でかい楽器の手運びは

初の単独演奏へ向けて、朝っぱらからスタジオへ。

朝の7~9時は、1時間¥500という
破格のスタジオが
電車で2駅くらいのところにあるのだ。

9時以降は、¥1,000、お昼過ぎからは、¥2,000と
便利な時間になるほど、
容赦なく跳ね上がっていくスタイルなので
ここはもう、自由業の特権を生かして
なんとか頑張るしかない。

それはともかく。

私が演奏する楽器は、でかい。
海外旅行へ行くスーツケース
2つ分くらいの大きさがある。

台車に括り付け、
ガラガラと町中を大音量で運んでいるのだが
これが、なかなか大変なのだ。

『だれにとってもイカした
バリヤフリーなんてものは、ありえない』、と
岸田奈美さんが書いてらしたのを思い出した。

私が運べる台車の大きさには限界があって
車輪の大きさもそんなに多くないから
ちょっとした段差で、いちいちつまずく。

アスファルトの凸凹は、しょうがないとしても
困ったことに、
点字ブロックが手ごわいのだ。

必要な方がいるのは、心底理解している。
だから、とても切ない気持ちになった。

私がつまずく度に
だれもが必死の朝の出勤ラッシュの流れを
へーんなテンポで止めて
後ろの人の眉間に皺が寄る。

うぅっ、ごめんなさい。。。

やっとこさ、電車に乗っても、
満員電車は、でっかい荷物の人間には、
そら厳しい。

ですよね。。。
にょぉ。。。ホントごめんなさい。。。

ホームに降りたっても
エレベーターまでの道のりが、まあ長い。
利用している駅は、一旦
改札の外に出なくてはいけなかった。

そして、
エレベーターまでの道を案内する点字ブロックが
またしても、行く手を阻む。。。

目が不自由な方にとって
歩道や、ましてや駅のホームなんて
点字ブロックが命綱。
もし無かったら、と思うと、
ものすごく怖いし、背中がゾッと寒くなる。
そのままで、なんだったら
いっそ、もっとデッカク、なんて
普段は、普通に思っている。

だから、自分の身勝手なイラ立ちが
ひどく悲しかったのだ。
あんた何様だ。

まったく、どうしたらいいんだろ。

立場によって、街の見え方が全然違ってくる。

いつもより荷物が多いとか、
どこか痛いところがあるとか、

あと、そうだな
時間に余裕があるとか、
1分1秒を争う位、急いでいるとか、

そういうところからも
全然、変わる。

通常営業じゃない時こそ、
気づきのチャンスなのかもしれない。

というわけで、
今朝は、楽器運びがいろんな意味で辛かったよ。
&電車移動は、ラッシュ時には無理だと悟ったので

明日の早朝練習は、
でっかいタイヤの、でっかいカートに楽器を積んで
スタジオまでの道のりを、歩きでいってみようと思う。

Google先生が、30分位だよ。と言っている。
一山超えなきゃいけないのは、知ってる。
でも、きっとできる。
歌でも歌っていけば、きっとすぐに違いない。

スタジオも、実はエレベータがない4階。
往復運ぶだけで、疲れて帰ってくる可能性も高いけど
まあ、やってみようじゃないか。

ハタからみたら、何かを売っている人に見えるかも。
いっそ、ゆかいな旗でもつけるかな。
売るとしたら、えーっと、やっぱ、ヤクルトとか?

でっかい楽器運びの奮闘記は続く。。。












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