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CL新潟環境とヌメ(使用候補デッキ解説)

こっちではもっと具体的な環境の話をします。流石にね。ルギアの話は既にあげた方に追記をしようと思うので、もしルギアの中身が気になるという場合はそちらをあたっていただければと思います。5月9日中に仕上がるはずです。(仕上がりました 5/11追記)

環境把握

まず、前回宮城と比較してどういったデッキが増え、逆に減っていくのか。そして新規デッキはどういった類のものが組めるのかといったところの調査から始めました。その鍵は何よりもナンジャモでした。ナンジャモを強く使えるデッキであれば勝てるだろうし、そうでなければ勝率が高いところで安定することはない。リセットスタンプの出た直後、初心者丸出しだった僕はその威力を理解しておらず、初めてのCLでNをよく知る熟練者にあっけなく負けました。忘れることのない苦い記憶です。

そういった中で増える代表はルギアとサーナイト、逆に減ると考えたのがロスト軸でした。前者二つは盤面で勝てるデッキであり、ナンジャモを打つ側でした。逆にロストはヤミラミに到達してそれが効果的な場面であればナンジャモが苦とはなりませんが、逆にそれまでにも何度もナンジャモを打たれるとどこかで困ることになるという点で苦しいのはやはり明らかでした。また、これら3つのデッキ同士の有利不利というのも重要です。ルギアは基本的にロスト有利だがサーナイトが微不利〜不利、逆にサーナイトはロスト不利と言った具合で、総じてサーナイトの立ち位置が素晴らしかったです。環境初期はサーナイトミラーかサーナイトとルギアへの対策を極めたらそれで十分勝てると言った具合でした。意識されていないと特にカードパワーの高いフワンテが序盤に勝ちまくっていたのは記憶に新しいかと思います。

そんなサーナイトとルギアに共通する弱点は、雪道です。ルギアに限っては序盤でしか意味がありませんが、サーナイトはいつでも苦しいものになります。それを連打できるデッキとしてアルセウス+Vstar/VMaxポケモンのデッキも多く数を増やしました。これにはイキリンコも大きく影響しています。イキリンコの登場により、ネストボール1枚がドローに変換できるようになりました。アルセウスデッキで何よりのハードルであった1ターン目にアルセウスを置いて手貼りをすることの再現性を一気に高めてくれる1枚です。アルセウス系列の増加を受けて次第にイキリンコ抜きも増えてきましたが、僕らとしてはイキリンコなしでは考えられないデッキだと結論づけていました。

また、アルセウスの増加と時を同じくしてフワンテへの対策も各々が取り始めました。ロストスイーパーとツールジャマーを筆頭に、中にはパニックマスクまで大真面目に採用される有様でした。これによりフワンテ型、特にダメージをお守りフワンテのみに依存したものは数を減らしていきました。

その煽りを喰らったデッキ群があります。それがパオジアンやミライドンです。パオジアンは元来の不安定さがあり、元から立ち位置が良いとは言えませんでしたが、ミライドンはジバコイルの存在もあってサーナイトに悪くない勝率を取ることが出来ていました。特にライコウに厚い形の場合、ジェネレーターやサポートの引きムラに左右されない、盤面で勝てるデッキにしやすいというのが主張点でした。一方でライコウVのHP200はあまりに心許無く、特にルギアにダブタありでも倒されてしまうのが許容できません。それをお守りで耐えるようにすればいいデッキになると考えていました。HP220のパオジアンも同様にルギアのナンジャモ耐性のためにお守りを採用してみる試みがあったかと思いますが、これらはスイーパー増加の煽りをかなり強く喰らうことになりました。

ディンルーが上位2つに不利でシェアを伸ばせなかったこともあり、サーナイト、ルギア、ロストの3強とそれにジャッジマン勝負を挑むアルギラという構図が固まりつつありました。そして環境の見通しが良くなるにつれ、アルセウス構築にも変化が訪れました。アルギラが主流なのは変わりませんが、ジュラルドンやアローラロコン、空ピカと言った特定の対面を詰ませられるアタッカーの採用が顕著になってきました。CLでは即負けの可能性のあるデッキの存在は大きな意味を持ちます。特にDay2進出に意味のない今回では12勝2敗やJCSの11勝3敗が全員の目標であり、こういったデッキをどれだけ重くみるのかというのに各人が大きく悩まされたことでしょう。

