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壊れたモノ

砕けちった貝殻を拾って、手の中に広げてみる。

長い月日を経て少しずつ壊れていったモノは、2度と元に戻らない。

一片の先端が手の甲を傷付け、血管の奥深くへ沈み、背中を刺す。

尖った言葉の暴力に
切り裂かれる痛み
憎しみに満ちたトゲ

貝殻は、全て捨ててしまうから、
どうか穏やかな言葉を。
温かい言葉を。
残り僅かな時間に、ただただ穏やかな記憶を。

ゆっくりと
深い眠りにおちるまで
肉体が消えるまで
記憶が消えるまで

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