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【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第19回「棋聖戦第7局 黒 一力遼棋聖 白 井山裕太王座」

こんにちは。

IGOcompany【U】@毎日note継続中
です。

囲碁をビジネスに起業して「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、

「新百合囲碁学園」の学園長を任されたりしながら、世田谷や麹町、大学などでも囲碁を教えて、ご飯を食べてます。

ちょっと先にお知らせを。

毎週土曜日に、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて、「土曜日の交流対局場」を開催しています!

体験は2,200円で、席料の1,000円が込みになりますので、1,200円でインストラクターの指導碁が受けることができ、

2024年の3月30日(土)は金子真季先生の指導碁会も併設して企画していますので、是非ぜひ遊びに来てみて下さい^^。

さて、

本日のnoteは、

【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!

第19回「第48期棋聖戦第7局 黒 一力遼棋聖 白 井山裕太王座」

です。

※有料記事ですが、ほとんどの部分は無料に設定していますので、気楽に眺めてみて下さい。

今週の囲碁の話題でも触れましたが、

第48期の棋聖戦もついに終了しましたね。

一力先生の防衛という結果になりました!おめでとうございます!!

NHK杯も4度目の優勝を果たし、名人戦リーグでも好調と、最近の充実ぶりは凄まじいです。

あと、

さっきX(Twitter)で見かけたんですが、取締役にもなったみたいです。

囲碁界にビジネスの概念と言いますか、良い方向の持って行くための考え方をモタラシテ欲しいなっても思います。

閑話休題。

今回の棋譜解説は、

もう第7局が激し過ぎたんで、そこにいく手前の話を中心に、解説していきたいと思います。

総譜は、こちらでご覧下さい。

【第48期棋聖戦挑戦手合第7局】一力遼棋聖 対 井山裕太王座(白) | 囲碁棋譜.COM | 囲碁普及・囲碁棋譜・囲碁界情報 (igo-kifu.com)

もう、死活が絡み、コウも随所で発生し、目まぐるしい碁になっています。

難しいトコロを掘り下げるだけでなく、ここが注目の箇所なんですよとか、アマチュアはこう打った方が良いですよって手も紹介します。

よく教室で生徒さんに伝えているんですが、プロが打ったからって皆さんにとって良い手かどうかってのは別問題なんですよね。

最強の手が、皆さんにとって最善の手かどうかは違ったりもします。

この碁は、お互いに持ち時間が8時間(でしたよね?)ずつある対局ですし、選択する手も変わるワケです。

いつも書いてるんですが、

囲碁の棋力向上の為には、沢山の囲碁の知識に触れることが必要です。

囲碁は、これだけを覚えれば大丈夫!ってことが(ナカナカ)ないので、色々な局面に対応するために、それぞれの知識が必要になるので、

たくさんの棋譜解説(など)に触れて囲碁の知識の引き出しを増やしていかないといけません。

なので、

拙い文章のnoteではありますが、コツコツせっせと色んなことを書いていきますので、良かったら眺めてみて下さい^^。

毎週、有料無料問わず棋譜解説を書いているので、例えば、週に1回このnoteで、新しい知識に触れることが出来れば、囲碁が強くなること間違いなしです!!

ちなみに、

このような有料noteは、こちらのマガジンに随時追加しています。

こちらは、今まで書いた書籍や、色々な有料noteが「全て」詰め込まれているマガジンですが、

この棋譜解説だけ、(これから書く分も含めて)全100回分読みたいよって人は、こちらのちょっとお得なnoteをご購入下さい。

購入していただかなくても、スキのリアクションを頂けるだけでもモチベーションになりますので、そちらだけでも宜しくお願い致します!!

前回のnoteはこちら。

※必ず前回のnoteを載せていますので、もし興味があれば遡ってみて頂けると。

今回の参考教材。

良かったら、棋譜を並べながら解説を読んでみて下さい。

僕だったらこう打つのがオススメですよって手を有料部分で解説したいと思います。

ちなみに、根拠もなく適当な事を言いやがってって思われないように、AIで検討した図も多めに追加してみます(笑。

それでは、始めていきましょう!!


