見出し画像

【取材内容公開】某週刊誌取材へのanklの回答を掲載します

今週水曜日、週刊文春の藤井風さんとサイババの関連性についての記事が公開されました。
一方、その他に受けていた某週刊誌での取材につきまして、記事の企画が見合わせとなったとのことですので、ここで文面でのanklの回答を掲載します。(出版社より許可取得済み)

(注: こちらの企画が見合わせとなった理由は、企画内容が被っていた文春の記事が先に出てしまったこと、とのことです。(担当記者さんより情報掲載許可済み) (2022/01/16 追記)

Q1. 藤井風さんとサイババに関係があると、どういった根拠からお考えになったのですか?

一番大きな根拠は、レーベル名、アルバムタイトル、ツアータイトル、彼が音楽活動においてコアメッセージとして掲げている「LOVE ALL SERVE ALL」「HELP EVER HURT NEVER」という文言が、一語一句違わずインドのサティヤサイババの掲げるスローガンそのものであるという点です。
 
この点を補強するその他の情報としては、
・サイオーガニゼーション日本の公式Twitter「サイババの言葉(Sri Sathya Sai Baba)」(@saibabawords)で投稿される言葉、考え方と酷似する内容を、藤井風さんがライブのMCやその他のメディアで普段から繰り返し発言していること
・藤井風さんが実家から投稿していたYouTubeの動画の背景にサイババのものと思われる写真が写り込んでいること
・藤井風さんの公式アプリのスタッフダイアリーで、「藤井風さんが生まれる前と生まれた後にインドで祝福を受けていた」と明かされたこと
・藤井風さんがベジタリアンであり、その事実を前面に押し出していたこと
・ダンサーのインスタグラムで、サイババのお香である「ナグチャンパ」とみられるものをダンサーたちが持っている写真が投稿されていること
・新曲graceのMVに見られるインドを舞台とした宗教的・スピリチュアル的な要素全て
 
等です。


2023/01/11 注) 本日発売の週刊文春の誌面上で、藤井風さんのマネージャーの河津さんが以下のように発言しています。
"サイババのことを隠しているわけではありません。"
サイババの文言を使っていることを暗に認めていると解釈できます。

Q2. 藤井風さんがインスタグラムで、この件について反論しました。どのようにお感じになりましたか?

まず前提として、彼は誰の何の件について話しているのかは明らかにしていないので、大晦日のインスタグラムストーリーズの発言が私たちの活動に対するものかどうかは、実際にはわかりません。
( 2023/01/11 注) 本日発売の週刊文春の誌面上の藤井風さんのマネージャーの河津さんの発言から、風さんが発信したのはこの騒動についてだとわかりました。)
その上で、私があの動画に感じたことは、以下のようなものです。時系列順に書きます。
 
・初めてあの動画を見たのは、風さんがあのストーリーズをアップしたすぐ後でした。
ただ恐怖で背筋が凍りました。今まで一度も、藤井風さんがあのような挑発的で人を馬鹿にするような話し方、表情で話すのを見たことがなく、またそんなことをするとは露ほども想像できなかったからです。私が今までファンとして見てきた藤井風さんの温厚なイメージとは明らかに違う、暴力的で他人を蔑む考えを持った別人が風さんの顔をして話しているように見えました。
私は自分自身が関わっていることでこんなことが起きたのは初めてだったので、酷く動揺しました。そして、このストーリーズを見ているだろう風さんの数十万単位のファンたち、東京五輪映画を通して関わっている日本政界や、サイババの信奉者の世界的規模のことを想像し、冗談でなく何らかの方法で自分が殺されるのではないか、と思ってしまいました。
丁度友人と電話していた最中で、取り乱した私を友人が冷静になだめてくれたので、その後は落ち着きました。ただあの時の藤井風さんの表情への恐怖は、未だに忘れられません。ストーリーズは24時間で消えましたが、私の脳裏には未だにあの映像がこびりついていて、軽いトラウマと化しています。
 
