【考えすぎな感想】HO6LAさんの『タイムカプセルガール』リリックビデオについて

はじめに

 タイムカプセルガールのリリックビデオを拝見しました。
 ひとまずのメモという形を取らせていただくので、またチャプターのない読み辛い文章となっています。
 こちらのnoteを開いてくださった方大変ありがたいのですが、お疲れの方やお忙しい方は何卒飛ばしてくださいね。

注意書き

 感想という範疇を越えた解釈が多分に入り込んでいるため先に注意書きだけさせていただきます。

 まず、この文章は自己満足に溢れたとても長い文章です。
 書くこと自体を楽しんでいるので、ご覧いただく際は目に附いたところだけを読んでいただければ幸いです。

 そして、万が一読んでいただいた方がいらっしゃって、コメントをしたいなと思ってくださる方がいらっしゃいましたら大歓迎です。筆者に対するコメントに関しては、整合性の指摘をくださるようなご意見・批判・批評から、感想、誹謗中傷までを含めて真摯に受け止めさせていただきます(読んでいただけるということ自体が、まさに至上の喜びですので)。
 一点だけお願いがございます。
 例えば、「この作品はそんなとこまで考えてないだろう」といった、対象作品を主体としたマイナスの要素と考えることのできる可能性がある言葉だけはこの場で紡がないでいただきたいのです(「MVひとつに考えすぎだろキモww」のような批判の対象が筆者に向いた感想は問題ないです)。
 自分の書く文章において「解釈」とは「答え探し」ではありません。どちらかというと「答えを広げ」、大袈裟にいえば作品の豊かさを更に発見していこうという試みに近いかと存じます。そのような意味において、やはり作品の解釈を狭めることだけは遠慮いただきたいのです。
 HO6LAさんのファンの皆さんが、それぞれ素敵な解釈をお持ちになっていて、それらを共有されることは豊かな行為であるかと存じます。
 ですが、我を通すために作品の幅を狭めてしまうことだけは無いよう何卒よろしくお願い申し上げます。
 楽しくポジティブにHO6LAさんへの解釈を広げて参りましょう。
 それでは、感想を失礼いたします。

本文です……

 正直今回はまだ視聴回数が足らず、いまだにビデオと歌詞や音楽内容との関連性を自分の中で紐解き終えていません。
 メリーゴーランドが出てくる点や観覧車から始まる点、それらを含めた逆転する映像とそうではない映像等々、今回のビデオにもリリックビデオというだけでなく深いコンセプトが刻み込まれていると(勝手に)拝察しています。
 前述の通りメリーゴーランドが登場する点などは特に『タイムカプセルガール』が収録されているCDの表題曲でもある『ピリカリラ』との関連でも書きたいですが、いまだに楽曲単体の解釈さえ終えていないため次の楽しみにとっておきたいと思います。

 今回取り上げたいのは、やはりタイトルでもある「タイムカプセルガール」という曲名とそれに合致している楽曲の形式(あるいはそうではない部分)、歌詞から汲み取ることのできそうな2つの意味について、そして、オルゴールを巻く音から始まる点とliveにおける『タイムカプセルガール』のHO6LAさんたちのパフォーマンスについても軽く触れさせていただきたいと思います。

 まず歌詞の形式についてですが、『タイムカプセルガール』は2番構成でありながら、共に同じパーツで構成されていることが分かります。
 前述のオルゴールとも関連してくるのですが、オルゴールは(種類にもよりますが)一度ぜんまいを巻くと、一回転分の音楽を奏でてくれるそうです。歌詞の形式をこのような視点で見ると、同じ形式の歌詞が二度続けられた後に冒頭と同じ連が繰り返される構造は円環的なものに見えてきます。
 『タイムカプセルガール』を既に何度も聞いておられるファンの方がもし読んでくださっているのであれば、ここで既に疑問が浮かんでいることでしょう。それは最後に同じ連が繰り返される直前、「ああ、ちっぽけなこの声が 未来のぼくたちに届くといいな」という歌詞のブロックについては初めて出て来るものであるという点です。
 自分はこの歌詞が挿入されることによって楽曲全体の意味の多重性が生産されていると考えていますが、後述しますのでひとまず一番の歌詞から解釈していきたいと思います。

