【囲碁】ちょっとした手筋の話、100点のコスミと99点のコスミ
こんにちは。
IGOcompany【U】です。
財団法人日本棋院での15年間の勤務を経て、囲碁をビジネスに起業。
もうすぐ10周年になる「宇佐美囲碁教室」っていう教室を運営したり、武蔵小杉の「永代塾囲碁サロン」にて指導碁や交流会をしたり、
「新百合囲碁学園」の学園長を任されたりしながら、世田谷や麹町、大学などで囲碁を教えて、ご飯を食べてます。
本日のnoteは、
ちょっとした囲碁の手筋の話なんですが、
100点のコスミと99点のコスミについて書いてみようと思います。
実際には、どちらに打っても(ほぼほぼ)一緒なんですが、本当に細かいことを言えば、こう打つのが良いよ(1目得をするかもしれないよ)と言われている形を紹介します。
AIと違って人間は、その微差を「美しい」と感じるんじゃないかと、ふと思ったりもしたので書いてみることにしました。
(それ以前に、今日紹介する手筋を知らない人は、それを知るだけでもだいぶ役に立つはずです!)
例えば、
次の画像の右下隅の話なんですが、
白は右下隅の〇の場所に打って連絡しようとしたんですが、AIだと左からコスミを推奨しているんですよね。
どうせ捨てないなら、どっちでもいいよって話なんですが…。
だったら、右からコスミも選択肢に出ても良いのにと感じたワケです。
「何の話?」って思った方は、ここから詳しく解説しようと思います。
こういう問題があったとします。
【問題図】
右下隅の黒△の二子を助ける問題です。
(何度も言いますが、この問題の答えを知るだけでも、結構、実戦で役立つはずです!)
正解は分かりますか??
有段者にはお馴染みの手筋ですが、
知らないと意外と打てない連絡(ワタリ)の手筋です。
僕のnoteは級位者の方もたくさん読んでくれていると思うので、
ちょっと解説していきましょう。
【参考図① ツケは失敗】
黒1とツケて連絡したいトコロですが、
これに対しては、白出て行けば「コウ」になります。黒は、すんなり連絡することは出来ません。
【参考図② マガリで連絡も無理】
勿論ですが、黒1のマガリで素直に繋がろうとするのも失敗です。白に遮られてしまいます。
【参考図③ 左右同形中央に手ありなのですが…】
左右同形なので、
「黒1でしょ!?」って考える方もいると思いますが、
これは白2のツケから、白4のハサミツケが手筋。
これも黒は分断されてしまいます。
【参考図④ 正解は!?】
なので、「黒1のコスミ」が正解となります!
問題として出されれば、
右からのコスミでも正解となります。
ただし、
本当の本当に細かいことを言えば、
「左からのコスミは100点、右からのコスミは99点」なのです。
「何で?」と思った方の為に詳しく説明すると、
例えば、
どこかで「コウ」になったとしましょう。
その時に次の図の白1がコウ材になることがあるワケです。
白1のコウ材に受けないとすると(※黒2の位置は適当に置きました、コウを解消したと思って下さい)、白3と白は連打することになるのですが、
その場合、右からの99点のコスミを打っている場合は、Aの位置に黒石がある事になるので1子分、1目の損になるって話なんですね。
という事で、
この問題は、
本当に細かいことを言えば、左からコスミを打つ方が「正しい」ワケです。
今日のnoteに使った画像、
AIの検討によると右からコスミを打つ図は示されてないので、
なんとなく「ふうむ」って思って、このnoteを書いてみました。
右からのコスミの手を示しても良いと思うんですけどね(まあ、結局下辺の白石を捨てることはないので、そんな変わらないのかもしれませんが)。
そんなワケで、
今日は、連絡の手筋「コスミ」についての話でした。
「1線のワタリはコスミに筋あり、2線のワタリはケイマに筋あり」って格言もありますので、良かったら、次の問題もやってみて下さい。
今日は、級位者の方のレッスンをしたのですが、
こういう知識に(何となくでも)触れていくことで、段々と囲碁の実力が身についていくのではないかと思ったりしています。
囲碁は、細かい積み重ねが大事ですから、これからもこのnoteでチョコチョコと書いていくつもりです。
この「捨てる可能性も考慮して連絡のコスミを打つ」っていう事を知っていれば、いつかどこかで1目勝ちをするかもしれませんよ(笑!
ではでは、
本日は、これくらいで。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
サポートありがとうございます。コロナの影響もあり、今囲碁界はどんどん縮小していっています。どうにかしたいと思っている方は多いと思います。まずは小さな一歩から、囲碁の本を買ったり、近くの囲碁サロンに行ってみたり、周りに囲碁を教えてみて下さい。サポートは囲碁普及に使わせて頂きます。