 
・後に冷静になって考えた時に、このストーリーズで一番問題だと思ったのは、彼の伝達方法でした。
これはもし彼の発言の対象がIIYYプロジェクトや、藤井風運営に対するものだったらという前提の話なのですが(実際私たちがnote投稿をしたのはこのストーリーズが上がるつい数日前のことで、彼のメッセージがIIYYや日本での声に無関係であると考える方が難しいと思います)、この議論は殆どが日本語でなされているものであり、海外にはまだ問題として浸透しているとはいえません。
 
その状況の中で、彼があえて英語を使って発信したことに、私は強い憤りを覚えました。
殆どの日本人のファンたちが、彼のように英語を自由に使えるわけではないということは、彼は十分承知していると思います。その上で、主に日本語でなされている議論に対して英語で発信する理由、あるいは意図していなくても結果的に彼にとってのメリットとなる要素をいくつか考えてみたところ、そのどれもが他人を馬鹿にしているとしか思えないものだと思ったのです。以下にその要素を挙げます。
 
①彼が攻撃的、嘲笑的な言い回しをしていることが日本人ファンに伝わりづらくなる。
②文脈を把握していないだろう多くの海外ファンに対して、「彼が何らかの宗教差別を受けたのだろう」と想像させ、同情を得ることができる。
③英語を使うことで、発言に説得力を持たせることができる。(実際には話している内容が変わるわけではないのですが、英語を流暢に話す様は格好良く、聞き手の信頼を得るためにとても大きな役割を果たしてしまうと考えます。)
 
私自身が現在海外在住者であり、職場でのやりとりや日常会話が100%英語のみの生活を数年間してきた経験があるため、彼の伝えようとしている攻撃、嘲笑、侮蔑のニュアンスは見た瞬間ダイレクトに伝わってきました。
しかし、このストーリーズを見た日本の藤井風ファンの方たちがTwitter上で載せ、理解していた翻訳は、親しみやすい岡山弁にしたものや、このニュアンスを排除して優しい言い回しにしたものなど、明らかに実際の表現とはかけ離れているものが多く、またそのような投稿が多くいいねを得ていました。その甲斐あってか、このような攻撃的な発信であるにもかかわらず、ファンの間では、風さんの動画に同情する声が多く聞こえたのが事実です。
 
IIYYでいただいたメッセージの中には、

日本人はどうせ英語が理解できないからと思っているのでしょうか?あの発言と同じことを同じニュアンスで日本語で発信できますか?

という声がありましたが、私も同じ気持ちです。この件については、今でもとても怒っています。
そして、言葉を表現の一部として使用しているアーティストでありながら、言語をこのような排他的な方法で使う彼に、一ファンとして酷く失望しています。
 
・また、彼の発言内容がIIYYに対するものである場合、IIYYの意図を誤解しているのだろうとも思いました。
彼の発言では、私たちがしていることは「彼の信仰や精神性を揺るがそうとしている」「人の欠点を必死になって探している」ということになっています。
しかし、noteの記事にもあるように、私たちが問題視しているのは「藤井風さんのサティヤ・サイ・ババの思想を絡めた音楽活動が、それが「サイババ思想の入り口」だと全く周知されてこなかったために、リスナーが風さんの音楽の入り口に立った時に、充分な情報を基に自分の意思に即した判断をすることが非常に困難になっていた点」であり、この運動の目的は「運営に対して改善を求めること」です。
すなわち、藤井風さん個人の信仰はまったく論点ではなく、それは個人の自由なので私たちがとやかくいうことでもありません。また、「個人の欠点」として捉えているのではなく、「運営方法に問題がある」として問題提起しています。
この誤解が、無意識のものであるのか、意図的に論点逸らしをするためのものなのかはわかりませんが、いずれにせよ誠意や注意に欠ける発信だと思います。
 

Q3. noteには、「一般的な宗教2世問題にも発展しつつある兆候が見られており、」とありますが、具体的にどのような例を念頭に置かれてますでしょうか?

