見出し画像

<論文>11年死亡リスクの予後指標

Primary Care Prognostic (PCP) Index of 11-Year Mortality Risk: Development and Validation of a Brief Prognostic Tool
J Gen Intern Med. 2020 Aug 20.
doi: 10.1007/s11606-020-06132-2.

背景
医療者は、がん検診、大手術、および疾患予防介入について高齢者と臨床上の意思決定を共有する際に、少なくとも5~10年の余命を使用している。現在のところ、10年以上の長期死亡率を予測する予後指標やプライマリケアでの使用に適した指標はほとんどない。

目的
プライマリケアで使用するために、11年死亡率を予測する8項目の多次元指標を開発し、妥当性を検証した。

デザイン、設定、参加者
Singapore Longitudinal Ageing Studies(SLAS)のデータを用いて、開発コホート(n=1550)で11年死亡リスクを予測するプライマリケア予後(PCP)指数を開発し、地理的に異なるコホート(n=928)で検証した。

主な測定項目
PCP指数は、ステップワイズCox比例ハザードモデルを用いて、8つの指標(25の候補のうち、体重減少、虚弱、遅歩、併存疾患、ポリファーマシー、IADL/BADL低下、低アルブミン、低総コレステロール)で作成された。

画像1

主な結果
開発コホートでは、死亡ハザード比は年齢と性に関係なく、PCPのポイントスコアの増加ごとに53%増加した。リスクカテゴリーごとに、死亡の絶対リスクは5%(スコア0)から67.9%(スコア7-9)に上昇し、AUC=0.77(95%CI 0.73-0.80)であった。検証コホートではAUC=0.70(95%CI 0.64-0.75)であった。

画像2

結論
簡単な臨床評価とポイントスコアリングを用いたPCP指数は、長期死亡率を予測するための有用な予後予測ツールであり、プライマリケアにおける高齢者のリスク層別化と臨床的意思決定の共有に適している。


<感想>
便利だな~と思った半面とても怖いツールだなとも思いました。8つの指標の中にポリファーマシーとマルモ(厳密には違うかも)がしっかり入っていたのが印象的です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?