では、僕はそれぞれのデッキをどう評価していたのかというと、ルギアに最高評価を与え、次いでロスヌメ、サーナイト、そしてロストカイリューやロストカイオーガ、そして最下位にアルセ系列を位置付けていました。これは僕が使うプライオリティでもあります。

予選を2敗以内に収めるのが現実的に可能かどうか、というのがこの順位のほぼ全てです。ルギアは確かにサーナイト不利ですがまるで勝てないというわけではありません。他にも一見して苦手そうな対面が多くありますが、そのほぼ全てがプレーでどうにかなる範疇であるという自信がありました。また、ミラーも僕の研究量と構築であれば十分勝ち越せると考えていました。

一方でサーナイトにはミラーで後手を捲る手段がほとんどないと考えていました。進化デッキ同士の戦いでの先攻有利は先に進化し攻撃することで、逆に後手の有利はサポートを1回多く使えることだけです。しかし現在のサーナイトのほとんどがキルリア前提のサポート配分となっており、後手から的確にサポートを打っていける構成になっていません。ですから、後手にメリットのある場面がほとんどなく、さらにフワンテを使わないのであればそれがさらに顕著になる(サイドを取るのにサーナイトラインを前に出さなくてはいけなくなる)のも痛手でした。先攻側はクレセリアでラルトスを咎められるのに対し、後手はクレセリアで同じことをするか、サーナイトやザシアンでクレセリアを倒すしかありません。特に後手2で先攻の盤面にHP60のラルトスが残っていることは稀有であり、4体の超ポケモンを並べないと相手のラルトスやキルリアを倒せませんが、これを繰り返しても状況は改善しません。常に後手にキツい要求がかかり続けます。ですから、サーナイトやザシアンでの勝負を強いられます。

レントラー、リバーサル4まで入った形はまるで思いつきませんでしたので、次の練習はこれを触るところから始めることになりますが、やはり決勝戦で見られたように先攻有利は確実なように思います。

逆にロストはそれぞれどういった構成かによって微差ではありますが有利不利が決まっていきます。最速でロストマインや手裏剣にたどり着くことができ、またそのリソースも潤沢なデッキが最もミラーに強く、逆に遅いのが不利です。つまりロストカイリュー、ロスバレ/ロスギラ、そしてヌメルゴンやその他と言った序列になると考えていました。例外的にヌメルゴンを単騎で通すことが出来ればそれは有利不利をひっくり返すきっかけになりますが、3色のヌメルゴンばかりを調整していたのでそれはあまり現実的には思えませんでした。が、相手より上手かったらどうとでもなりかねないのも事実なので、これは早めにヌメルゴンに触ってリスト、プレー共に研究することが出来ていたとすれば、そのアドバンテージを信頼するというのも可能でした。

アルセウスも同様に、ミラー先攻有利が顕著なデッキのひとつです。無視できない数のミラーや手貼り出来ない展開、あるいはジャッジマンを解決されてしまった場合などを考えると、僕にはあまり魅力的に映りませんでした。
以下のリストなどは後手からもアルセ系列を越えられるように出来ていて、感心するばかりです。これも僕には思いつきません。

話を戻して、そんなような環境考察のもと僕はルギアとヌメルゴンを担当することに。それ以外には調整メンツがそれぞれサーナイト、ディンルー、パオジアン、ミガルーサなどを調整してくれていましたから、大誤算はないだろうと信じていました。

ヌメルゴン

今回の見え透いたダークホースこそヌメルゴンでした。ルギアに有利なロスト系列ということで注目されながら、直前週でのロスギラの増加を受け、サーナイト諸共減っていくと考え当日にはルギアを選択しましたがそれさえなければ当日握っていても何ら不思議ではありませんでした。

使ったとしても直前にまだまだリスト変わってた可能性はあります

未だ不完全なリストだと思います。言うほど勝ち切らんこととロストの知見があまりないこともあって途中で放棄してルギアのプレーのことばかり考えていました。チームとして意識していたのは、ヌメの立てやすさとヤミラミを起動するためのカードの配分、そしてボスの枚数です。ヌメの立てやすさはそのまま安定感につながります。とはいっても例えば水鋼2色で超抜きようにしてしまってはロストとしてのサーナイトへの強さを失ってしまいます。エネ12、入れ替え系8、水鋼4-4ずつは欲しいと言うように譲れない要素を列挙していって最もマシなバランスで満たしてくれているのがこれだと感じて今の配分になっています。しかしヤミラミ周りが非常に細くなっているせいもあってロスト送りの選択はかなりシビアで、慣れだけでなく当日の体力集中力も要求されるものになってしまいました。

