お金関係の書籍 その参⑥

第8章 所有物を過大評価する

本章では、持つ者と持たざる者との間に生じる相反する価値基準の隔たりについて、架空の事例を挙げ、双方にどのような思い込みが発生しているのかを解説する章となっています。
ここでは、時間と労力が費やされた所有物には、その愛着の大きさによる所有意識から実勢価格以上の価値を見積もってしまうという。
片や、その物のいきさつを知らない者からすると、現状の品質で値踏みを行おうとする。そしてこれが一転、立場が変われば、過去を省みることを忘れ、買い手と売り手で同様の考えのもとにその物の価値を計ってしまうのだと仰られている。
更に、この頑なな意識は機会損失を招くという。
これは、これまで費やしてきた時間・お金・労力などをも勘定に加えることで、損切りを踏みとどまらせ、当初の見積もりよりも大きな支出になっても継続を続けた結果として、予算超過か、もしくは逸失利益をもたらすと述べられております


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ダン・アリエリー&ジェフ・クライスラー 櫻井祐子訳

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