お金関係の書籍 その参⑦

第9章 公正さと労力にこだわる

私たちは、そのモノやサービスの価値を計る際、そのモノやサービスを提供するのに相当な労力が費やされているかの判断に公平さを求めようとすると述べられている。
出先で、不意なトラブルに見舞われたとする。
その修理を出張依頼し5分で済んだとして3000円請求される。
片や、同じ条件の下、30分の時間を要した上で同じく3000円の請求がなされる。
この場合、後者には喜んで支払いをするが、前者においては足元を見られているように感じ、その報酬額の正当性を証明するよう問い詰めようとするかもしれない。
この違いに潜むのは、私たちが目に見える形で、そのモノやサービスを提供するのに相当な労力が費やされているかどうかの確認ができているかの違いであると仰られている。
私たちは、計り知ることのできない部分に対しては、単純にそれを供給するにあたってどれほどの労力がかかっているかの多寡で、公正な値付けが行われているかを判断しようとするのだと…
得てしてそれは、これまでに長い時間と経験に裏打ちされた、潜在的な知識や技術を無視して、目の前の労働量に比して、その対価が公正か不正かだけで、本来得られたはずの利益や付加価値をも取り逃しているのだと警告をなされています。


無料より安いものもある お金の行動経済学/
ダン・アリエリー&ジェフ・クライスラー 櫻井祐子訳


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