猛暑日の過ごし方

 部屋で『ザ・ロイヤル・テネンバウムス』(2001年製作、米国作品)を観ている。

 この映画のサントラ盤だけは持っていた。1990年代以降はカーリー・サイモンとエルトン・ジョン以外はアーチスト名では買っていない。
 サントラしか買わなくなったのは、新しい音楽に興味が無くなり、古い名曲を再演奏・デジタル録音しているモノにハマったからで、タワー・レコードあたりで視聴してから買っていた。

 サントラだけで映画を観た事がない作品が多数ある。
 この作品は3日ほど前に、馬場のブックオフで偶然に見つけた。だいたいサントラ版が良いモノは、映画としても素晴らしい。この作品には、ポール・サイモンの「僕とフリオと校庭で」などが入っている。
 他にも好きな曲が多数入っていた。映画のストーリーは荒唐無稽だが、実に効果的な場面に抒情的な曲が流れる。

 「良いサントラ=良い映画」の例外がひとつある。『ノッティングヒルの恋人』だ。
 サントラ盤にはエルビス・コステロやビル・ウィザーズの名曲ばかりだが、映画の方は腹が立つほどの駄作だ。『マディソン郡の橋』レベルの陳腐なラブ・ロマンスでしかない。

 持っているサントラ盤は無名に近い映画ばかりなので、DVDを見つけることも稀である。
 今回のように「このサントラ盤を持っていて良かった」と思うことも楽しいし、「こんな素晴らしいサントラを使って、よくもこんなクダラナイ映画が作れたものだ」とこき下ろすのも爽快である。

 いまや日本の夏は、オリンピックどころか日常生活にも危険な暑さだ。

 部屋に籠って感動するか、罵詈雑言に明け暮れるのが正しい。


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