BEAST Japanext公募、落選

何度も見返したアニメの、あれは第参話だったろうか。ありきたりだよね。
つまり、おれの電話は鳴らなかった

応募をした瞬間は、正直なところ自信があった。知人の協力を得て作った(作ってもらった、が正確だ)動画は、控えめに言っても良い出来だったと思う。
そう、たしかに動画は良い出来だったのだ。
よくなかったのは──おれの出来だ。

後出しジャンケンみたいになっちゃうけれど、言わせてくれ。今言わないといけない気がする。
おれはだいぶ若い頃に麻雀プロになり、最強位をとって、本を出したりメディアに出させてもらったりして、そして30手前で失踪して麻雀プロの世界から逃げ出し、その後15年ほど、プロの世界と交わることのない生活を送っていた。別にそれでいいと思ってたんだ。
でも、Mリーグが始まった。
そこには、滝沢や村上くん、大昔から遊んでいたやつらがいた。かつての麻雀界からは想像もできない、華やかな舞台。
もし──もちろんそんな世界線は存在しないけれど──おれが、麻雀プロを続けていたら?
そんな風にまったく思わなかった、と言うのは、やっぱり嘘だ。思いました。

そして2年前、おれは日本プロ麻雀連盟員として、麻雀プロの世界に戻った。
それはつまり、Mリーガーになりたいってことなんだよ。最初からわかってたんだ。
でも、デカい声でそれを言うのは、なんか恥ずかしかったんだよな。
まず、おれはずっとプロ麻雀界を離れてたわけで、当たり前だけどその間もずっとその世界を支え続けてた人がたくさんいる。それをいきなり状況がよくなったからって、スッと出てきて「Mリーガーなりたいです!」って言うのもどうなんだってのが1つ。
あとは──こっちのが大切なんだけど──性格的な問題だ。
なんかさ、「そういうのダサいな」って思っちゃってたんだよね。
自分の感情をストレートに表現する、なにも恥ずかしいことなんてない、はずなのに。結局それって、なれなかったときに恥かくのが嫌だってだけだ。
おまえなあ、いい年してなにが恥だよ。もう十分恥ずかしいんだよおまえは。今さら少しの恥を上塗りしたところで、なにも違わねえだろう?

だからさ、今さらだけど言います。
おれはMリーガーになりたいんだ。

おれの出来が悪かった、というのはそういうとこだ。動画の喋りにもそういうところが透けてしまっていたと思うし、審査する側は敏感だ。

いやもちろん、おれより実績があって若くてかっこよくてかわいくて頭もいい選手がいっぱいいたってことに過ぎないのだろう。傍から見れば、おれがMリーガー? 笑わせんなって思われてるとも思う。おれだって外から見てればそう思ったかもしれない。

書き忘れてた。
なんでおれがMリーガーになりたいか。
華やかな舞台とか、競技としての麻雀とか、エンターテインメントとしての麻雀とか、いろんな見方があると思う。そしてMリーグは、今の麻雀のいちばん先頭に在る。
そしてそのいちばん先頭で、麻雀の未来を見届けて、そして作っていきたい。それがどんな未来であったとしても。

応援してくれたみなさま、期待に応えられなくてすみません。
でもまだだから。チャンスは少ないかもしれないけれど、まだ全然終わってない。少なくとも、おれはおれにまだ期待してるぜ。


ちょっとぐちゃぐちゃな感じの文章になっちゃったけれど、これが今、おれが思ってることです。
以上終わり。

最後に、動画作成を手伝ってくれた知人、ありがとう!! マジでめちゃめちゃ感謝してます!!



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