不動産鑑定士 修了考査(記述の考査)の勉強法などについて

 大島不動産鑑定(以下、「大島道場」や「道場」と表記)の1年コースで実務修習をしていた静岡在住の名波翼と申します。

 第17回不動産鑑定士実務修習の修了考査に合格できましたので、記憶が薄れないうちに記述の考査についての勉強方法や私の考え、経験などをまとめてみました。これから修了考査を受ける方たちの参考に少しでもなれば幸いです。

※大島道場内部の話をどこまでしていいのか自信の無い部分などについては、意図的にボンヤリとした表現にしている部分も有ります。




時間配分


 模試の段階から、13問目までに20~30分、計算問題にも20~30分、残りは論文問題に時間を使うと決めていて、当日も大体そのような流れでした。
 マークシート部分はいくら考えても仕方がない問題がどうしても出てくるので、あまり時間をかけ過ぎないように気を付けましょう。



多肢択一式問題(計算問題以外の13問、39点満点)

 個人的な感触としては、勉強を始めた頃は結構な時間を要するものの、合格のために必要な知識をおさえるだけなら記述の考査の中で一番詰め込みが効く部分でもあるので、長期的・戦略的な勉強計画が重要だと思います。余裕のある時期から少しでも貯金をしておきましょう。
 勉強方法としては、確認テストや過去問をひたすら回して完璧にしておく、というのが結局一番良いと思います。間違えた問題はテキストの該当箇所を探して読んで理解し、ページ数や誤答数を問題にメモしておく、という流れで試験当日までに5周し、試験開始直前まで誤答数の多かった問題を中心に復習しました。大島道場内で行った2回の模試の問題についても本番前に3周はしました。
 確認テストや過去問に出ていない、テキストの細かい所について問う問題も普通に本番で出題されますが、私の知る限りは皆さん同じような所が難しかったと感じていたらしいので、合格した方でも殆どの人は正解できていないと思われます。
 個人的な推測ですが、問題を作っている側としては、マークシート部分だけで満点を取られてしまい、論文式問題部分の出来がよろしく無くても記述の考査の合格点に達してしまうという事態を回避するために、普通に勉強していたら分からないような細かい問題を意図的に出している側面もあるのではないでしょうか。
 よって戦略としては、他の方も対策してくる基本的な問題は絶対落とさないように精度を高めておいて、細かい所についてはテキストや講義PDFを時間の空いた時に目を通しておき、運良くそこが出題されて記憶に残っていたらラッキー、程度のスタンスの方が時間効率的にも精神衛生的にも良いと思います。
 分厚いテキストの内容を細かい所まで完璧に抑えようとしたら途方もない時間がかかりますし、そのせいで他の計算問題や記述問題、口述試験対策がおろそかになってしまったら、かえって合格の可能性を下げてしまう事に繋がってしまうでしょう。私自身は結構な時間をテキストの読み込みに費やしてしまいましたが、今振り返ると(あくまで考査の点数を伸ばすという意味においては)殆ど効果は無かったように感じています。
 

多肢択一式問題(計算問題2問、11点満点)

 多肢択一式問題の中では一番の勝負所で、ここで最低でも1問は正解できていないと、本当に相当厳しい状況に陥ってしまうと思われます。
 勉強方法としては、やはり過去問や確認テストの問題を回して、解き方をしっかり理解しておくのが大事だと思います。しかし、回すたびに全ての問題を解くのは時間がかかり過ぎますので、私の場合は1周目は殆ど全ての問題を解く、2週目3周目は類問の中から1つだけ、4周目以降は問題を見て解き方が直ぐ頭に浮かぶ問題は飛ばす、というやり方で回していました。
 自分1人だけで考えていると、計算ミスの原因に中々気が付けなかったりするので、行き詰った時にお互い助け合える同期の存在は非常に有難かったです。また、大島道場内の模試では、本番で落とし穴になり得る部分をカバーするような問題を出題して頂けたので助かりました。 



論文式問題(A問題)

 私は2次試験の鑑定理論の論文で109点しか取れていなかったような人間なので、特に語れる事は無いです。ただ、2次試験と比較して解答スペースが圧倒的に少ない事に対してどう立ち回るべきか、は考えておいた方がいいとは思います。
 勉強方法としては、10月末提出が終わったあたりから、2次試験までと同じように基準の音読をしていました。

論文式問題(B問題)

 一般実地演習の案件に対して、実務修習期間中にどれだけ真摯に向き合ってきていたかが主に問われる問題だと思います。
 勉強方法というか対策方法としては、事前に指定されている3類型についての口述の考査対策をしっかりやっておく、というのがやはり王道だと思います。
 大島道場の場合は、出題可能性のある3類型が公表された後に、各類型について出題されそうな論点を大島先生がピックアップして共有して下さっていたので、それに対して各自で自分の評価書に合わせた回答を準備しておく、という事も口述対策と並行して行っていました。
 今年のB問題については、大半の内容が想定されていた論点ほぼそのままだったので、私の場合は事前に考えておいた内容を書くだけで殆ど終わり、時間的にも精神的にもかなり余裕が生まれました。評価書を作成している段階から、自分なりに散々悩んでおいて本当に良かったと思います。

論文式問題(全体)

 大島道場内の1回目の模試では見事にボコボコになり、順位も下から数えた方が早いような状態でしたが、論文の得点力を上げる書き方などについての大島先生のご指導の結果、2回目の模試では道場内でも上位層に入ることが出来るようになっていました。
 同期同士で書き方についてアドバイスしあったり、優秀答案を道場内で共有して頂いて書き方を参考にさせて貰えたりしたのも大きかったように思います。
 試験当日も「他の修習機関所属の方達よりも絶対に試験慣れ出来ているはずだし、模試の3回目だと思っていつも通りやれば良いだけ」「過去に某予備校で3次試験対策講座を受け持っていた方からの指導を受けているのだから、実質的に3次試験化してきている修了考査では有利に決まっている」と思う事が出来て、精神的な安定につながりました。



おわりに

 記述の考査全体としては、基本的な部分に穴を作らないようにコツコツ満遍なくやっておく、という事に結局は尽きるのかなと思います。

 内容は以上となります。ここまで読んで頂きありがとうございました。


※大島道場の後輩の方には、口述対策の話も含めてもっと具体的なお話もできますので、Facebookなどで気軽に質問してください。

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