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『エッセンシャルワーカーの課題を考える部』のご紹介

皆さん、こんにちは! ifLinkオープンコミュニティ会員の濱@ISEです。
この記事では「エッセンシャルワーカーの課題を考える部」での活動内容をご紹介させていただきます。

2022年10月に部の立ち上げを呼びかけた当初は参加者がとぼしく、存続が危ぶまれましたが、その後エッセンシャルワーカーが置かれている実情等を紹介する中でご賛同いただける方が集まり、メンバーも13名となりました。
この部では、日常生活における必要不可欠な仕事に従事しているエッセンシャルワーカーに焦点を当て、彼らの抱える課題を深堀していきます。現場の生の声、実情等に耳を傾ける中で見えてきた課題点について、ifLinkが活躍する道を探っていくのがこの部の目的です。


エッセンシャルワーカーとは

エッセンシャルワーカーとは

ひとことで「エッセンシャルワーカー」といっても思い描くイメージも様々で、世間一般的な定義も様々あるかと思います。
この部では、いわゆる医療従事者に限らず、我々の生活を支えてくれる必要不可欠で重要な存在、それがエッセンシャルワーカーととらえています。
スーパー・コンビニ・ドラッグストアなどで生活必需品を扱う方々、介護、福祉、保育、公務員、交通機関、運輸、物流、公共インフラ、一次産業従事者など、意外と身の回りには溢れているのだと気付かされます。


エッセンシャルゆえの大変さ

必要不可欠だからこそ、エッセンシャルワーカーに求められる条件も厳しくなります。

  • 危機や災害時であってもノンストップの対応が求められる

  • 過酷な労働環境ゆえ「人手不足」が慢性的な問題

  • 取るべき対応、守るべきルールが状況によって変わり、画一的ではない対応を常に求められるため「技能継承」も困難

  • 在宅医療や在宅介護が当たり前になると専門家が常に現場にいるのが難しい状況に。責任は専門家が取らなければならないのに、現場が遠くなってしまう

介護・介助の現場では、状況に応じた対応が求められる

社会的に重要であり、かつ様々な課題があるこのエッセンシャルワーカーの領域ですが、一方でテクノロジー導入が難しい領域という側面もあります。決して自動化ができない、つまり作業者をゼロにすることができないのがエッセンシャルワークの領域です。
昨年、神戸医療産業都市クラスターでの現場の声を耳にする機会がありました。
そこでは、普段直接介護の世界に接していないと想像できないような様々なことを技術者に突きつけられます。 下記はその一例です。

移乗、移動が課題。人材確保が難しい中で、介助ロボットのなどの導入を検討しているが、成功事例が少ない

腰も守って!

移乗を人力だけで介助しようとすると、どうしてもいつかは腰を痛めてしまう、そのため貴重な人材の離職や休職につながるという課題があります。
これを解消すべく、技術導入しようとすると機器の搬入・取り付け・安全確認・起動で通常の倍以上の時間がかかり、使うほどに負担が増し人員シフトを圧迫してしまうという評価になってしまうそうです。
介助ロボットの定期メンテナンスなどは論外で、介護対象を増やされた印象というのが現場の本音などという皮肉な状況があります。

介護介助は両手が必要。操作時に片手を占有する機器は望まれない

手荷物は困る…

オフィス・店舗・倉庫であればスマートフォンは携帯可能であることが価値になるが、エッセンシャルワークにとってはそれがむしろ今までにない負荷(持ち歩き、片手占有)になるそうです。また、体液の飛散は日常で暖かい体液の付着に反応してしまうタッチパネル導入は難しくこれらをクリアしない限り導入しても「使えない」という評価で終わってしまうそうです。

見守り機器のバッテリー切れが放置される(見守りが実施されない)現象が頻発。バッテリー持続時間の劣化が早いので定期管理でも防げない

機械の介護まではちょっと…

健常者でもスマホのバッテリー維持に日々気を配っていることを思えば、機器の御守までやってられない現場の実態は想像できます。
オフィス・店舗・倉庫であれば業務時間外という充電機会を確保できても、24時間年中無休の医療、介護、介助現場にその機会はないのでそれを踏まえた機器でないと絵空事になってしまうのです。
そのため、高機能で複雑なことを求めるというよりは単機能で確実に安定的に稼働するものが現場では求められてきます。


ifLinkでエッセンシャルワーカーができるレシピを検討中

このようにエッセンシャルワーカーの現場で本当に役に立つ仕組みの実現は難しく心が折れてしまいそうではありますが、そのような条件下でも少しでも楽になったり、楽しくできたりするようなifLinkのレシピをこの部では考えていきます。
また、ここに挙げた介護施設の例だけではなく、在宅での介護/交通/ビルサービス/工場検査員現場/ごみ資源回収/児童福祉サービス/老人ホーム/介護福祉士/地域公設試験機関/中小企業支援/電子カルテ開発・導入/安否確認医療システム/援農ボランティア/特別支援学校/幼稚園こども園保育園巡回支援/就労系障害者福祉サービス/子供食堂など、部メンバーの幅広いつながりを活かした活動を進めていきます。

介護施設の現場の声

ifLinkオープンコミュニティについて

一般社団法人ifLinkオープンコミュニティは、さまざまな企業・団体に所属する人々が、その垣根を超えてオープンに交流しながら「誰もがカンタンにIoTを使える世界」の実現をめざすコミュニティです。
2020年3月2日に複数企業により設立され、現在100社以上の企業や学校が参加し、IoT機器のifLink規格への対応やIoTソリューションの試作、アイデア発想、マーケティングなどを行っています。
※ifLinkは、東芝デジタルソリューションズ株式会社の登録商標です。

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