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【囲碁】小目に一間高ガカリの定石集 簡明な変化から妖刀村正定石まで

こんにちは。
 
IGOcompany【U】です。

囲碁をビジネスに起業して「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、

「新百合囲碁学園」の学園長を任されたりしながら、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。

新百合囲碁学園の僕の講義の様子

今日のnoteは、

「小目に一間高ガカリの定石集 簡明な変化から妖刀村正定石まで」

と題してまして、

小目に一間高ガカリをした時にどうすれば良いのか、についての有料記事になります。

・「小目に一間高ガカリ、白が受けた場合の変化」

・「小目に一間高ガカリ、白がハサミを打った場合の変化」

の二つについて、まとめていきます。

星の定石と違って、小目の定石は変化が沢山あって「わからない」と悩んでいる人も多いと思います。

誰しも、知らず知らずに何となくで打ってしまって、気づいたら形勢が悪くなってしまったっていう経験はあるのではないでしょうか?

折角楽しく囲碁を打ちたいのに、苦手意識からそれを放っておいたままにすると…。

今回は、

誰でもこう打っておけば大丈夫という簡明な形を中心に、noteをまとめていきます。

僕の教室の生徒さんは、級位者の方も多いので、その方たちにも理解できるように出来るだけ優しく解説していくつもりです。

もちろん、難しい形も紹介しますが、

解説を全部覚えようとする必要はありません。

このnoteの中から何か一つでも新しい事を知って、囲碁の引き出しを増やして頂けたら嬉しいです。

是非ぜひ気楽に眺めてみて下さい。

また、

(ちょっと宣伝で申し訳ないのですが)、

今のところは有料記事がまとめて読めるマガジンを5980円に設定しています。←今ある有料note分だけでも5980円よりはお得です。

これから書く分も含めて、このマガジンに有料noteの記事をまとめるつもりです。当初の予定の25本分を書ききったら、値段を上げてみようと思っていますので、良かったら今の内にご購入下さい^^。

今回の記事の前半部分は、無料に設定していますので、

まずは、そちらだけでも、ご覧頂けたらと思います。


「小目に一間高ガカリの定石集 簡明な変化から妖刀村正定石まで」


解説した参考図などの「題名」を載せてみますので、興味がある方は、是非ぜひご購入をご検討頂ければと。

題名

「小目に一間高ガカリ、白が受けた場合の変化」

【小目に一間高ガカリの形】
【ツケヒキ定石がもっともオススメで簡明な形】
【小目に一間高ガカリにケイマで受ける定石】
【ケイマで受ける定石が活躍する場合】
【中国流で出来る部分的な定石形】
【ツケヒキ定石をカケツギで打つ場合】
【カタツギでも打ち込みの狙いは存在します】
【コスミが簡明な形】
【ツケで渡らせる定石】
【ツケヒキ定石の変化のひとつ】
【黒12のツケコシが厳しい】
【黒10に対して白が受けるなら】
【白11のコスミツケで間に合わせる時もある】

「小目に一間高ガカリ、白がハサミを打った場合の変化」

【定石を知らなくても打てる、小目に高ガカリの進行】
【白3のハサミが一間でも同じ】
【唯一、白3の低いハサミの時だけは一間トビが使えない】
【白5で分断したい白の石が連絡してしまう】
【黒のハネ出しは不発】
【一間トビではなくコスミが形】
【ひとまずの結論 定石を知らなくても】
【小目に一間高ガカリの定石】
【黒4のツケから派生する形】
【白5とハネ出しを打った場合の定石】
【白7と二間ビラキを打った場合】
【変化が難しい場合の簡明な形】
【妖刀村正の定石】
【妖刀村正の基本形】
【妖刀村正の進化形】

引き続き、少しでも役立つ情報を発信していきたいなと思っています。
応援よろしくお願いします。

それでは始めていきましょう!