【第48棋聖戦第7局 黒 一力遼棋聖 白 井山裕太王座】

今週は、

僕の教室でも、この棋譜を題材にしてみました。

明日の新百合囲碁学園でも、この対局を解説してみようかなと思っています。

【解説に使って棋譜 1手目~90手目まで】

流れとしましては、

上辺白のハネからちょっと白が得をして上手く打ち進めていましたが、左辺で黒が頑張り(形勢を戻し)、激しい戦いに!という展開です。

【実戦の進行 白14手目まで 右上隅ダイレクト三々の形】

前回の棋譜解説でも取り上げたダイレクト三々の形。

右上隅は、白14までで黒が先手で切り上げ、AのノビやBのハネを打つタイミングを今は決めずに「保留」するのが良いとされています(前回の上野先生はすぐにAのノビを決めていましたね)。

右上隅、ダイレクト三々の形

ちなみに、ちょっと宣伝にはなりますが、

このような「三々定石」が気になる人は、Amazonから「三々定石の基本事項を総まとめ あなたは三々定石を知っていると自信を持って言えますか?」という本を出版していますので、良かったら読んでみて下さい。

ペーパーバック版と電子書籍版があります。

特徴としましては、

第1章で、ダイレクト三々の形を、
第2章で、カカリにハサミを打たれた後の三々定石の形を、
第3章で、カカリに受けた後の三々定石の形を、

それぞれ解説しています。ダイレクト三々だけの定石を説明した本は今沢山出版されていますが、全部の基本事項をまとめた本は、今Amazonで、僕のこの本しかありません!(いや、ホントなんですよ)。

囲碁を打つ上では、必要な知識を詰め込んでますので、良かったら眺めてみて下さい^^。

【実戦の進行 黒21のカケまで】

黒は右上隅を先手で切り上げ、同じく、左下隅の三々へ。

今ではもう珍しくもなくなりましたが、例えば、昭和の頃の碁打ちがこの進行を見たら「素人かな?」って思ってしまうかもしれませんね(笑。

黒21は形の急所。

白20のハサミの手でここに打つ手も立派です。

黒21のカケは好点

【参考図① 白1と受ける手もあります】

黒21のカケを打たれた場合は、白1から白5までと受ける手もあります。
三本ハイを打った参考図をお見せしましたが、白3で一間トビをする手もあるでしょう。

白1と受ければ穏やか

実戦は、黒6と打たれると上辺が黒っぽくなりますので、このように白と受けずに、出切りを選択しました。

【参考図② 白に出切られた場合】

白から出切りを打たれると、どう打っていいか分からないという方もいると思いますが、黒4とアテを打ってカケツギをし、黒8までしっかりと打っていれば、お互い落ち着いたワカレです。

白は「黒△の石が動き出すとツライ」ので、

白7とコスミなどで受ける事が多いです。

お互いに落ち着いたワカレ

【参考図③ 黒8のスベリも地にカライ】

この局面には適さないかもしれませんが、昔の定石の本には「打たない」と書いてあった黒8のスベリも現代の碁ではたまに見かけます。

後の黒10のツメが狙いのひとつで、これは黒△の石をまだ役立たせようという発想です。

黒8のスベリから黒10のツメが有力

先程「黒△の石が動き出すと白はツライ」と書きましたは、これがこの定石の考え方のポイントにもなります(この後の解説でも必要な知識です)。

なので(実戦は違うんですが)、

白はAなどと一手入れておくのが定石とされているんですね。

しかし、

白番の井山先生の着手は!?

【実戦の進行 白28のハネ!!】

定石を覚えると、一手入れることばっかり考えてしまいますが、

実戦は白28のハネで上辺を動き出してきました!!

