【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第11回「手厚い一手、本手を学ぼう」
こんにちは。
IGOcompany【U】です。
財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、囲碁をビジネスに起業。
もうすぐ10周年になる「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、
「新百合囲碁学園」の学園長を任されたりしながら、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。
いつもnoteを読んで頂き、ありがとうございます。リアクション頂いた方のnoteも(時間がかかるかもしれませんが)必ず読ませて頂いています!
さて、
実際の教室で講義した内容をnoteにまとめる棋譜解説シリーズも第11回となりました。
週1の更新を目指して、コツコツ書いていくつもりです。
応援よろしくお願いします。
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第11回「手厚い一手、本手を学ぼう」
前回の、
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!は、
こちらです。
※必ず前回のnoteを載せていますので、興味があったら遡ってみて下さい。
それと、
解説の前に、
(すみませんが)、
ちょっと僕の本の宣伝をば。
できるだけ優しい内容の本を目指して、級位者から有段者までの囲碁に必要な知識を詰め込んでいます。
Amazonで発売中ですので、
良かったらサンプルだけでも眺めてみて下さい。
ずっと言っていますが、
囲碁の棋力向上の為には、沢山の知識が必要です。
囲碁は、これだけを覚えれば大丈夫!ってことが(ナカナカ)ないんですね。
応用の連続と言いますか、難しい言葉で表現すると「棋理(囲碁の理屈)」の理解が重要です。
色々な局面に対応するために、それぞれの知識が必要になるので、たくさんの棋譜解説を読んで、囲碁の知識の引き出しを増やしていかないといけません。
身も蓋もない言い方をすれば、兎に角、数をこなさないことには強くならないんですよね(笑。
だからこそ、少しでも皆様の棋力向上に役立つようにnoteで、100回を目指して、棋譜解説を続けていくつもりです。
週に1回、定期的に発信していけば、年間50局分以上の「新しい知識」に触れることが出来るので、皆様の棋力向上に役に立つこと間違いなしです。
有料記事は、有料noteのマガジンにまとめておきますので、全部読みたい人は下をクリックしてみて下さい。
購入してもらわなくても、スキのリアクションを頂けるだけでもモチベーションになりますので、そちらだけでも宜しくお願い致します!!
それでは、
【囲碁】全100回を目指す!上達に役立つ棋譜解説!!第11回「手厚い一手、本手を学ぼう」
を始めます。
参考教材は、こちら。
今回の解説は、昭和30年代の碁を参考にしました。
棋譜を載せてみますので、誰の碁かわかる人いますでしょうか?
いや、いたら、凄いですけど(笑。
【1手目~73手目まで】
良かったら、碁盤に石を並べながら解説を読んでみて下さい。
【1手目~10手目まで】
ちょっと第何期かは失念してしまいましたが、本因坊戦挑戦手合の第1局、
黒 木谷實先生 白 高川格先生の棋譜です。
左上隅のツケヒキ定石。
最近は、白8のカケツギが珍しくなりましたね。
それはというのも、この棋譜のように黒9と手を抜いた時に、カケツギの形だと白10のツケまで行き難いからなんです。
カケツギの場合は、白10をAに打つ方が多いんですね。
【白18手目まで】
上の図のAに打つ方が多いと言ったのは、実戦のように黒11のグズミから黒13の切りが一本入っていると黒が良いと言われているからです。
黒15をハネで打ちましたが、黒15の手でノビを打って戦っていく場合もあり白は分断されている格好になります。
傷があるので白18は手抜けないトコロです。
【参考図①】
ちなみに、白18と守ると、下の図の黒1の切りが気になる人もいると思いますが、それは無用の心配。白2から石を捨てて打てば白が厚くなり、これは白が満足です。
【参考図②】
というワケで、
白1のケイマの方が、カケツギの場合の形となります。
手厚く打てば、黒はAのスベリ。
先手を取りたければCのツケも考えられます。
また、
黒は手抜きもあるのですが、その場合は白からBに打つのがキカシとなります(黒は受けなければ死んでしまいます)。
【参考図③】
何度も言いますが、
カタツギの場合は白1のツケまで進めます。
下の図は、ちょっと昔の定石。
中央の白が厚くなっていて白悪くありません。
【参考図④】
最近は、上の図よりも働いて打とうと、
白1のツケから白3の二段バネが良く打たれています。
この図は、有段者・高段者向けの変化になります。
【実戦の進行 黒23手目まで】
実戦の進行を見ていきます。
白20の裏ガカリに対して、黒21の受けはAIとも一致していました。
こう受けるものなんですね。
白22も候補手と一致です。
黒23は本手ですが、現代だとコスミツケで間に合わせて先手を取る発想もありえます。
さて、ここで次の白24の手に驚きました。
皆さんだったら、どこに打ってみたいでしょうか??
【実戦 白24手目】
実戦、高川先生は左上隅の白24。
手厚い!!
今回のタイトルを、
第11回「手厚い一手、本手を学ぼう」にしましたが、流石に24は手厚すぎるんじゃないかと感じてしまいます。
これでも間に合うという落ち着いた感覚があるんでしょうね。
AIで検討するとAのカタツキなどで石を働かせて打つ選択肢もありました。
ただ、手厚すぎるとは書きましたが、級位者の方、これから初段を目指す方には、こういう風にしっかりと一手入れる感覚を学んでほしいと思います。
【黒35手目まで】
実戦の進行、右下隅黒25のカカリから黒35手目までは三々定石の変化です。
この変化について詳しく知りたい人は、こちらの本に載っていますので、良かったら読んでみて下さい(宣伝)。
【白36手目をどこに打ちますか!?】
この局面も、
教室の生徒さんにお伝えしたいなっていうトコロだったので、
問題にしたいと思います。
本手を考えてみたい。
白36手目は、どこに打つのが良いと思いますか??
【白36手目で打つべき本手】
実戦、高川先生は白36と右辺に打ちましたが、
ここではAとしっかり一手入れておくのが本手だったようです。
白26のハサミが近い時は、一手入れる手を省略することも多いのですが、
白26が右辺の星の位置だったので、ここはAにしっかりと一手かけておきたいところだったのです。
また、AIによると、Aの他に、足早にBと打つ手も示されていました。
【参考図⑤】
現代でよく打たれる三々定石の変化は以下になります。
白10とツナギではなくハイで打ちます。後々出ますが、ハイで打っておくことによって黒から白10の位置に様子見を打たれなくなる意味があります。
この定石の場合も白12としっかり一手入れておくのがオススメです。
【実戦の進行 白42手目まで】
白38のノゾキは打たない方が良かったかもしれないキカシ。
そして、実戦は白42とオシで打ちましたが、
実はこの手が敗着だったかもしれないのです。
一見すると普通の手に見えますが、
ここではどう打つのが良かったでしょうか?
答えは、
以下の有料部分で解説します。
※以下有料部分。
※ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!
【正解は…】
サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。