これらのカードの中で浮いてるように見えるジェットエネルギーですが、特に価値の高い一枚です。ヌメルゴンが前にい続けるというのは、基本的には意図した展開であることが多いですが、一方でその間あまり手札を進めることができていないこともしばしばです。手札自体は問題なくとも、ロストが進まないことは問題になることが多く、ヌメがサイドを進めてナンジャモが刺さってしまう前にロストゾーンを10にする必要がありました。その観点から、ジェットエネルギーは優秀でした。前に出て花選びして逃げるまでを1枚で完結させてくれるカードであり、隠し札のコストにもなります。初動にも使えますから、ここを減らして超エネ3枚目にするのは、確かに一見して扱いやすいデッキになるのですが安定してデッキパワーの低すぎるデッキにしかねない調整のように感じます。

また、ヌメルゴンをどれだけ有効に使えるのかというのも重要です。アイアンローリングの200点というのは、非常にダメージ効率の悪い技です。200を2回の400では大抵の場合100点以上の余剰打点が出てしまいます。ヤミラミで綺麗に回収するのがロストの魅力であることを思うと、これは大きな損失と言えます。ですから、ヌメルゴンの攻撃回数の確保と、それをクリティカルに当てるためのボスというのは入れ替え要素と同じく考えるべき要素です。大事なのは先殴りとヤミラミでの効率的な回収であり、では逆に穴抜けが有効かというと前に来ているヌメに有効な打点を通せているポケモンを無視するのはあまり利口とは思えず、穴抜けを4にしたりは要らないのではないかと考えています。

僕はボス2でずっと考えていましたが、チームメイトのともぽんくんは何なら4枚採用まで考えていたようです。4は少しやりすぎ、他のカードを切り捨てすぎにも思いますが、3枚は確かに現実的でかつ有効に感じます。そしてアイアンローリングの回数という点では、ポケモン入れ替えもしっかり検討しなくてはなりません。

もしモイストスターも使ってしまい、相手の次の攻撃を耐えることができないとわかった時、本当にそのヌメルゴンは前にいる必要があるでしょうか。もし前のポケモンに200が当たっていてウッウやヤミラミで回収できたり、裏の別のポケモンに200を当てる必要があった場合、ヌメルゴンを下げなくてはなりません。ミラージュとエネ回収札が潤沢にある手札であれば逃げてもいいでしょうが、そういう場合ばかりではないはずです。入れ替えカートとポケモン入れ替えでは、我々はポケモン入れ替えを優先すべきだと結論付けました。

ポケモン入れ替えは進化ポケモン、つまりヌメルゴンVstarをエネを失わずに後ろに下げることが出来ます。対して入れ替えカートであればヌメVstarを下げることは出来ませんが、種ポケモンにダメカンが乗っていたのを回復させられます。このどちらが優れているでしょうか。僕の他のリストをご存知の方は選択肢を広く持つために散らして採用すべきだと考えていると思われるかもしれませんが、この件について僕はそうではありませんでした。

種ポケモンに乗ったダメカンを回復させたいのはディンルー戦や、ロスバレミラーです。対してヌメVstarを下げたいシチュエーションはサーナイトやルギア、アルセウスは当然として、数多くの試合で発生します。特にサーナイト対面ではダメージの負ったヌメルゴンを守るというだけでなく、メモリースキップを打たれたのを解除するのにも使います。ですから、入れ替えカートよりはポケモン入れ替えを優先して入れるべきだと考えました。そして入れ替えカートの枚数が減れば減るほどロスバレ対面での効能というのは下がっていき、それであればポケモン入れ替えに統一した方が偉いと結論付けました。

また、ミカルゲやドラピオンといったミュウメタをどうするかも課題でした。枠がなく採用を諦めましたが、もしどこかにそれを見つけることができれば、ミカルゲを入れていたかと思います。ミカルゲがあれば相手はゲノセクトにフュージョンエネを付けざるを得ません。HP200以下のサイド2のドローソースからさらにエネルギーまでもらえるという状況を強制させることが出来ています。メロディアスエコーの上限を下げ、相手にタブレットを大量に要求できるようにするのはこの対面で大きな意味を持ちます。

