告別式

31回目の結婚記念日は、告別式となりました。
父と母が生涯の愛を誓い合った日が、
永遠のお別れを言う日になるなんて、
あの時誰が想像しただろうか。

無邪気で、天然で、やりたい放題な、
父らしいミラクル。
きっと狙ってやったんじゃなくて、
なんかそうなちゃったってパターンだ。

母のことが大好きな、
本当に父らしい最期だったなと思いました。

祖母の反対を押し切って、2年越しの恋愛結婚。
そこから31年。
色々とゴタゴタしてたり、
子育ても色々あったり、
離婚を真剣に悩んでいた時も知っているけれど、
父と母にはこの上なく頑丈な絆があるのだと思い知りました。



母と弟が連絡を受けて駆けつけた時、
笑っているように眠っていた父。
闘病1年5ヶ月。
おつかれさまでした。
愛を持って育てていただいて、本当に感謝します。

恵まれた幼少期を過ごすことの出来なかった貴方が、
私を愛し、育てることがいかに難しかったか。
私が与えていただいている全てのことに感謝もせず、ワガママに生きているように見えていたか。
気づきもせずに生きていたなんて、
バカで、愚かな、自分が、
悔しくて、悔しくて、憎い。

寿命がくると聞いてはいても、
まだ生きていてくれると思っていましたから。
春先頃にはコロナがおさまって、施設に面会に行けるようになったら、また会えると思っていましたから。
そろそろ以前もやっていただいたように、
zoomで面会とかやってくれないか、
なんて、施設に電話して聞いてみないとなって、
思っていたところだったから。

でも、
日中は仕事で頭がいっぱいで、
夜はやりたいことに頭がいっぱいで、
あぁ、そういえば連絡してない。
あぁ、また昼休みに電話するの忘れた。

そうやって3日過ごしました。
そうしたら、朝のSTに行く直前の私に
母から連絡が入りました。

「父がお亡くなりになりましたよ。」

電話をしなきゃと思っていたのに、
私はナゼしていないんだろう。
私はナゼしなかったんだろう。
ありがとうも、ごめんねも、
たくさん、たくさん、言うべきだったのに。
生きている時に、伝えるべき言葉がたくさんあったのに。
もう、父はいないんだ。














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