ある日、友達が死んだ


ある日、友達が死んだ

そいつの23歳の誕生日の日だった
そいつはよくスカしてるがよく笑い酒を飲むとダメなやつだった。
女関係もだらしなかったがそれが許される愛される人柄だった

そいつは俺の働く前の店でも俺が独立した新店舗をオープンしてからも一緒に働きその時期に1番長く俺に会い俺と酒を飲み俺と笑っていた


そいつは野心家だった。いつか店を持ちたいとよく言っていた。その為にカクテルに力を入れてる別の店舗に転職し俺の店の前で仕事をしていた

その不義理をいじって笑えるいい関係だった

辞めて一年くらい経ってから
仕事やプライベートがうまく行かなくなってそうだったがたいして心配していなかったし本人も特に相談してこなかった。


死ぬ3日前一緒に遊んだ時も裸になって楽しそうに歌を歌っていた



だけどそんなやつがいきなり死んだ
死因は飛び降りだった。


理由はわからない。人生に絶望したのかもしれないしなにかやらかしたのかもしれない。
でも俺は誰よりも長くそいつといたからマイナスな要因で死んだとは思わない。


飛び降りと聞いた時、出勤前だったからとりあえず出勤してみた。目の前のいつもついているあいつの店の電気はついていなかった。

自分の店に入ってふと一息ついた。まだ信じられなかった。

営業開始して電気を暗くした時にあいつと店を開ける準備をした瞬間を思い出した。

よく泥酔すると言っていた
「人生最高の瞬間に死にたい、そうすればずっと幸せだから」

そんな言葉を言っていたのを思い出して、実感が湧きその日はもう笑顔で接客できないなと思い店を閉めた。

きっとあいつは誕生日を迎えいろんな人に祝われ浴びるほど酒を飲み最高の瞬間を迎えたのだと思う。最高の瞬間だと決めつけるのが早すぎるのもまたあいつらしいバカさなのだと今生きる残された友人たちは思い続けるだろう

俺はきっとこれから先もあいつのバカさを忘れない。人生の1ページをあいつに嫌な落書きされたのをいつかあいつにキレるまで生き続けようと思う

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