ルギアのネオラントも止めることが出来ます。ヌメルゴンは確かにルギアに対して有効ですが、9エネアヤシシに対してザマゼンタが牽制しているというのがその根拠になっています。ですから、裏からサイドを4枚取られ、さらにこちらが相手のエネ付きを倒せていないとせっかくの耐久も活きないということになってしまいます。それをさせないためにはボス連打やチェレンを避けなくてはならず、やはりミカルゲの方が優れているであろうと考えました。

もちろんドラピオンも強力ですが、ふとした瞬間に場に出てしまった時の取り返しのつかなさもデメリットです。ミラージュでサーナイトexをワンパン出来ることもありますが、そういった試合になることはほとんどありません。あるいはギラティナであればドラピオンからサイド2を取られても速攻で取り返せるだけの打点の高さがありますが、ヌメルゴンにはそれがありません。また、ミュウに対してギラティナとドラピは共にワンパンの圧がありどちらかが通ればそれで勝ちという盤面を作りやすいですがヌメではそうは行かず、ドラピを倒されてからのロングゲームになってしまいます。やはりヌメにはミカルゲがあっているであろうというのが我々の結論です。

そして他にもどうにか捻出したい枠が、スタジアム破壊の3枚目でした。アルセウスなどに雪ジャッジ勝負をされた際、ヌメルゴンが前に居座ったままであり手札がほとんど伸びません。ですから、花選びなどを介さず現物で引き込めるだけの枚数が欲しいと感じていました。スタジアム2では雪道を想定する対面でスタジアム2枚どちらもがマストピックになってしまうというのも窮屈でした。ヤミラミのための超エネ3枚目と同様にどうにかスタジアム3枚目も欲しいと考えています。これらを詰められていたら、ギラティナが増えていた状況でも自信満々で使っていたかもしれません。JCSまでまだまだ時間はあります。もしヌメルゴンに興味がございましたら、是非これを土台に研究をしてみてください。

おまけ

ギラティナ対面

ギラティナとヌメの勝負では、一見してギラが有利なように思います。ギラはヌメを一発で倒すことが出来るのに対し、逆はそうは行きません。ギラVstarは愚かギラVすら倒せません。ですから、ギラティナ有利であろうと結論付けてしまいがちです。僕もそう思ってしまうのはわかりますが、実はそう単純でもないかもしれません。

ギラVSヌメの序盤戦ではお互いにロスバレとして振る舞います。双方にノイズが入っており、カートと入れ替えの差やヤミラミ関連の厚さでロスバレ勝負では基本的にギラティナ側に分があります。ヌメ側の主張点はザマゼンタがせいぜいです。しかし、そのザマゼンタを考えるとギラ側はギラティナVを置くターンがありません。つまり、ヌメとギラでVを出す選択権が先にあるのはヌメルゴン側ということになります。そしてヌメルゴンに対してロスバレでは対応することが出来ず、ギラティナ側は後出しを強いられます。もしロスト10のスターレクイエムが間に合うのであればヌメ側は変わらず不利ですが、逆に1ターンヌメルゴンが生存してサイドを進めることができればそれだけで大きく有利になります。あるいは、焦って出てきたギラティナVに敵討ちが当たれば、それも同じくヌメ有利に傾く要素となります。このようにヌメ側に戦いの焦点の決定権があり、一見した印象よりもいい勝負になります。ですから、ギラティナが復活したからヌメルゴンはダメだと諦めるのは早計かもしれません(あんまりちゃんと検証できていません)。

ルギア

ルギアの記事に詳細書きますが、別にそんなに言うほどヌメ側有利じゃないです。頑張れば全然勝てます。自分でプレーのルート考えるのも楽しいところだと思うので、是非考えてみて、その後僕の記事で答え合わせしてもらえたらと思います。ちなみに想定するルギアのリストはこれになります(僕が使用した60枚です)。

https://www.pokemon-card.com/deck/confirm.html/deckID/yySUMy-5vfilL-pXppSy

と言うわけで、僕の候補のひとつだったヌメルゴンでした。実際にヌメルゴンを使ったチームメイトも何か書くでしょうから(デッキの中身に触れることはほとんどないような予感がすごくしますが)、そちらも書き上がり次第リンクしようと思いますのでぜひ確認いただけたらと思います。では、ここまでありがとうございました。

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