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まだ「萌え」という言葉のなかったころ 【short writes】

最後のアンナミラーズの閉店発表。時代の変化とともに店舗は漸減し、地域再開発のための退去で最後の一店が閉店となる。。(ヘッダー写真=日経)

日経は1990年代に人気と書くが、いま少壮にある者たちは「またひとつ昭和の風景が消えた」と同じ文脈で、80年代の「青春の原風景」の終焉を感じているはずだ

おそらくそれは、「上京組」には顕著だろう。同じ関東圏にいると「憧れ」というほどのものではなかったが、それでも東京には地元にはない「いろいろ」が溢れて刺激的だったのは間違いない。イタリアントマトは地方にもあったがアンナミラーズは都会にしかなかった。

ファッション、ライフスタイル、カルチャー誌が百花繚乱の時代。インターネットも携帯電話もない時代、それらは若者の情報源だった。
その中に見るアンナミラーズの情報は、メニューや店のしつらえからすると女の子向けの店のように感じたが、すぐスタッフのユニフォームに釘付けになった。

「セクハラ」という言葉も概念もない時代だったが、それでも『いいのかこれ』と思うほど女性の魅力を強調するコスチューム。

いま思えば「萌え」の原点だろう。だが同性の支持も高く、アルバイト応募の動機にさえなる。アンナミラーズのスタッフたちはある種の健康美のシンボルだったと言っていいと思う。
願わくば場所を移っての開業に期待したい。

さて、

神戸屋キッチンでパン買ってくるか


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