「小目に一間高ガカリ、白が受けた場合の変化」


【小目に一間高ガカリの形】

今回の解説は、右下隅の形から始まります。

右下隅、白1の小目に対して、黒2の一間高ガカリ

記事を書くキッカケは、

今週の月曜日の指導碁会のY山さんとの指導碁で(今日のnoteの記事の写真がその対局なんですが)、

いっつも小目に一間高ガカリをされていたら「ツケヒキ定石」を選択していたんですが、

たまには違う手も試してあげようとハサミを打ったトコロから、意外な展開になり形勢が白に傾いていったので、

有段者でも小目の定石は難しいんだなと再確認したからです。

このnoteが皆様のお役に立てば幸いです。

まずは、基本の形の「ツケヒキ定石」。

【ツケヒキ定石がもっともオススメで簡明な形】

小目に一間高ガカリをされたら「ツケヒキ定石」で応じるのが、もっとも簡明で「悪くなりにくい」形です。

白3のツケから白5と引くから「ツケヒキ」定石

AIの影響もあり、プロの碁では8割くらいは「ツケヒキ定石」で打たれている印象です。この場合の隅の白地は「15目」くらいと言われていて、序盤から隅を確保できるので白の方を好んでいる人も多いと思います。

例えば、このツケヒキ定石を、他の小目の定石と比べてみると、

【小目に一間高ガカリにケイマで受ける定石】

下の図の隅の白地が、

ツケヒキ定石と比べて、明らかに少ないのがわかりますね。

同じように隅と辺に分かれる定石だったら地が多い方が良いでしょう

黒2の一間高ガカリに対して、このように白3とケイマで受ける定石もあるのですが、ツケヒキ定石に比べると隅の地が少ないので不満と考えられています。

【ケイマで受ける定石が活躍する場合】

例えば、中国流の時などに、

一間高ガカリに対してケイマで受ける形を選択する時があります。

「攻めはケイマ」と言いますので、

右辺にある中国流の黒△の石を活かすように入ってきた白の石にプレッシャーをかけるような構想です。

本来であれば白1とすぐに入る手は、ちょっと早いかもしれません

黒2のケイマで白1の石を攻めているイメージ。

上ので紹介した定石と違い、黒6ではAではなく、隅にサガリを打ちます。

白の石を攻めたい時は黒6のサガリ、自分の石をしっかりさせたい時はAのカケツギと覚えると良いでしょう。

【中国流で出来る部分的な定石形】

ちょっと懐かしい形ですが、ケイマに受けた後の変化のひとつとして、このような進行が考えられます。

黒12のノゾキに対しては白13のツケを先に打ちます

ポイントとしては、黒12のノゾキに対してすぐにツナギを打たないこと。
白13のツケヒキを決めてからツギを打つのが良いとされています。

【ツケヒキ定石をカケツギで打つ場合】

下の図のように、黒6をカケツギで打つ場合があります。

利点としては、カタツギと比べて、黒8と一路広くヒラキを打てること。
欠点としては、白からAへの打ち込みを狙われることです。

最近はあまり見かけない黒6のカケツギ

AIが出始めた当初はカケツギが多く打たれていたのですが、最近はもっぱら黒6ではカタツギがよく打たれています。

Aの打ち込みが厳しいと考えられているんですね。

カケツギを打った後に、黒8のヒラキを省略して大場にまわるなどの打ち方もあったのですが、段々と見かけなくなりました。

【カタツギでも打ち込みの狙いは存在します】

とはいえ、カタツギでも、下の図のように白9の打ち込みは存在します。

カケツギで打った場合の打ち込みよりは「悪くない」と思われているのかもしれません。

白9の打ち込みは狙いのひとつ

すぐに打つかは別として、白9の打ち込みが狙いの一手。

以前、棋譜解説の時にも紹介しましたが、

序盤に白9と打たれた場合は、白を渡らせてあげた方が良い判断です。

【コスミが簡明な形】

白9の打ち込みに対して、黒10のコスミが簡明な形です。

黒10のコスミが簡明

コスミで打てば、白は11と渡りを打って、ここまでで終了。

黒は先手を取って大場に先行することが出来ます。

【ツケで渡らせる定石】