まず前提として、私は宗教2世のことを、「親が特定の信仰を持ち、その思想、規律の中で育てられた人を指す」として、
宗教2世問題は「親が信仰に思考を支配され、正常な状態で物事を判断したり、他人との意思疎通が困難になること」が根本にあり、一番危険なことは、「絶対的な存在」に対して思考が服従し、自分の脳で良し悪しの判断ができない状態が蔓延してしまうことだと考えています。
 
以下の例は全て、信者の脳がマインドコントロールにより上記の状態になることで起きている現象です。

・統一教会の信者が、自分の生活が崩壊する程までの献金をしてしまうこと。
・小川さゆりさんの両親が、娘の正常な発言に対して「精神疾患で嘘をつくようになった」と話を聴く姿勢すら持てずに娘を非難すること。
・エホバの証人の信者が、自分の愛する子どもに対し鞭を振りかざすこと。
・創価学会の信者が、他人の家に電話をかけてまで特定の選挙候補者を応援すること。
・真如苑の信者が、自分で多角的に考えた答えではなく、霊能者が言う根拠も何もない「カウンセリング」に、自分や子どもの人生を左右する大事な選択を委ねてしまうこと。
・オウム真理教の信者が、地下鉄で無差別に人々を虐殺することが正しいことだと思い込み、サリンを作って犯行を実行できてしまうこと。
・サティヤ・サイ・ババの信奉者が、サイババ自身の起こした少年たちへの性的暴行の事実を、いとも簡単に無視できてしまうこと。

 
藤井風さんのファンを名乗る人が、Twitter上でサイババやチーム風の運営方法の批判をしていた方に対して殺害を仄めかす脅迫をしたと聞いたとき、この構図を思い出してぞっとしてしまいました。


 
そして、このような状態に陥った親を持った子どもたちが、「宗教2世問題」に直面するのです。
もちろん他人を脅迫するような、過激な行動に出る人は殆どいないと思われます。
しかし一方、藤井風さんのファン層の中には、子どもを持つ親である方たちが多くいて、Twitter上でコミュニティが形成されており、その中で「家で(風さんの影響で)ナグチャンパを焚いている」「子どもに、風さんから教わったサイババの言葉を伝えた」等の内容をつぶやき、お互いに褒め合うというようなやりとりが散見されます。この状態が更に発展すると、より顕著な宗教2世問題に繋がるだろうということは、想像に難くありません。
 
また実際に、
《注:この部分はここでは割愛させていただきます。以下リンク内で寄せられたメッセージをご参照ください。》

 
この例は娘さんが大人になってからの出来事なので、「宗教2世問題」とは呼べないかと思いますが、これがまだ小さい子どもを持つ親であったなら、確実に宗教2世問題になります。
そして最も恐ろしいのは、このようなことが今現在どこかで起こっていたとしても、現時点で小さい子どもが自分でTwitter上などで被害を発信するまでに至るのはとても困難であるということです。実際に当事者たちが声を上げることで問題が発覚してくるのは、早くても5年後、10年後になってくるでしょう。それから抗議をするのでは、遅すぎます。
 
 
 

Q4. 現在、どれくらいの件数のメッセージが寄せられていますか。また、どのようなコメントが多いでしょうか?(プロジェクトに対して否定派、肯定派など)貴プロジェクトを立ち上げて以降、反響について感じることをお聞かせください。

2023/01/07 18:00現在、170件のメッセージが寄せられています。
8割ほどは、このプロジェクトの意図を理解した上で賛同し、自分の藤井風さんへの気持ちや運営に対する意見を真摯に言葉にしてくださっているものです。字数に縛りはないのですが、このようなメッセージは長文で、詳細に状況や心情の説明をしてくださっているものが多いです。
残りの2割のうち、多いのはプロジェクトに反対する短文での暴言です。また、長文で現状維持を求める意見(プロジェクトに同意していない)、運営に対するメッセージではなくプロジェクト自体に対する意見やアドバイス等も数件あります。
英語のメッセージも数件届いています。
 
フォームから運営宛にいただいているメッセージだけではなく、Twitter上でこの問題提起がどのように受け取られているかを度々検索などでチェックしていますが、予想していたよりも多くの方が、note記事をしっかりと読んで考えて、言葉にしてくれています。Twitterは短文でのやりとりが基本なので、このような複雑な問題提起は受け取って貰えないのではという不安も開始した当初はありましたし、実際noteの記事を読まずに浅い理解でプロジェクトを非難する声もたくさんあります。
ですが、多くの藤井風さんファンの方、リスナーの方がこのプロジェクトに理解を示し、メッセージをくださったりTwitter上で賛同してくださったりして、このままではいけないから一緒に運営にお願いしてくれようとしていることはとても嬉しい驚きで、希望だと思っています。
 
 

Q5. 藤井風さんの発信するメッセージや歌詞、そして今回の騒動について、海外のファンからは何かしら反響があるのでしょうか?

