総理大臣スガは、言葉を持っていない

 今日、緊急事態宣言が東京圏4都県から7府県が追加されて、記者会見が行われた。
 最初の総理側からの話は、役人答弁をまとめた原稿を読み上げたに過ぎない。まあ「総花的」で役人作文の典型であった。
 すべてについて触れているが、説得力ある「言葉」は一言も無い。

 スガの官房長官時代の発言が、「答える必要はない」「その批判は当たらない」などシャッターの役目しか果たしていなかったので、その延長であった。
 「何を語り掛ける為の、モノなのか?」がまったく分からない会見だった。

 その後の、記者からの質問も陳腐なモノだった。
 ひとり内閣記者会でない「ブルーグバーグ」の女性記者が「日本は米国の感染者数の100分の1くらいだと思うが、すでに医療崩壊が起きているとは何故なのか?」と質問したのが光っていた。
 政権側は「医療制度の違い」という曖昧な返事で誤魔化した。

 しかし最後に質問に立った「ビデオニュース社」のジンボ氏が鋭かった。
 彼は「国民に対するお願いが必要なのは分かる。しかし、お願いと並行して政府は〇〇をやっているという話がまったく見えない。
 例えば先ほどの医療崩壊の話も、制度の違いで片付けられる話ではない。日本の一定人数当たりの病床数は世界一である。それが崩壊するには、制度の間違いを正す政治の役目が必要だ。コロナに関しては、軽傷者も重傷者と同様の扱いをしなくてはならず、それが医療現場に大きな負担となっている。
 それらを政治主導で正していく覚悟はあるのか?」
と立て板に水の勢いで、話し切った。

 スガは慌てていたが、あいまいな役人答弁で乗り切った。横で尾身座長は「ざまあ見ろ」という表情をしていた。

 スガは、わざわざ開いた記者会見なのだから「自分の言葉で語り掛けなければ、何の意味も無い」はずだった。

 しかし、このオトコには「語るべき言葉」が一語も無い。政治家にもっとも向かない種類の人間である。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?