部屋が快適になった

 パーティ準備が進むにつれ、モノを捨て、カーテンや冬服を管理倉庫にぶち込んだので、広々として快適な住空間になってきた。
 今日がパーティ前最後の可燃ごみ回収日なので、「捨てるべきモノは無いか?」と憲兵のように見回っている。

 大学を追われた後、やる気を無くして3年ほど不貞寝していた。その間は部屋の掃除など一切やらず、部屋中がホコリだらけだった。
 そこから復活して初めてパーティをやった時、2週間ほど掛けて部屋を徹底的に掃除した。極端にやり過ぎたので2週間で6キロも体重が落ちた。エアロビ同様に、やり出すと異常な執念で取り組んでしまう。

 もう東京に来て40年以上経っている。その間数十回は引っ越している。学生時代はケーサツから追われての「夜逃げ引っ越し」も多かったので、6年間くらいで10回は引っ越していた。
 その後は数えてもいない。

 住むところは大事だ、と思っているので物件選びに妥協はしない。どんなに予算が少なくても、それなりの物件を見つけ出した。毎回20件以上は見ていたが、探せば在るのだ。下見の時は必ずメジャーを持って行き、家具を入れ込む場所を採寸した。
 引っ越し前には、かならず家具の配置図を作った。

 展示会のブース設計やパビリオン建設の設計図をチェックするのが仕事だったので、習慣化していた。
 イベントも引っ越しも「段取りがすべて」である。現場で出来ることは限られている。「何をしたいのか」を明確にして、そのテーマを細部に落とし込んでいく。

 マンションの管理人をしていても同様で、ゴミ置き場を見た瞬間に手順を決めて、その手順通りに作業を進める。作業量を最低限に落とし、あとは遊んでいる。
 デンツー時代がチョー忙しかったのでクセになったのだが、当時から「カラダを壊してまで、やらなくてはならない仕事など無い」と確信していた。手抜きしないと、死んでしまう。

 万来社を作った時、デンツーの先輩から「オマエの会社は、パーティをやる専門会社にした方が儲かる」と言われていた。自分が主宰するプライベート・パーティを頻繁にやっていたので、趣味として楽しみながらやっていた。
 当時は「そんなモノかなあ」と思っていたが、現在なら食える気がする。コロナ禍で「楽しむ場」が激減したので、飢えた顧客がゴマンと居る。

 今、レースのカーテンを洗濯している。カーテンは洗ったモノを吊るしておけば乾いてしまう。天日に晒す必要も無い。

 日常生活でも、カーテンが汚れているのはキライなのだ。


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