ユーチューブの「歴史改竄広告」

 テレビは一切見ないので、ユーチューブばかり見ている。NHKの受信料は、B-CASカードが壊れたので解約させた。

 ユーチューブにはホントにクダラナイ広告が延々と流されている。毛生え薬・やせ薬・口臭除去薬・FXで儲けて自由な生活をなど、相変わらず陳腐なモノばかりだ。
 ナレーターが、バカそうで早口なので、流れた瞬間にスグ分かる。しかしトイレに居たり、料理中だったりで、飛ばすことができないタイミングなので、否応なしに聞かされてしまう。
 まあ長い広告で話せば話すほど「科学的根拠ゼロ」だというのが良く分かる。

 しかしこれだけ大量に流されているので、顧客は存在しているはずだ。明確に「アタマの悪いバカ」をターゲットにしている。
 雰囲気的には磯丸水産あたりで、大学生のお調子者が得意気に話している、不愉快なリズムと荒唐無稽な内容だ。

 そこに最近、「新手」が登場し、広告本数も急激に増えている。
 「日本は、戦争に負けていない」「マッカーサーが恐れた日本人がいる」「東京裁判でインド人判事が、処刑に反対した」などの使い古されたネタである。
 バカバカしくて「勝手に言ってろ」という内容だが、これらは明確に「アタマの悪いヤツ」をターゲットにしている。

 アベシンゾーの「美しい国、ニッポン」が、本人の犯罪や公文書改ざんなどで色あせたが、こんな「愚かな主張」をしたがる勢力が、まだ諦めていない。

 イーズカも「終戦」という言葉が大キライで、「大惨敗」と呼んできた。さらに、アメリカに負けたのではなく、大日本帝国は中国に負けたものと確信している。
 あの広大な大陸に引きずれ込まれ、あまりに広くて兵站による補給が効かず、略奪と凌辱で物資を確保し、満州国をでっち上げたものの国際社会からの批判を受けて、国際連盟まで脱退している。
 石油確保のためにアメリカを敵に回し、完膚なきまでに叩きのめされている。アメリカには「トドメを刺された」に過ぎず、その前の対中国戦争で疲弊し、にっちもさっちも行かなくなっていた。

 その中国が毛沢東率いる中国共産党によって、1949年中華人民共和国が成立した。そのドサクサに紛れて「アメリカに敗北した」と、事実を歪曲した。

 白井聡氏が言う『永続敗戦論』には深く共感する。敗戦を終戦と言い換えることで、第2次大戦・大惨敗をまったく総括できていない。
 最近のオリンピック組織委員会会長の森喜朗による発言に見られるように、日本のスポーツ界には「大日本帝国・陸軍の腐った軍人」たちの末裔が、連綿と続いている。

 大日本帝国の軍部の暴走という言葉に騙されてはイケナイ。あの軍隊を利用して私腹を肥やした財界人が山ほど居る。ナチスドイツも同様で、化学に力点を置いていたドイツ財界も、ヒットラーの世界戦略に率先して協力している。
 あの戦時体制は、民間の企業に莫大な富をもたらしている。それが忘れられない連中が、そのまま現在の財界にも居座っている。

 彼らは「夢よもう一度」で、あの強圧的で暴力的な支配が理想である。
 マトモな人間を説得するのは無理なので、バカをまとめて洗脳したいらしい。でなければ、ユーチューブにこんな手の込んだ広告を大量に流すことなどできない。

 今年は2021年。1945年の大惨敗から76年が経過している。日本兵を飢餓や病死に追い込み、一般市民を空襲下に置きながらバケツリレーでの消火を強要したのが第2次世界大戦での大日本帝国だ。
 大日本帝国の犯罪を、「いま、総括・断罪」しなければ、白井聡氏が言うように、永続的に敗戦し続けることになる。

 アベ・スガの自民党政権を見れば、彼らが日本国民とその財産を売り飛ばそうとしている姿が明白だ。
 こんな「人間のクズ」に権力を与えているので、スガの学術会議・任命拒否や、森喜朗発言でも露呈したように、ニッポンは世界中からバカにされ、軽蔑されている。

 こんな状況を座視していたら、日本人は民族として愚かだ、と言われても何の反論もできない。


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