。
 虚しいメダルラッシュ報道に明け暮れた「おバカなテレビ」とは別次元の世界を期待している。

 予定では来春完成、夏には公開予定らしい。


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