電車の窓に映る自分が完全におっさんだった。
電車の窓に映る自分が完全におっさんだった。あまり完全なおっさんだったもので、二度見してしまった。そのあと愕然とした。正直、大きな声を出したかった。おっさんおるやん! おっさんやん! うわっ、うわわわっ、超おっさん! 真・おっさん! おっさんリアリズム。などと、車窓に映る自分を指さして一人で騒ぐおっさんを見たら、周りの人はどう思うのだろう。それは、こう思うのだろう。
「完全に、頭おかしいおっさんやな」。
嗚呼、口惜しい。「完全なおっさん」から、「完全に頭おかしいおっさん」に