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偽りのないこと(BTSを日米韓アイドル音楽好きが語ってみた)

君は、絶望の淵に立っていた僕の、生きる最後の理由
僕も全てのことが怖かったと言ったら、信じてくれる?
僕を見つけてくれた君はきっと、君自身を探し出すはず

(Magic Shopより抜粋・一部意訳含む)

日々の言動、生み出してきた作品。
何より歩んでいる人生そのものに、「偽りがないこと」。

それは、自分自身を認め愛することに近いものなのではないかと、このところ考えるようになった。心に抱える光と闇、どちらも否定することなく受け入れ、自分としての表現をすること。
私が芸術に求める姿は、こういうものだ。
上っ面だけが綺麗な世界は見たくない。人の苦しみ悩み、背景を知って初めて、作品の本当の美しさに気づくことができると思うからだ。
そういう美は、自信がなく、自分自身をまだ愛しきれていない私の癒しになり、道標になってくれるから。
知らず知らずのうちに、私にとってBTS(防弾少年団)は、癒され、学び、共に成長していく存在となっていった。彼らは自然体でありながら、究極の美を世界に魅せてくれている。
彼らは、大手の芸能事務所が作り込むような「キラキラした完璧なアイドル」のイメージとはちょっと違う。
私が思うに、BTSのメンバーは「イメージ」など、敢えて作ってなどいなかった。ただありのままの彼らを全面的に公にしていくことに、全力を注いで来たように思える。
彼らの楽曲を振り返って見ると、過去にリリースされた「青春三部作」には、あるストーリーが精巧に準備されている。創作されたストーリーと聞くと、「それってイメージ作りの一貫じゃないの?」と思う人もいるかもしれない。そんな方にはひとまず、物語の内容を確認していただきたい。
メンバー7人が同姓同名で演じる登場人物はそれぞれ、暴力、虐待、薬、貧困、ネグレクト、自殺などの重い闇を抱え、「生と死」に思い悩む当事者として描かれている。
BTSは、自分たちが一番伝えたいテーマとして、少年少女の心の闇を描くこと、そしてそれを否定するのではなく、あるがままの自分として受け入れることに置いた。
若くして直面してきた様々なヘイトや困惑、苦しみ。小さな事務所から徐々に名を轟かせていった彼らは、最初から「キラキラしたスーパースター」だったのはない。もがきながら彼ら自身が学んできたことを、音楽を通して伝えてくれている。
心の奥で抱える暗闇の部分でさえも、自分自身を構成する一つの大事な要素であり、それを受け入れてから初めて本当の意味で自分を愛し、周りを愛することができる。
このメッセージは、彼ら自身がプロデュースに関わってきた全ての楽曲、ファンに見せるパフォーマンス、そして週に何度も更新される日常的な会話の録画などから、一貫して感じることができる。
大事なのは、世界から自分たちがどう思われるかではない。
自分たちが何者であるかを理解すること。自分たちにとって大事なものを大事にすること。そして自分たちが世界に本当に残したいことを、刻んでいくこと。
BTSはもともと、Hiphopにアイデンティティを持ってきたグループだった。
特に、幼い頃から海外ラッパーに関心を抱いていたリーダーのRMと、13歳から作曲を始めたSUGAは、アンダーグラウンドのラッパーとしてBigHitに発掘される前から活躍していた。
BTSは純粋に自己表現としての音楽を追い求め、アイドルとしてのデビュー後も、この核たる部分を疎かにすることはなかった。日常的に降り注ぐ苦悩や喜び、夢やそれを阻もうとする大人や社会の重圧への怒りを、楽曲制作にあらゆる面で関わりながら、素直に表現してきた。
Hiphopは歴史的にも、自らの出生を明らかにし全てをさらけ出すことが大事にされてきたジャンルだが、「音楽が自分の全て」だと語る彼らにとって、ラップはアイドル曲を歌うための道具ではなく、自分の人生そのものなのだろう。
そんな彼らが紡ぐ楽曲には、やっぱりどこにも偽りがない。一貫して彼らの人生を語ってくれている。

「君は、絶望の淵に立っていた僕の、生きる最後の理由」
「僕も全てのことが怖かったと言ったら、信じてくれる?」「僕を見つけてくれた君はきっと、君自身を探し出すはずさ」「君の全ての答えは・・・君の心の中に」

(Magic Shopより抜粋・一部意訳含む)
取り繕った「頑張れ」の言葉をかけられているのではない。
彼らの本心から、「自分自身を愛して良いんだよ」と言われている気がするのだ。
だから私は今日も、悩みながらも進む。時に後退することがあっても、それも自分だから大丈夫、と受け入れて良い。深呼吸をして、また一歩、踏み出してみる。
私はこれからも、そんな世界一かっこいい彼らと共に生きていく。

https://zerooclock8.tumblr.com/post/643162090531586048/%E5%81%BD%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A82  
より抜粋


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