石を張って打ちたい場合は、下の図の黒10のツケで打ちます。

黒10のツケも有力

先程のコスミの形よりも手数は長いですが、白17までで白は渡る形になり、黒は外側に厚みを得る変化です。

同じように、黒は先手で切り上げることができます。

【ツケヒキ定石の変化のひとつ】

また、ツケヒキ定石の変化のひとつに、下の図の白7のケイマがあります。

※この手は右辺の黒の石への攻めを意識したい時に使いますが、このテーマ図は三子局で黒の石が強いので、あまりそぐわないかもしれません。

白7のケイマは右辺の黒石にプレッシャーをかけたい時に使う

このケイマは、攻めるという利点はありますが、相手に攻められるという欠点も存在する着手。

白7のケイマの形に対しては、後にAのツメが狙いとなります。

【黒10のツメが狙いの一手】

すぐに打つかどうかは別として、

下の図のような黒10のツメが狙いのひとつです。

黒10のツメが有力

もし白が、黒10のツメに対して手を抜くと、

【黒12のツケコシが厳しい】

黒12のツケコシが厳しい一手となります。

黒16までで白の分断に成功

黒16と逃げ出した時に黒10の位置に黒石があるのが頼もしく、白は分断されてしまいます。

【黒10に対して白が受けるなら】

黒10のツメに対して、白が受けるなら下の図の白11が部分的な本手です。

この白11の手では、鉄柱に打つ場合もあります。

白11は立派な本手

部分的なと書いたのは、受けるのが「利かされ」と考える場合もあるからです。

とはいえ、僕は、しっかりと受けている手をオススメします。

【白11のコスミツケで間に合わせる時もある】

しっかりと受ける手が後手で不満だなと考える場合は、白11のコスミツケで先手を取る場合もあるでしょう。

右下隅に不安が若干残ります

黒12と受けてもらって先手を取り、白13などと大場にまわるような着想です。これは、しっかりと受けている場合と違い、隅への「味」が残ります。味と言うのは、黒から何か打たれて困る時もあるかもしれないという意味です。

以上、ほとんどがツケヒキ定石の変化解説でしたが、

結論として、

小目に一間高ガカリに対して白が受ける場合は、
ツケヒキ定石が簡明でオススメということになります。

小目の定石の変化について、ここまでの話だったら、そんなに難しくはないと思います。

問題は次の章、

小目に一間高ガカリに対して、ハサミを打った場合です(ここから難易度がグッと上がります)。

逆に言えば、一間高ガカリに対して、ツケヒキ定石で打っていれば無難で問題のない進行と言えるワケです。

「小目に一間高ガカリ、白がハサミを打った場合の変化」

【白3とハサミを打たれた場合】

白3のハサミからは、様々な変化が考えられます。

派生する定石だけでも多種多様。

ハサミを打つと複雑な変化も多数

色々な定石の変化を解説する前に、まずはこう打っておけば良いんだよといった簡明な変化を示しておきます。

高段者になるまでは、小目の定石を知らなくても、この手だけで十分打てる場合も多いです。

※これ以降を、有料部分に設定してみます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

これから何十本も、何百本も皆さんの役に立つ記事を発信していきたいと思っています。応援よろしくお願いします。

最後にサポート部分の文章をつけて、有料部分に移ります。

「サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。」

記事にリアクション頂いた方のnoteは、(時間がかかってしまうかもしれませんが)必ず拝見させてもらっています。

是非ぜひ、また覗きにきて下さい。

↓ 以下、有料部分 ↓

【定石を知らなくても打てる、小目に高ガカリの進行】

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サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。