創作日記 その8

 今日は運動しない安息日なので、夕食を済ましてから小説に取り組んだ。

 重要な彼女の章だけで400字×12枚くらいにはなってしまった。完全なる会話文が中心である。彼女は明確な論理で語る女性だったので、細かいディティールまで、30年も前の事なのに良く覚えている。セックスに関する意識も、一気に変わった。

 途轍もない「欠落」を抱えた、素晴らしい女性だった。

 ここは延々と手直ししなくてはならない。わが身を半身失うほどの思いで別れている。
 悪く言う気などまったくない。しかし共に生きていくのは無理だった。

 そのころ観た映画のパンフレットも残してあるので、それを見ながら書いた。

 むかし、妹から、「お兄ちゃんのお嫁さんになる人は、とてつもなく賢いか、とんでもないバカか、のどちらかで無いと無理なんじゃないの」と言われていた。

 その両者を兼ねていた、数少ない女性のひとりだった。

 相当に直しを入れないと、恐ろしくて発表できない。


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