英語のnote投稿は日本語に比べて拡散されていませんが、Twitter上で私のツイートのツリーを韓国の人たち向けに拡散してくださった方(ツイートのリンク: https://twitter.com/natsutoyuuhi/status/1608976924432560128?s=20&t=xqRjq3YItZ_TCZ_UPtLUow)がいて、そのツイートは約55万ビューを獲得し、数千のリツイートをされています。

この引用リツイートを見ると、反応が明らかに日本のそれとは異なります。性的暴行加害者であるサティヤサイババと風さんの関係にショックを受け、そのことについて知った殆どの人が葛藤を抱えながらも迷わず音楽を聴くのをやめる、という選択をとっているという印象です。

これはこの方が私のツイートを紹介する際に、一つのツイートの中で「藤井風とサイババの関係性とサイババの性的暴行」を簡潔に取り上げたことが影響していると思われますが、それ以外にも様々な要因が考えられます。

例えば、韓国でのカルトに対する問題意識の高さです。ここに紹介されている記事(https://twitter.com/natsutoyuuhi/status/1609503287719628803?s=20&t=b25Pse8A-y6w0kiyGZkbiA)では、韓国の新興宗教団体「新天地」が、批判を受けながら方針を巧妙に改変していくことで人々の警戒心を取り払い、多くの被害を生み出していることがわかります。この問題が周知されていたことで、韓国の音楽ファンは即座に藤井風さんの運営の問題の深刻さに気づくことができ、冷静に距離を置くことができているのだと感じます。


また、もう一つの要因は韓国で特定の宗教の信仰者が多いという点です。こちらの文章(https://serve.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=2340&item_no=1&attribute_id=115&file_no=1)からも分かりますが、2005年時点でキリスト教の信者の比率は人口の約三割にのぼります。つまり、韓国社会においては、その宗教リテラシーの高さから、信教の自由が侵害される状況や、カルト的な組織を敏感に察知する目が成熟しているのではと考えています。


同時に、韓国でのこのツイートの拡散は、日本語を理解できる韓国の方たちが、私のツイートを直接読んでくださったことにより広がりました。
一方で、noteの英文版を読み、論点を理解し、賛同してくださった英語話者の方も数人見られましたが、日本のコンテクストを元にかなり回りくどい形で書かれたあの投稿を読んで理解するには、相当な忍耐力や英語に対する基礎体力が必要になります。よって現状では、拡散されて議論を巻き起こすという事態までにはなっていません。

本当に世界で注意喚起や議論を巻き起こすには、簡潔で明瞭な問題点の提起を、藤井風さんの海外ファンに提供されている限られた情報からでも理解できるような方法で発信すること、また各国の言語に翻訳し、多くの方が母国語で読むことができるようにすることが重要だと思います。
しかし、IIYYの現時点での目的はあくまでスキャンダルを生み出すことではなく、「運営に改善してもらうこと」なので、暫くは日本国内での広がりを重視できればと思います。

一方で、寄せられた英語のメッセージの中に、非常に深刻で悲痛なものがありました。公開許可されていないので原文を載せることはできませんが、藤井風さんのファンの方で、自分自身が信仰する宗教組織内で性的暴行の被害経験があり、サイババのしたことを鑑みると藤井風さんのファンを続けられるかわからない、性的暴行被害の告発者たちの証言を蔑ろにしないでほしいと訴えかけるものでした。
サティヤサイババの、BBCをはじめとした各国メディアで報道されている性的暴行の疑惑は、その証言の多さ、詳細さ、類似点、そして「パワーダイナミクス(証言をすることにより、その人が何を得、失うのか)」を考慮しても、限りなく真実であると言えると考えています。そんな人間の掲げるスローガンをコアメッセージとし、グッズにしてファンに流布している状況は、性的暴行被害を受けた人々に対して深刻な脅威となるのだということを、改めて痛感させられました。
このような感覚はまだまだ日本では共有されていないと感じるので、周知できるよう引き続き努力したいと思っています。



2023/01/08  ankl