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CL横浜の日記

CL横浜に参戦してきました。愛知より始まった優先権リレーを新シーズンでも維持し、どこかのタイミングでJCSや世界権利を取り切るというのが目標でしたが、思い通りとはいきませんでした。それでも尚あまりに楽しい調整で、その過程で色々なデッキを作ったり触ったりもしていましたので、何かひとつの解説記事ではなく私の日記として色々とまとめようと思います。気楽に読んでいただけると嬉しく思います。

そもそも6月のJCSで世界権利を取り逃がして以来、自分のための大会はほとんどなく、チームメイトのせとくんのための調整がメインでした。WCSは当然選手としてではなくジャッジとして関わっていましたから、競技的なポケカに主体的に臨むというのは実に3ヶ月ぶりということになります。WCSからおよそ1ヶ月が経ち装い新たな横浜に行く寂しさと共に、再び自分のための大会、新シーズンが始まることに大きな興奮がありました。中でもあの素晴らしいWCSに携わることができて以降、来年こそは選手でという思いは一層強くなってきていました。そしてそんな折、さまざまな幸運が重なりました。

ひとつは僕含めた優先権持ち3人以外にもチームから当選者が出ていつも以上の大編成で調整ができるようになったことでした。学生中心のチームで夏休み期間にこれができるのは願ってもないことです。

さらなる幸運は、いつものメンバー以外にも何人かと一緒に調整をできたことです。特にそれが僕がポケカを始めた頃からずっと憧れていた人たちであるというのはこれ以上ない喜びです。

ノコノコさんは僕がポケカを始めた18年ごろにくりお宅ポケカナビというメディアで活動をされており、初心者の僕が歪なデッキばかり好きになるのに大いに貢献してくれました。コントロールや意味のわからない勝ち方をするデッキはノコノコさんの十八番で、常に奇想天外なデッキに憧れてきました。そしてそんな奇想天外なデッキの被害者で負け方があまりに美しいことでお馴染みなのがジョニーさんでした。

CL千葉の決勝トーナメント、盾をかけた配信の一戦ではフーパLOとフェロマッシ単が向き合っていました。前者は大会前にノコノコさんが開発した異常デッキをどなたかが使っておられ、後者を使われていたのがジョニーさんです。神使いさえあればサイド差での勝利もあったかもしれませんが、普通にやっては勝ち目がありません。ひたすら相手にエネを破壊されるのを全世界に晒されること40ターンの末に投了を選択されましたが不幸属性はこれだけでは終わりません。あまりに試合時間が長かったせいで通常の勝利者インタビューではなく敗者インタビューが行われます。何も語るようなことがないのにも関わらずです。ですが持ち前のユーモアで花を添えてらっしゃいました。その後別のCL配信卓でもまたの不幸属性でベスト8で散っていて、その際の負け方も大好きですが、ジョニーさんの文章も非常に大好きで、昨年末のアドカレにお誘いした際もいいものを書いていただけました。

そんな2人と(別々ではありますが)調整できたのはやはり嬉しいものです。ノコノコさんはなんかよくわからんけど上手いしジョニーさんはカードの言語化とそれを踏まえてリストの最適化が得意でそれぞれいつものチームにはあまりないタイプという感じで新鮮でした。

ノコノコさんの加入を受け当初はSanderコントロールやカビゴンLOを、そして別枠のジョニーさんとはアルギラをそれぞれ並行して調整していました。ノコノコさんが入ってきていきなり窓に貼ったSanderデッキの異色さにみんなが興奮したのを鮮明に覚えています。ちょっと触って自分好みに変えて見ましたの一言が添えられたそのレシピは少しの時間で辿り着けるもののようには到底思えず、コントロールに造詣のあるメンバーはそれに感動しましたし、そうでない人たちは頭を抱えていたのではないでしょうか。

残念ながらノコノコさんのコントロールふたつはどちらも環境的に厳しく早々に諦めざるを得ず、Tier1の調整、特に僕が慣れていて練習の質が比較的高くなるギラティナを詰めていました。くりおさんのカビゴンがしっかりDay2に上がっていたのと僕がノコノコデッキ大好きすぎるファンボーイなのを思うとカビゴン特攻もアリだったかもしれませんが、僕のLO知見が高すぎてノコノコさんのデッキ全部ボコボコにしてたせいであまり正しい評価ができませんでした。この手のデッキは一回ジムバトルやトレリに持ち込んでわかってない人の対応を見る必要がありそうです。くりお宅のLO系動画見すぎてごめんなさい。

