【試乗】三菱新型アウトランダー
昨年12月に正式販売開始となった三菱自動車のSUV・新型アウトランダーPHEV。年明けより試乗が可能となっていたが、少し落ち着いたころを見計らって販売店に伺った。
まさに「威風堂堂」。私が在籍した時代とは異なり車型の限られた三菱自動車にあってはフラッグシップに位置することになるだけあって、スタイリングからしても「クルマを保有することの悦び」を具現化したものに見える。
ガソリン車もあった先代とは異なり、日本国内ではPHEV(プラグインハイブリッド)のみとなる。機器類の小型化で7人乗り仕様も選べるのは大きなメリットだ。そのスタイリングと合わせて、パジェロのポジションも引き継いだと考えていいだろう。
始動、と言うより「起動」と表現したほうがいいかもしれない。もちろんアイドリング音は存在しない。高電圧セーフモード回避も、ちょっとした儀式のようでもある。走り出せばレスポンスの良さに驚くだろう。ガソリン車でもかなりスポーツに振ったエンジンでなければ、こうも反応しない。
ナビのモニターがなければ素っ気ないぐらいに思えるが、水平基調のパネルは不整地走行等の局面においては車体の傾斜度合を知ることもできる。デザインに理由と根拠が明確なのも好ましい。
もはや単なるメーターではなく全体がマルチインフォメーションディスプレイである。クルマの様々な状況を美しく、かつ分かりやすく表示してくれる。
余談だが三菱自動車の社員時代、当時先進技術だった7セグメントデジタル表示のスピードメーターに代わるエレクトリカルグラフィック表示のアナログメーターを提案したことがある。もちろん当時は技術的に将来の課題とされたが。
走行モードの選択の幅も広がった。これも機械的連結から解放された電動化のメリットだろう。
駆動用バッテリーの搭載による2tを超える車重を感じさせない俊敏さ。そこに三菱自慢のS-AWC(スーパーオールホイールコントロール)は4つの車輪にしっかり仕事をさせる。ランサーエボリューションもかくや、という回頭性だ。
試乗中、それらを確かめるため少々アクセルを踏み込んだりもしたが、エンジンが始動することはなかった。事情の許す範囲で攻めても終始EVとして走行していたということになる。
試乗は舗装路のみだったが、チョイとモード変更も試してみた。そのための操作もシンプルで、スイッチも「手を伸ばせばそこにある」というのも大切だ。操作感も申し分ない。
「グラベル」なんてモード表記も三菱らしい。
先代に比べてやや大きくなったアウトランダーだが、扱いやすさは変わらない。むしろ向上していると言っていいだろう。ボンネットの先端がしっかり見渡せるというのも、ドライバーにとって大きな安心材料だ。
自動車としての作り込み、デザイン、搭載機能、走行性能、環境性能。この一台は、間違いなく時代を変える。時代を創る。
★協力 : 茨城三菱自動車販売株式会社
https://www.ibaraki-mitsubishi-motor-sales.com/
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?