自転車散歩

 昨日8日は、あまりにも好天で、なおかつ土日と曇り空の予報なので、15時過ぎに自転車で出発した。
 まず新宿。大久保を抜けて大久保病院から歌舞伎町を経て伊勢丹に向かった。伊勢丹メンズ館のカルバン・クラインに行きたかったが全館休館中。斜め向かいのビックロは開いていた。
 ビックロの入場管理は徹底していた。透明なフェイスカバーのスタッフが並び、手を消毒させた上に手首にセンサーを当てて体温チェック。店内には客の姿もまばらで歩き回るのにちょうど良い。
 それから南口のフラッグスに行った。大きく「2F~10F営業中」とあるが、どこからも入れない。
 諦めて代々木を抜けて千駄ヶ谷に行った。5丁目の新宿御苑・千駄ヶ谷門の近くは「万来社・発祥の地」でもある。当時、自宅兼事務所ではあるが、家賃20万円もの物件に住んでいた。そのマンションは健在だったが、1階の元事務所物件は空室になっていた。
 首都高下の駐車場を抜けた。この駐車場は当時、ポルシェやジャガーやフェラーリで溢れていた。イーズカはここにホンダS2000
を駐車していた。バイクはマンション駐車場にUSホンダ・ワルキューレ1500ccを止めていた。
 当時2002年に日韓ワールドカップ・サッカーが開催された。その時に、現在も乗っている自転車を購入した。ひょんな事から、イタリアチームのチケットを販売することになり、良くコメントしてくれる慶応の後輩である宮本いづみに留守番してもらいながら自転車で飛び回っていた。
 チケットの供給元は見るからにいかがわしいオヤジで、表参道に事務所を構えており、ベンツのスポーツタイプに乗っていた。一枚8万円もするチケットだったので、その扱いには緊張した。
 お陰で、イタリア戦を札幌と、鹿島と、大分で観戦した。単価の高い商品を扱うと、ビジネスに対する姿勢が変わる。
 新国立競技場の前を抜けたが、その周辺にはトンデモナイ高層ビルが乱立している。隈研吾設計のスタジアムは許容範囲だが、周辺のビルは醜悪を極める。
 もともとは絵画館周辺は高さ規制が厳しくて、高層ビルなど許されていなかった。スタジアム改築をテコにして、それらが取っ払われた。
 その中には、ザハ・ハディド案で醜態を晒した「日本スポーツ振興センター(JSC)」が入居している。火事場ドロボーが焼け太りした態である。
 オフィスビルやマンションが乱立しているが、オリンピック開催に間に合わせるために突貫工事となり、内装など手抜き工事のオンパレードらしい。
 オフィスもマンションも空室だらけだと聞く。都心の一等地を見た目も内容も最悪な廃墟のような街にしてしまった。再開発という名の都市破壊である。
 ザハのカブトガニのようなスタジアムが出来なかったのはまだマシだが、「神宮外苑」のブランドを粉々にしてしまった。
 あまりに下品な風景に唖然とする。
 この前にDJクメ氏に紹介してもらった店でコーヒーだけ飲んでいたが、地元民の評価もサイテーであった。
 こんな都市破壊で水増しされた建設費から、オリンピックの上納金を吸い上げられている。安倍も小池も八つ裂きにした方が良い。あまりに陳腐で、豊かさを換骨奪胎している。
 246号の青山通りは相変わらず素敵な街並みだ。表参道から下る通りも見事だが、表参道ヒルズは全館休業中、その周辺の店も閉まっていた。
 それから代々木公園を抜けたが、コチラは芝生の上でひとびとが陽光を浴びながらくつろいでいた。1964年のオリンピックは代々木体育館など素晴らしい遺産を残してくれたが、2020年は破壊しかない上に、オリンピックの開催すらほぼ不可能である。
 東京の地価暴落はすでに始まっている。タワーマンションの住人が売り抜けようとしているが、誰も買い手がいない。
 西新宿の十三通りを経由して帰って来たが、帰宅後風呂に入って全てを洗い流した。
 コロナウィルスなんぞより、神宮外苑のチープな変貌ぶりが恐ろしい。
「くたばれニッポン、恥を知れトーキョー」としか思わない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?