逆に白ルギアの流行を受け雪ジャッジの刺さりの良さが上がったことに注目してジョニーさんとはアルギラを調整していました。当初はロスギラへの勝ち筋はギラティナラインの厚さにこそあると考えていましたが、それでもボス3のロスギラへの勝率が悪く、雪4の構成ではなくその一部をタウンデパートにすることの検討を始めました。アルギラのタウンデパートは革命のカードで、これについてはまたどこかで記事にするかジョニーさんにしてもらうかしますが、ロスギラに自信があったこともあってこのデッキには結構な時間を割きました。ロスギラに自信があるからこそサーナイトにオールインするべきだったとの反省もないことはないというか大いにありますが、それでもオリジナルデッキを開発する楽しさには勝てませんでした。

最終的にはさまざまな血迷いや成功の果てに使用する水準にないと判断して諦めましたが、今回の結果(白ルギアやミライドンが勝っていたこと)を見ると使っても良かったのかなと考えています。確率のデッキですのでジョニーさん1人に丸投げするのではなく複数人で使用して誰か1人が大勝ちするのを期待するというのもありだったかもしれません。後手でも強い動きのあることを評価しての採用とは言ったものの、やはり先攻番長デッキを使ってじゃんけん1勝5敗の3-3ドロップというのは少し下振れが酷かったかなというところもあり、実はこのデッキの真価はこんなものではなかったのかもしれません。良いデッキではあったので、またどこかで是非とも使いたいところです。

これ以外のデッキ開発、特にパオジアンや白ルギア絡みについて革新的なものができたわけでもなく、リザードンも早々に見限ったのでチームのほとんどが自信のあるデッキで臨むということになりました。結果的に直前の土日で20時間ひたすらロスギラ詰め込み合宿をしていたノコノコさんとJCSで既に使用経験のある僕、せとくんの3人がロスギラを、WCSの調整時点でロストカイリュー担当だった野村くんがそのままロスカイを、4月からサーナイトばかりのakさんがサーナイトとあまりに固い選択をしました。チームの多くが安定感に満足行かず諦めたアルギラをジョニーさんが使うのを止められなかったのは少し反省があるかもしれませんが、ジョニーさんが大好きそうなデッキだしまぁ1人ああいう冒険があってもいいかと見送ることにしました。多分ちゃんと止めてもっとサーナイトの練習をしていた方が良かったような気がします。

使用したロスギラ

というわけで僕は慣れたロスギラを使用したわけですが、今回は運に見放された部分が大きかったように思います。最終戦は間違いなくミスっていますが、1,3回戦ではどれだけ山を引こうともその瞬間に欲しい札が引けず逆に山にいて欲しいエネで手札が溢れるというのが続いてしまいました。これまでの優先権リレーの中で負け試合を豪運でひっくり返しているのも多かったですし、カードゲームがこういうものであるのも理解しているつもりなので受け入れますが、受け入れ難い屈辱と虚無感に襲われてしまいました。

なんか意味わからない値段してるホゲータプレマを押入れの肥やしにしているのも勿体無いからと引っ張り出してきたのに、それを使う機会が僕にはたったの4試合しかありませんでした。結局ホゲータ大好きのせとくんにこれを託してDay2まで走り抜けてくれたのは良かったのかもしれないですが、彼が毎回ホゲータトークしてたらしいのに僕が1回しかしてないのちょい寂しいです。

開封の儀をする僕(この場にあるプレマがあまりに豪華すぎる)

というように僕自身は負けたものの、6人のうち2人がDay2に進出というのはまあ悪くないのではないでしょうか。トナメに1人も送り出せなかったりJCS権利に1枠届かなかったりは残念ですが、最低限以上の人数が常に次回のCLの権利を確保して練習が続くというのはチームのモチベにかなり作用します。レイジングサーフのリストはまったく意味がわからないですが、未来古代のカード群には今からワクワクさせられますし、CL京都が既にかなり楽しみです。落選貯金0の僕がどのようにそこに関われるのかはわからないですが、地元民として前日練習には間違いなく出ますしなんか僕の家で合宿なんて話も出てきているので最大限のサポートをできたらなぁと思います。

大会それ自体を満足に楽しむことはできなかったですし、Yokohamaをジャッジとして見ていて憧れたような、互いの健闘を讃えあう選手のピュアな喜びや高揚感といったものを感じたり、あるいは出れているだけで達成感に満ちた世界大会という場へのチケットを勝ち取れたりしなかったというのは残念ですが、調整やその前後の仲良しチームでの遊びは非常に楽しむことができました。

