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益子にあるStarnetへ

益子にあるStarnetは、かれこれ10年ほど前からずっと行ってみたい場所だった。以前のブログでも書いた通り、このStarnetを作った馬場浩史さんに、私は働き方研究家の西村佳哲さんの「自分の仕事をつくる」という本を通じて知り、とても惹かれたのをよく覚えている。アメリカのインディアンの成人の儀式は、山に入って自分にとって居心地の良い場所を見つけてくることーなんて本質的なのだろうと思った。私は今でも、自分が幸せになるためには自分にとって居心地の良いと思える場所に住み、居心地の良い人の中で仕事をしたり暮らしていけることだと思っている。そしてそのためには、居心地の良さを感じる身体感覚を磨くことや自分の身体に対して敏感であることが大事だと思う。頭でばっかり考えすぎると、バランスを崩してしまう。

そう、だから私は、今、Starnetに行きたいと思った。サステナビリティに関するコンサルティング業務に携わって2年が経ち、仕事も慣れてきたけれどオーバーワークで自分の私生活が全然サステナブルでないこと、頭を使いすぎていることに違和感が少しあった。

一昨日は6時半に起きて7時に家を出発し、益子に着いたのは12時前という何とも長旅になってしまったけれど、本当にStarnetに行って良かったなと思う。Strnetに並んでいる器からも、洋服からも、Starnetから温かく見守られているような、そんな温かな眼差しを感じて、器を触ってもなんだかほっとするような感覚を持った。その後家に帰ってからも、良い映画を見たような余韻が続いていて、何が良かったのだろう?とお風呂に入りながら考え続けていた。置いてある作品それぞれから感じた温かみがどこから来ているのかと言えば、作家とStarnetの温かな関係性にあるのではないかと思った。私もこんな風に、自分の仕事の先にいる人との関係性を築いていければいいなぁと思って頭も心も少しだけ緩んだ気がした。

もう馬場さんはこの世にいない。知り合いに聞いたところによると、一緒にStarnetを創設された奥様もお亡くなりになられたとのこと。それでもStarnetは馬場さん夫妻の精神が宿っている場所であると思う。私はこれからも、馬場さんの残してくれた言葉や場所を大切にしながら生きていきたいと思った、そんな休日でした。

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