大寝坊のあと

 昨日は大寝坊という大失態を、悪どさと悪運で何とか乗り切った。昼過ぎに家に戻ると、さすがに疲れ切った。
 スピーカーのウーファ修理の為に、ヤマト運輸が14時から16時の間に集荷に来る。
 15時には来たので午後の要件も完了した。即座にベッドに潜り込んで昼寝した。爆睡だった。目覚めると17時過ぎで、こんどはトラブルもなく、起きた瞬間に昼寝から目覚めたことを認識できた。

 火曜日は夜の「エアロ・シェイプ」に出る。このイントラの佐藤氏とは、原宿XAXの時からの20年来の知り合いである。彼は甘いマスクの二枚目ながら、オネエ言葉でしゃべる。
 スタート直後から凄まじい勢いで動いたので、くつひもが解けた。後ろに下がって結び直した。
 「あらあら、ド~したの? 」と声が飛び、直して戻ったら「オマケにマスクまで変わってる、ヤダ~、勝手にアベノマスクまで交換して」と言われて、クラス全員に笑われた。

 そうウレタン製の黒いマスクを入手したので、換えていた。ジムのメンバーのほとんどが「アベノマスクのイーズカ」と認識している。
 偶然にも斜め前に居た「淡い顔系の美人妻」にも、「いつ換えたの? 」と質問された。
 黒いマスクは1枚しかないので、換えた訳ではない。新たに女性メンバーから貰ったアベノマスクも健在で、そちらは新品が4枚もある。

 それにこのウレタンマスクは、呼吸が苦しい。汗をかくと顔にビッチリと張り付いてしまうのである。レッスン終盤時にはびっしょりと重くなる。アベノマスクは作りがいい加減なので、呼吸がラクである。
 まあオネエ言葉に煽られて、複雑な切り返しや踏みかえステップが多くて疲れた。

 終わってから夜景絶景バーに行った。エンジニアのT氏が居たので話が盛り上がった。
 イーズカは文学部・哲学科というチョー文系ながら、デンツー時代に「都市型工業フォーラム」というシンポジウムを担当したことがキッカケで都市型工場・探検隊に参加していた。首都圏の役所の産業振興課の人々と2か月に一度、各地の工場見学をしていた。
 20年は続いているので1000社以上を訪問している。そんな話と、イーズカが失敗をしでかして故郷に戻り、派遣社員の工場労働者をやっていた頃の話がウケたのである。
 イーズカ42歳の厄年の頃の話である。

 ガラス工場では1200度の溶融炉の前に立ち、耐熱服を着て原料投入を行っていた。ポカリの粉末を渡され「イーズカさん、これをちゃんと飲まないと死にますからね」と言い渡された。

 次の工場は磁石を作っており、1日13時間労働だった。磁石は重く、1日に約10トンの磁石を手押し車で運んでいた。
 さすがにこの時期はエアロビクスをやっていないが、そんなモノはまったく必要ない労働環境に居たので、屈強な筋肉がつき堂々たる工場労働者になった。東京に戻った時はかなりのマッチョマンになっていた。
 工場の肉体労働者は、ジムでエアロビクスなどやらない。そんな必要も無ければ、やる体力も残っていない。

 40歳を過ぎて大失敗を犯して、静岡に島流しとなり、刑期を果たして、屈強なカラダで東京に戻った。

 転んでもタダでは起きないのである。こんな精神は、かつてのデンツーから学んだ。
 そのデンツーが、いまや見る影もない。ブザマで不愉快な存在に成り果てた。
 あの会社は2001年ころの株式上場時に優秀な社員を片っ端から退社に追い込んだ。かつてのデンツーを支えた有能な人材が「石もて追われた」のである。
 デンツーの経営陣は、社員が無能でも儲かる会社作りにハンドルを切った。
 それが現在の二人社長体勢の「デンツー」というクズ会社である。

 こんな会社は日本にはもう必要ない。独占禁止法を適用して会社を解体・清算するべきだと思う。


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