W断熱の家って何?
W断熱(付加断熱)とは?
部屋内と部屋外に断熱材を施工する断熱方法です。
付加断熱のメリットは?
結論 ➡ 断熱性が高い!
その理由は2つあります。
①断熱材の厚みが増す。
一般的な柱のサイズは、10.5~12.0㎝なので断熱材の厚みも12㎝が最大となりますが、付加断熱をするともう5㎝程度断熱材を増やすことができますので、当然断熱性がアップします。
②熱橋を防ぐことができます。
熱橋とは建物の中で熱を伝えやすい部分のことです。
住宅の外部の熱(暑さ・寒さ)を、断熱境界の内側(室内空間)に橋渡しして伝えてしまう存在になるため、熱橋(ヒートブリッジ)と呼ばれています。
例えば
柱の断熱性は、0.15W/㎡・k(熱貫流率)で
一般的な断熱材は0.038W/㎡・kです。
つまり、柱の部分は、壁に比べて4倍熱を通しやすいんです。
だから、「木は断熱材です」って言ってるメーカーは、
断熱欠損してますって言ってるのと同じなんです。
そこで付加断熱を施工すると、柱部分の熱損失が減り保温力が増して 暖かく・冷暖房費の少ない住まいになるメリットがあります。
ちなみに、スタンダードな窓は2.33W/㎡・k 柱の15.5倍 壁の61倍 熱を逃がします。
(鉄骨は55W/㎡・k 木材の0.15W/㎡・kと比べて366倍熱を通しやすい…1例です。)
例えば、柱 大きな窓 柱 大きな窓 と連続するリビングの南面からは、熱がダダ洩れで寒くて残念なリビングになってしまいます・・・(もちろん高性能の窓0.9W/㎡・kなど使用すると変わります)窓の性能比較はコチラ
よって、新築して一番皆さんが期待しているリビングに窓の割合が多く、柱が多く、壁が少ない家になればなるほど快適性が低くなり、冷暖房費も高くなってしまいます。「私は冷暖房費は高くなってもいいから、できるだけ窓ばかりにして解放感がある住まいを希望される場合は、窓の性能をとにかくUPしておいたほうが良いと思います。または、窓の下部に床暖房やエアコンの吹き出し口を作ることで寒さを解消できる方法もあります。
付加断熱のデメリット
付加断熱には下記の4つのデメリットがあります。
コストアップ 断熱材の量UP 施工手間UP いろいろなブログなど調べて40坪くらいで100万円程度のコストアップが多いです。使う断熱材の種類によっても変わります。
仕様選定・施工が悪いと内部結露・雨漏りの起きる可能性があります。
そもそも構造躯体が強くないと、大きな地震の際に断熱性能が低下する可能性があります。
外部断熱材を支える木材の劣化対策が必要です。
付加断熱をしているハウスメーカー 工務店
アイフルホーム すごい家
一条工務店 i-smartⅡ
ウェルネストホーム ウェルネストホームの家
クレバリーホーム エネリート
住友不動産 ウッドパネルセンチュリー
アエラホーム クラージュ
タマホーム 大地の家
大和ハウス プレミアムグランウッド
付加断熱をする前に大事な項目
断熱性のパフォーマンスをUPするためのチェック項目をご紹介します。
断熱基準まるわかり表
Ua値・・・現在の断熱性を図る基準(床・壁・天井・窓の部位ごとのU値のアベレージ)注意!アベレージなので部位ごとの弱点がないか?要確認
数値が0に近いほど高断熱です。(w/㎡・Kで表示)
G3・・・0.26w/㎡・K heat20
断熱等級7 カーボンニュートラルクリア目標基準
G2・・・0.46w/㎡・K heat20
断熱等級6 24h冷暖房連続運転コスパ上のボーダー基準
G1・・・0.56w/㎡・K heat20
ZEH・・ 0.60w/㎡・K BELS ☆☆☆☆☆ 断熱等級5
省エネ等級5 BELS☆☆☆
長期優良住宅・・・0.87w/㎡・K
省エネ等級4 BELS☆☆ 2025年義務化予定基準
長く住むこと前提なら、G2 以上がおススメです。
シミュレーション済み
C値・・・家の隙間の量を示す数値(気密性)0.5㎠/㎡ を目指しましょう。理由
気密性が大事な理由
保温力=冷暖房費に差が出る…Ua値が値が良くてもc値がNGならコスパが悪い家になる
換気のクオリティー ・・・・気密が悪いと家の換気が機能しない
漏気による壁体内結露防止・・まだ壁体内結露で被害があります 国土交通省国土技術政策総合研究所
最近気密のプロと言えば「家のサプリ」というYouTube動画が参考になります
後悔しない高気密高断熱住宅の簡単確認方法
① Ua値は、いくらまで対応できますか?
② C値を測定してもらえますか? 推奨:0.5㎠/㎡をクリアしてもらえますか?
この2つで断熱性・気密性・耐久性に優れた住宅を手に入れることができます。
③さらに、実際暖かいか?涼しいか?電気代は安いか?を確かめるには、換気システム、日射の取得率など考慮したもらえるかも確認しましょう。
④ 施工が確かな会社かどうか? 例えば、「Ua値平均0.3の家を毎年何棟施工して 実績として◎◎棟引き渡している。アフターメンテナンスでこういう声があり●●な改善をしている。」とか言ってくれると説得力あります。
・実際の建築現場を見学させてもらうと良いと思います。
・部材の管理・外柵・ネットの張り方・職人の安全面を配慮した現場になっているか?
・確かな施工をするための工夫はどんなことをしているか?
・換気部材のメンテナンスに係る維持費や保証期間、交換部材の概算・頻度なども教えてくれると良心的です。(住まい方・維持管理の仕方を教えてくれる)・・・アフターメンテナンスは良くて当然です。
⑤ ④の対策として築浅だけでなく10年20年経過したオーナー様の住まいを見学させてもらうのも良い方法です。
まとめ
W断熱の家は、加速する電気代高騰にも追従できるのでお勧めの仕様です。
しかし、料理と一緒でいくら最高級の材料があってもそれを活かす、職人の技が伴わないと大変コスパの悪い家になってしまいます。
お客様は結果が欲しくて、高額な窓、断熱材を選びます。
安心してお願いできる
施工技術の向上を期待しています。
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