「おぉ」と思った、この一手。頑張った手ですが、黒△の石の動き出しも気になるので激しい展開になりそうな気もします。

白28のハネ!

【実戦の進行 白44手目までの局面】

もっと激しいことになるかなと思いましたが、

実戦の進行は、白は上辺の地を稼ぎ、左辺白44と手を戻すことが出来たので白がやや満足な展開だったようです。

白が、上辺と左辺を両方打っていることになりますからね。

この図は白不満なし

【参考図④ AIが示した厳しい着想】

AIは、上辺も左辺も白が落ち着いてしまうのを嫌って、このように動き出す図を示していました。

とはいえ、

これは人間だと打ち難い進行だと思います(このnoteを読んでくれている人は、よっぽどの事がない限り、ここまで頑張らないでも良いと思います)。

左辺、二線にハイを打った図

囲碁の格言で「二線這うは敗戦」という格言もあるので、左辺の二線を動いていく図は選びづらいです。

【実戦の進行 黒47手目のノビまで】

実戦の進行は、黒45と堂々とノビ。

中央に黒地は出来ますが、やや厚みが重複しているのかもしれないなと感じてしまいました。

とはいえ、アマチュアの碁でもそうですが、外が厚ければ、その分良いこともあるので一概には言えません。

黒45のノビは堂々とした印象です

【参考図⑤ 黒45での候補手】

黒45ではどう打つのが良いのだろうと、AIで検討してみたのですが、最初は実戦の黒45の手は示していませんでした。

ちょっと時間をかけると、右上隅黒45のノビが最善になったので、実戦の一力先生の着手と一緒になります。

ホンの少しだけ白良しの評価ですね

先程から、何度か書いている通り、もし黒21の石を活かすことが出来れば、黒も不満のない展開になるでしょう。

【実戦の進行 黒59手目の局面】

左辺、黒53のツケはキカシの一手。黒55の対して何か反発するのかなと思ったのですが、白はしっかりと白56とツギで打っています。

やはり、左上の黒石の動き出しや味を気にしているのだと思います。

黒59はこの位置なんですね

ちなみに、白好調と言えど、黒59と来た時に、左下隅の白△の三子の強弱も気をつけなければいけません。

【参考図⑥ 白のサバキの手筋】

何度か解説していますが、ダイレクト三々の後の外側の石をどう扱うかが、現代の碁のポイントです(外側の石はサバキを打てるので「あまり弱くない」として扱います)。

白のサバキの手法は、以下の白1のコスミツケからのハネカケツギ。

これは覚えておきたいサバキの手筋です!

このようになれば白も「そんなに弱くない」

AIでも、やはりこの白1のコスミツケが有力手。

この段階では、白の評価値が少し良いですね

【実戦の進行 白68のツギまで】

実戦は白60のコスミツケに対して、ノビではなく黒61で応じたので、このような局面となりました。

ここで、黒番。

この碁の重要な局面です。

 皆さんだったらどこに打ってみたいでしょうか??

実は、この碁は、ここから一気に激しい展開に突入しました。

黒もやや形勢を損ねていると感じて頑張ったのかもしれません。

しかし、前述したように「プロが打ったからって皆さんにとって良い手かどうかってのは別問題」なんです。

・ここではどういう手を選択すべきだったのか、

・実戦は何故その手を選択したのか

を以下の有料部分で解説したいと思います。

気になった方は、是非ぜひご購入をご検討下さい。

スキのリアクションを頂けるだけでもモチベーションになりますので、そちらだけでも押して頂けたら嬉しいです。

それでは、ここまで読んで頂き、ありがとうございました!

是非ぜひ、また読みに来て下さいね!!

※上のバナーをクリックしてもらうと「宇佐美囲碁教室」の詳細がご覧いただけます。何かご質問などがありましたら、お気軽にご連絡ください。

【参考図⑦ (アマチュアは特に)こう打つべき一手!】

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