いちおう捨てるけどとっておく 台本と当パンあいさつ

実家の荷物を整理していたら、初めて買ってもらったガラケーが出てきた。もともと黒だけど塗装が全部剥がれて銀になっていて、当時SoftBankの機種の中で一番薄かったわりにはスマホより分厚い。充電器が巻かれた状態で出てきたのですぐに繋いで電源をつける。待ち受けが陸上部のみんなで撮ったアラバスタ編の表紙と同じ構図の写真で、本家と違って同窓会の約束を全然果たせていないことを思い出す。昔の自分がデータを消してしまっていたのでほとんど残ってなかったけど、保護したメールだけ残っていて、画面上の小さな南京錠のセキュリティの高さに感謝しながら開く。当時付き合ってた子とのメやりとりや合唱コンクール前日にクラスみんなに実行委員が送ったメッセージを順番に読んでいくと、たまに送られてきた瞬間の景色が浮かぶものがある。近所のヨーカドーの駐輪場でメールで振られたことを思い出しながらメモを開くと、当時面白いと思っていることがいくつか書いてあった。とても人に見せられるクオリティじゃなかったけど、当時の自分に少しだけよくやったと言いたくなる。25歳になった自分がなにか一つメモを足そうかとも思ったけど、すこし酔いすぎてるなと思ってやめた。次に繋げようとしてたものではないからいいんだ。ここで書けたことでとっておいた意味は完結したと思って捨てた。これを書いてるパソコンを捨てる頃、まだあなたが観にきてくれていたら嬉しいです。本日はご来場ありがとうございます。



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