未来にしかない

父がALSと診断されて1年と少し。
現役バリバリで働く母と、成人して仕事に出てしまう子ども3人では面倒がみれず、今は施設でお世話になっている。
コロナのせいで面会に制限がかかっていたため、今日は久しぶりに父の顔を見に行くことができた。

最後に会ったのは、施設に入る日だった。
先々月の話だというのに、会うたびに痩せていくし、呂律も回らず、あまり聞き取れない言葉が増えていく。
胃ろうとペースト状のご飯で半々。
施設の方がいうには、野菜のペーストは「イヤ」って食べてくれないらしいから、子どものようなワガママは健在らしい。

会うたびにニコニコ笑うお茶目な父。
耳掃除をしてくれ
爪を切ってくれ
顔や手を拭いてくれ
って、やはりワガママだ。

子どもの時は、父の子どもらしさが疎ましかった。
会話もしない時期の方が長かった。

今は、甘えられるとなんだか少し切なくなる。

お前だけは心配いらない。
って言ってもらえる仕事に就けただけ、学生時代に少し勉強しといて良かったなと思う。
(本当はもっと成功してるつもりだったけどねー。まぁ、これからさ。)

結婚はまだか。
って言われて、「1人ではできんー笑」って返す。

お前はいい家庭を築きなさい。
って言われると、「お見合いしとくべきかなー。」って思ったりもする。
(結婚もしたいし、子ども欲しいなって思うから余計。)

未来、幸せであるために
今できることをしようと思う。

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