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チバユウスケさんについて

 僕が明確にチバユウスケという人間を知ったのは最近寄りだと思います。大きなきっかけはないですが、初めて聴いた時、MVを観た時、ライブを観た時、その時々でゆっくりと心が熱くなっていきました。気がついた時、チバユウスケという人間の放つ魅力にズブズブとハマっていたという感じです。

 気持ちの転換点は間違いなく12月5日正午に届いた、彼の訃報です。言葉になりませんでした。4月の休養発表時は自然と心を守るために離れてゆき、私生活の落ち着きと共にジワジワとTMGEを聴き漁って復帰を待ってみたら、また意識的に忘れてみたり。でも、なんとなく、なんか、なんだか、そんな気はしてたんです。だから「そっか」と呟いてその日は終わりました。何千何万という言葉を脳内で巡らせた結果の「そっか」です。僕の心は静かに崩壊していきました。
 今でも忘れません。あの日の深夜、「なぜか今日は」のMVを何回観ただろうか。涙はでません。けれども再生を止めることもできず、ただ静寂の中、寝室に彼らの音色が反響していました。
 それから少し経って、向き合ってみることにしました。アルバムを順繰りに聴いていって斜陽を眺めながら存在を、微かな希望を持って探してみたり、ライブ映像やMVを観てみたり。休養発表の時から薄々と感じていた気持ちがまた昇ってくる。師走の夕陽と喧騒と一緒に、うっすらと「ああ、やっぱりな」が横切っていきました。

 唐突ですが、僕と妻はロックの趣味がすごく合います。もちろんTMGE、ROSSO、The Birthdayで夜を染めています。深夜のロック談義がたまらなく好きなんです。ある時から、またチバユウスケの事を会話に出すようになりました。
 チバさんの紡ぐ詩。優しく背中を押してくれる詩と、激しくてセンセーショナルなハードなサウンドはすごいんです。出会えてよかったと思いました。今だって思っています。骨身にしみるってもんです。きっと、死ぬまで聴き続けるでしょう。そんな音楽にまた出会えるなんて。そう思うと胸が熱くなります。

 また幸運にも、献花の会へ参加することができました。ファンの方たちと言葉は交わさずとも空間を共有できました。撮り下ろした各地の色々な写真やガーベラのお花。定番のSEに背中を押されて辿り着いたステージは眩しくて見えませんでした。16本のキャンドルと相棒のグレッチと、華々しいセット。キラキラで、こんな光景見たことなかった。僕はピンクのガーベラをお渡しして、気持ちをお伝えしてたくさんたくさん、祈りました。
 最初のBGMは「青空」でした。その後はなんだったかな。「READY STEADY GO」「星の少年」「愛でぬりつぶせ」「OH BABY!」だったと思います。最後はライブテイクでしたね。あの時の運営の皆さま、本当にありがとうございました。
 そして、本当に色々な方が祈りを捧げていました。仕事上がりのスーツ姿、ツアTにマフラータオルのライブスタイル、チバさん完コピの方、ルードギャラリーの革ジャンを着こなす海外の方。皆さんが各々祈りを捧げていて、それでも気持ちは同じだったと思います。あらためて、ファンになっていて良かったと心から思いました。
 正直「星の少年」は涙が止まらなくなりました。まさか好きな音楽でこんな思いをするとは夢にも思っていなかった。皆んな元気で楽しくいられるって勝手に信じきっていました。でも、チバさんの生きた証はこの世にびっくりするほどあるしあり続けます。
 
 悲しくて寂しくて、虚しくて、空は暗くて見えなかったけどあの日の夜は眩しいくらいの青色が広がっていたはず。虚ろなんかではなかった。光を見つけて、光をつかんだ夜だった。 新EP「April」も出た。またチバさんの声が聴けるんです。The Birthdayの世界に触れられるんです。これからも、とんでもない音が鳴り響く予感がする。

 チバユウスケさん、これからもどうぞよろしく。

P.S.終始曖昧な文章ですみません。でもこんなもんです。各バンドのお気に入りの曲などはそのうち書きます。

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