創作日記 その10

 昨日はゴールデン街で飲んだ。常連組勢揃いであった。小説を書いている話になって、「イーズカさんは論理のヒトなのに、小説は大丈夫なんですか?」と訊かれた。
 「だから、のた打ち回っている」と答えた。奥田英朗の『最悪』を必死に読んでいる。最初読んだ時は、単なる読者として消費して終わっていた。

 今回は、「技法を学ぶ」ために、藁をもつかむ思いで読んでいる。
 つくづく思うのは、物語や会話を動的に展開するには、舞台設定が必要になる。と、すでに理屈でしか考えていない。

 ある意味「もっとも小説に向かない人間」かもしれないと、自覚しながら書いている。ただ、結果としては「小説のような生活」をしている。

 オンナとの話が多いので、女性の視点で書くことにもチャレンジしている。これはギャンブルなので、しくじったらその章一章が丸ごと無くなる。

 少し前に飲み仲間のひとりが、読売新聞あたりの賞を獲得している。ケイオーの後輩にあたる性格が歪んだヤツなので、「ざまあ見ろ」と留飲を下げたいのだ。
 イーズカのモチベーションは、「他人を見下す」「ヒトの不幸を見て、笑う」「傲慢不遜にふるまう」といった、邪悪で卑劣な「小市民の欲望」に支えられている。

 むかしから、「怒っている時のイーズカさんの文章は、ホントにイキイキとしている」と言われてきた。

 「成功した友人の足を引っ張って、嘲り笑う」、これが小説を書く最大のエネルギーとなっている。
 協調性が無いことを、「売り」にしているのだ。


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