なんといってもノコノコさんとやれたり、それがなんか今もなんとなく馴染んで残っていてくれたり、ジョニーさんとお会いできてインパーソンでもああ愉快な人なんだなぁと思えたり、夏にチーム全員でYokohamaに集まったときとはまた違う楽しさを味わうことができました。それだけでなくWCSで一緒に稼働していたジャッジの方々との交流も増えたり、ふざけてYokohamaスタッフTシャツで大浴場にいったら選手の方々に勘違いで会釈されまくったりというのもポケモンカードが世界や体験そのものを拡張してくれている感があってこれらもまた良いものでした。

もちろんいつものメンバーと集まれたというのは変わらず良い経験でした。大抵は前日に集まって少し練習できるかどうかですが、今回は台風の影響で木曜日に東京入りしたというのもあり、いつもより長く対面練習の時間をとることができました。そして去年の京都から徐々にともぽんくんの友人を中心に縁を繋いで広げていったチームが4月には野村くんを迎え、その彼が大型大会で初の結果を出し、入れてくれて良かった入ることができて良かったと言ってくれたのは嬉しかったですし、せとくんも流石の安定感でした。唯一残念なのはともぽんくんがJCSに続いて今回もお留守番になってしまったことです。選手もジャッジもできなかったJCSや今回はしょうがないですが、Yokohamaでも彼の稼働領域が忙しくみんなで集まるということはできませんでした。最後に一緒に大会に出れた新潟では体調不良でどっか行ってましたし、彼含めてみんなで集まれる機会が近いうちにきてくれるのを望むばかりです。

チームの反省

ロスギラに自信のある人が複数いる状態で、それにかまけてTier2以下のデッキに時間を割きすぎていたのは反省すべきでした。サーナイトマスターを複数輩出するつもりでギラマスターが練習に励めば、白ルギアを含めた上3つの噛み合いがどうなったとしても負け山を握らされるのを避けることができますし、何よりも練習の質が高くなります。うまいギラとやってないからそんなデッキを使うのを許容しちゃうんだよと思うこと頻りですが、サーナイトについても同様なことが言える可能性は大いにあり、サーナイトを擦っていたakさんの体調が悪くあまり積極的に練習に参加できなかったことを思うと、もう少しサーナイトに費やすリソースを増やすべきでした。壁として置いておくのではなく、全員が使える水準にする必要がありました。

また、僕の任された(とあるいは勝手に思っている)ミライドンと白ルギアの評価を間違っていた可能性についても考えなくてはなりません。現状のミライドンではサイドの有利交換ができない都合上、先に走り切る構成にしなくてはなりませんが、打点が220前後しかないために、相手の進化や最速で取り返される展開を拒絶する相手への手札干渉、つまり序盤のジャッジマン等も要求されます。また、ミライドンはボールこそ解決してくれるもののエネテンポを誤魔化してはくれず、そのためにジェネレーター+エネ過多という構成が求められ、そしてこの方向性での調整ではどうしても事故率の高いデッキになってしまいがちです。これを解決できる構成がWCSの頃から一貫して見つけられなかったというところでかなり評価を下げていましたが、想定の何倍も勝っていましたから間違っていた可能性があります。あるいは僕らがアルギラに注目していたように単純に雪ジャッジの通りがよく、その中で出足の早いミライドンに優位性があった等、雪ジャッジそのものやそれと組み合わせる先の評価に間違いがあったかもしれません。

白ルギアについても幾らかの間違いがあった可能性があります。サーナイトに有利ではないだけでなく不安定なデッキであり、さらに4月頃のようにジャッジマン風読みが許容される環境でもなくなっていましたからこちらもあまり評価をしていませんでした。特に安定感とサーナイトへの有利というのはどうしてもトレードオフな構造にあり、納得の行くリストにすることができませんでした。

逆に、チームとして良い試みだったのは、朝活とリザードン研究報告会の2つです。朝活とは読んで字の如くで、これまでの練習のほとんどが深夜に突発的にやるもので、それでは生活リズムも無茶苦茶になるし質の高い練習や当日の実力の発揮にも悪影響であろうということで始めたものでしたが、中々機能していたと思います。他方リザードン研究報告とは、テンプレートや正当な評価の定まっていないリザードンについてチームメンバー各々が研究をし、自身の成果について発表をするゼミ形式のものでした。大会のあとにこうやってデッキであったり大会への取り組みだったりを言語化することは各々あるかもしれませんが、その機会を大会前の段階で持つようにしたというのは素晴らしい試みでした。あまりにリザードンが弱くおふざけメインで半ばお遊戯会の有様でしたが、それでも意味はあったかと思います。

というわけで、次回シティリーグかアドカレ告知かCL京都かは分かりませんが、その際にまた。勝てなくても尚楽しい良い期間でございました。


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