育つ

人と話すことが好きなんだと思う、自分の考えていることを話し、相手の考えていることを聞くことが。小学生相手でもそうだし、学部の3年生でもそう。オープンキャンパスに来る高校生や父兄と話すのも好き。友達、と話すことも楽しいけど、ナナメにいる人の方がその人のことに突っ込んで聞ける気がして好きかもしれない。


3年生の前期設計課題が終わった。昨日が講評会だった。

後期はわたしはここにはいないから、彼らが成長していくのを見られないんなあと思う。しばらくずっと、留学することに「さみしい」という気持ちを抱いてこなかったけど、よく話をしてくれていた子が話しかけにきてくれて、「さみしいです」と言ってくれたから、それから急にわたしも「さみしく」なった。

1年は長くない。日本とヨーロッパは遠くない。友達や家族にはいつだってどこでだって会えると感じる。会いたいという気持ちさえあれば。でも、距離が遠いと、誰かが変化していく時間に寄り添えないんだなあと思う。会ってお喋りすることとは違う。楽しいねって言って一緒に旅行することとも違う。日々刻々と、変わっていく姿が、ものをつくっているとよくわかる。それは、近くにいないとわからない。

子ども塾から6年生が巣立っていく時と似ている。自分の成長や卒業より、彼らの成長や卒業がうれしくてよろこばしくてさみしくて悲しい。


1年後の自分を想像できない。でも、帰ってきた時、自分の変化には目もくれず(というか自分じゃきっと気づけない)、みんなが変わっていく姿に泣いてしまいそうな気がする。

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