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第3回 地下アイドルというお仕事

今回は、コロナ禍での地下アイドルの影響度についてのお話です。

まず、地下アイドルというのがLIVE活動をメインとしています。
つまりは、ライブをする場所が必要になる訳です。
しかし、コロナ禍の中で飲食業が時短要請を受けたり、人数制限を設けられたりという正に死活問題を抱えてしまうのです。

時短要請は、緊急事態宣言で言えば、20時までとなっていました。
しかし、20時で終わるLIVEって今まででは考えられないですよね?
特に、平日であれば一般的なお仕事が終わる時間が18時や19時と考えると、ギリギリの時間帯、遅い方はおそらく間に合わない時間帯です。

そんな中で、飲食業には当たらない物販というのを20時以降に行い、LIVEのみを20時までに終わらせるという形をとるLIVEが多くなりました。
もちろん、これも非常にグレーな活動です。

それは、緊急事態宣言中というのは、時短営業とは別に、20時以降の不要不急の外出の自粛を徹底という事が入っていました。
つまり、物販時間を不要不急とするのかどうかという事です。

結論から言えば、立場が違えば条件は変わるという事です。
お客さんの立場であれば、LIVE見れればそれでいいというお客さんもいるでしょうし、物販がなくて地下アイドルのLIVEじゃないという方もいるでしょう。しかし、いずれにしても不要不急には当たりません。

しかし、地下アイドルにとっては、物販こそが最も大事なお給料となる訳です。

LIVEをする事で得られる地下アイドルのお給料というのは、実は99%物販の売り上げです。LIVEに出演して、出演料が貰える事はほぼありません。
以前であれば、チケットバックと言われる動員人数✖️○○○円を払いますという事も多かったと思います。

でも、コロナ禍の中ではイベンターの方々も今まで以上に厳しい運営となりますし、ライブハウスも然りです。

そのため、この業界に関わる全ての方が影響を受けている事は周知の事実です。

そこで、地下アイドルの中には、当初配信ライブを行うグループも多くいました。配信ライブを行い、配信物販などを積極的に取り入れました。
しかし、配信ライブは思うようにお客さんを取り込む事が出来なかったのです。

なぜか?

日本には、配信ライブというものにそもそも価値を見出している文化がまだありません。
つまり、普段チケットが取れないようなアーティストであれば、何十万人という方が、安い配信チケットを買う事で、リアルタイムでライブを見ることが必ず出来ます。

しかし、地下アイドルは、今までいつでもどこかで見られるものであり、お客さんの多くがライブよりも、物販で話したりする事をメインと考える方が非常に多くなっているからです。

つまり、アイドル業界を一気にスターダムに押し上げ、誰もが夢見るアイドルに慣れてしまうという状況を作り上げた『会えるアイドル』システムが、足枷となり、会えないアイドルには価値がないと言わんばかりの状況となってしまったのです。

もちろん、そういった方々ばかりでは決してありません。
純粋に応援をしてくれるお客さんも多いのも事実です。しかし、分母は小さくなってしまいますし、新規のお客さんを掴む場が減ってしまったことに変わりはないのです。

また、緊急事態宣言が開けたからと言って、お客さんがすぐに戻ってくる訳ではありません。まだまだ、お客さん自身がライブハウスなどに出向く事を控えていたりしているのです。

もちろん、この状況下であればやむを得ない事でもあり、お客さんが悪い訳でも一切ありません。

しかし、結果的にこのコロナ禍の中でどういった地下アイドルが残っているのかと考えれば、地下アイドルの中でも大手となる事務所に所属しているアイドル、そしてアルバイトなどをしながら生計を立てているアイドルとなっており、小さな事務所などはアイドル以外の収入源を持っていない場合、やむをえず解散したり、事務所を畳む状況下になってしまうのです。

だからと言って、この状況下だからこそ、諦めずに頑張っているアイドルを応援して頂きたいと願うばかりです。

次回は、アイドル活動の実態についてもう少し掘り下げてお話をしていきたいと思います。

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