 「感情」、「鼓動」、「衝動」、「願望」、「思い」、「感動」。
 一番ではそのようなものが「大人になったら消えちゃう」ものとして取り上げられ、そうなってしまっては「つまらない」と歌われています。「子供のまま」「バカな夢みてたいの」という歌詞は、それ自体が「見る」ことを望む「願望」であり、この曲を聴く人々の中に存在する「夢」を見ることのできなくなってしまった「大人」(年齢的なものではありませんが)な部分に対して訴えかけているようにも考えることが出来そうです。
 そしてサビにおいて、「タイムカプセルガール」たちによって「奏で」られる「今」を、そして「つめこ」まれた声を聴いて思い出すのです(ここでいう「今」は「子供のまま」「バカな夢」を見ていた頃を指しているといえるでしょう)。
 「忘れかけてた彩る色」とは前述の「大人になったら消えちゃう」ものたちの比喩と取ることもできそうですが、HO6LAのメンバーの皆さん一人ひとりにメンバーカラーがあることを踏まえると、HO6LAさんたち自身を表しているとも考えることが出来そうです。
 聞いている自分たちにとって、まさにHO6LAさんたち自身が正真正銘の「タイムカプセルガール」であり、彼女たちのステージに、パフォーマンスそのものに、歌詞に込められている思いの丈が表れているのだとも捉えることが出来るのではないでしょうか。
 HO6LAさんのパフォーマンスを含めると、メンバーの皆さん自身が「タイムカプセルガール」であり、かつオルゴールの象徴として機能しているともいえそうです(後述します)。

 また、サビの部分の歌詞をより詳細に見ていくと、「ほら、タイムカプセルガール」から始まるわけですから、2行目までは聞いている側が「タイムカプセルガール」へ語り掛けている歌詞とも取れるわけです。前述の通り「タイムカプセルガール」は「オルゴール」のようなものでもあるわけですから、楽曲を奏でてくれる存在として機能しています。
 呼びかけに答えるように歌詞が反復され「つめこむ声が届きますように」と願うような歌詞が返答として帰ってきているのです。

 二番に入ると、一番では概念の要素が強かった歌詞が具体的な行為に落とし込まれていきます。「空想」「妄想」「白昼夢」、そして、それらによって「つくりだす」「想像通りの未来」。この「未来」を「つくりだす」能力は「だれにもできる魔法」のはずなのに、「大人になったら忘れちゃう」ものであり、それは「淡い夢」であるとも歌われています。
 オルゴールの要素を踏まえるのであれば、この視点は聞いている側である「大人」(あるいはそのような部分)が「子供」であった頃に近寄っているとも捉えることが出来そうです。

 ところが、この後に入ってくる一番にはなかった歌詞を踏まえると、意味が少し変わってくるのです。
 「ああ、ちっぽけなこの声が 未来のぼくたちに届くといいな」
 つまり、「未来のぼくたち」に届ける歌として『タイムカプセルガール』は存在するわけです。
 「ぼくたち」とは、誰のことでしょうか。
 この範囲にはもちろん、自分を含めた爆炎族の皆さんが含まれている可能性が多分にあるわけですが、歌っている主体はHO6LAさんなわけですから、「ぼくたち」という言葉の見つめるの先には当然メンバーの皆さん自身が映っているはずです。
 つまり、“HO6LA”という存在が一種の「タイムカプセル」になっているのではないでしょうか。
 メンバーの皆さんにとっても、この楽曲を表現するステージが、そして「今」という時間が、「タイムカプセル」に込められる現在進行形の「声」としてつめこまれ刻まれていくわけです。

 HO6LAさんが夢を叶えたその先には、輝きの向こう側があるはずです。
 自分にとっては既にとても大きなかけがえのない存在ですが、「未来」のその先で活躍されている皆さんからすればいまだ「ちっぽけな」「声」が、「HO6LA」という存在であったという事実そのものが「タイムカプセル」の役割を果たしているのです。
 『タイムカプセルガール』という楽曲はそのような「タイムカプセル」を開く“鍵”となるものなのかもしれません。

 ファーストシングルに挿入されながらも、HO6LAのメンバーの皆さん自身の未来から届けられたような、そして未来を想ったような、とても素敵な楽曲に思います。

 最後にHO6LAさんのパフォーマンスと楽曲の親和性についても少しだけふれさせていただきたいと思います。
 オルゴールが巻かれる冒頭の音の後、パフォーマンスはHO6LAさんがマイクを持ち上げ時計と逆回りに回転されるところから始まります。そして、曲の終わりは、時計回りに回転し、音楽の終わる瞬間に挙げていたマイクを手元の位置に戻して終わっています。
 これはまるで、最初に楽曲を流すためにオルゴールを巻く表現と、それが曲の終わりに元の位置にて止まる表現がなされていると見て取ることができるのではないでしょうか。前述の「タイムカプセルガール」としてのHO6LAさんたち自身がオルゴール的な要素を含むといった点に繋がるものであるように感じました。

おわりに

 リリックビデオの雰囲気から歌詞とパフォーマンスに込められている洗練された表現、そしてHO6LAさんたちが結成間もないこのタイミングでこの楽曲を歌われているという事実全てが素敵で、全てが綺麗な楽曲であると思います。
 これからもYouTube、イベントなどで拝聴できる機会を楽しみにしております。

 最後まで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、お時間を取らせてしまい申し訳ないです。
 ありがとうございました。

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