サムネ_4

トヨタ Woven Cityの衝撃


トヨタ Woven Cityの衝撃
デジタル並行世界を実現する。

トヨタが目指すモビリティ・カンパニーとは何か?
Woven city構想は、日本になにをもたらすか?

【GAFAの強さ】

GAFAがシステム開発にかけるコストは膨大である。

GAFAが具体的にどれくらい巨大なのかについて、
数字で見てみると、
GAFA4社の時価総額は、330兆円と試算されている。

日本の国家予算(一般会計)は100兆円なので、
どれくらい大きいか分かると思います。

そして、この4社の強み、特徴は、
何かの「プラットフォーマー」であるという部分です。

生活の中で、
あるシーンの基盤となる仕組みを提供しているということです。
例えば車のプラットフォームであれば、道路、
家電のプラットフォームであれは、電力網(電力会社)

アマゾンなら、流通のプラットフォームですし、
グーグルなら、広告のプラットフォーム、インターネットのプラットフォームと言っても過言ではないでしょう。
アップルなら、端末用のタブレットデバイス。
フェイスブックなら、コミュニケーションのプラットフォーム。

最近なら、ネットフリックスとかも存在感がありますね。

インターネット上のプラットフォーマーは、
その規模が大きくなる傾向があって、利用者の個人情報や、
活動情報を大量に取得できるので、
急激に、サービスの品質を向上したり、新しいサービスを
生み出すことを可能にしています。

GAFAと日本の大企業の研究開発費について、
売上高研究開発比率というのがあります。
これは売上全体の何パーセントを研究開発費が占めているのか
を表しています。
要は、儲けが出たときに、それをどれだけ研究開発費に傾けているかということです。

アマゾン 3.2兆円で12%
アルファベット 2.4兆円で16%
アップル 1.6兆円で5%
フェイスブック 1.1兆円で18%

ソニー 0.5兆円で6%
トヨタ 1兆円で3%
日立製作所 0.3兆円で3%


さらに、
営業利益を分母とした指数でみると、
2012年から、どんどんその差が広がっています。


余談ですが、
2015年にOECD(経済協力開発機構)が公表した試算によると、
米国IT企業などが行う、無形資産のタックスヘイブン(租税回避地)への移転による
国際的租税回避によって、全世界の法人税は、1000億~2400億ドル(1ドル100円で換算すると10兆~24兆円)も失われているそうです。
これは、全世界の法人税収の4~10%にも相当する巨額です。

ネットやスマホの普及によって、物からサービスへの転換が大きく起こりました。
いわゆる、無形資産とか、知的財産というものが、売り物になった訳です。

今、実際に消費されている国で課税することが出来ない状況が続いています。
例えば、アメリカで配信されているコンテンツを日本でお金を払って観た場合、
アメリカのサービスなので、アメリカに税金が納められます。
消費行動そのものは、日本で行われていても、課税出来無いという訳です。

タックスヘブンで、これを行えば、ほとんど納税する必要がなくなるということです。

ソフトやコンテンツ、ノウハウ、顧客情報などは、
価値の評価がとても難しいので、
これに対して、税金を課すことが出来ていません。

知的財産に課税するということは、
例えば、勉強して賢くなればなるほど、課税対象になるということになるし、
そもそも、それを平等に評価することは困難です。
その知識をお金にするかどうかも、出来るかどうかも分からないんですから。

権利の移転が容易
これも、格差を生む原因になっていると思うんですが、
知的財産を評価できないので、譲渡しても、贈与として税金が取られない。
もちろん、これに税金を課すと、なにか儲け話なり、簡単なものでも、
得をするような情報を伝えた場合、それにも課税しなければならなくなります。

YouTubeチャンネルも売買されることがあるそうですが、
実際無償で譲渡しても、税金を取ることは不可能ですから、
大変資産価値のある無形資産を簡単に動かすことが可能になります。

【GAFAの研究開発について】

フェイスブックとかYoutubeとかは、
新しく考案したシステムや、機能について細かくアップデートが行われます

昔の開発手法なら、こうは行きません。
なぜなら、チェックにコストがかかるから。

ある程度、まとめてアップデートしないと割に合わなかったからです。
沢山のチェックと、沢山のテスト
これには、バージョン管理も含み膨大な量になります。
しかも、新しいアプリケーションを
再度インストールしてもらう必要まであります。

もちろん、デバイスや、車などの工業製品は、
そもそも、頻繁にモデルチェンジすることは出来ません。

これに加え、新しくなったら使いづらいとか、慣れてもらう必要があるなど
様々な障壁が存在します。

しかし、フェイスブックなどのオンラインサービスは、
細かなアップデートで、それを解決しています。

もちろん、オンラインサービスは、
改めてインストールしてもらう必要はなく、
いきなり、変更していきます。
それだけでなく、ベータ版といわれる、
新機能のお試し期間を設けたりします。

これを、どうやって実現しているのか?

それはGitと呼ばれるツールなどを利用した
「平行作業」によって実現しています。
それによって同時に複数の違うバージョンを一度に実行できる環境を作っています。
そこに、ユーザーの入力をマッピングして、
リアルタイムに検証やテストを行っています。

そういった手法によりGAFAは、
それまでとは異次元の開発環境を作り出したのです。
そして、私たちはそのスキームに慣れてしまいました。

このスキームの利点をまとめると、
システムの進化スピードが早い。
世の中の変化に迅速に対応できる。
少しづつ変化させることが可能。

こういったものを、一般的に、スケーラビリティが高いと言います。
拡張性が高いシステム構成なんです。

この環境こそが、GAFAの進撃を支える重要な部分です。

ということで、この辺を頭に入れて頂いて、本題に入りたいと思います。

【Woven City発表】

トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、2020年1月7日(火)~10日(金)に米国ネバダ州ラスベガスで開催するCES 2020(セス)において、人々の暮らしを支える、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」のプロジェクト概要を発表しました。

概要説明
あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」を
東富士(静岡県裾野市:すその市)に設置する。
「Woven City」と命名し、2021年初頭より着工予定。

2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場(静岡県裾野市)の跡地を利用して、将来的に175エーカー(約70.8万㎡)の範囲において街づくりを進める

企業や研究者に幅広く参画を予定、CASE、AI、パーソナルモビリティ、ロボット等の実証を実施
デンマークの著名な建築家であるビャルケ・インゲルス氏が街の設計を担当するとのこと。
Googleの新しい本社屋を設計した凄腕だそうです。

CES(セス)ですが、
Consumer Electronics Showの略で
モーターショー以上に、自動車会社が参加したと話題になりました。

CASE(ケース)とは
クルマを一変させる考え方だと言われています。
ダイムラーAGのCEOを勤めていたディッター・ツェッチェ氏が、
同社の世界戦略の柱として提唱した「CASE(ケース)」という造語

CASEのC=「Connected(コネクティッド)」
CASEのA=「Autonomous(自動運転)」
CASEのS=「Shared&Service(シェアリング&サービス)」
CASEのE=「Electric(電動化)」

【トヨタの動きについて】

100年に一度の大変革の時代
ざっくり言うと、CESEによって、車は家電化し
シェアリングによって、車を所有するという考え方が崩壊し、
自動運転によって、車の価値観が大幅に変わるため、

今のトヨタでは、競争力を失うことが現実的になってきました。

この大変革に、37万人の従業員を抱えるトヨタがどう変化すべきかという
難題に直面しています。

まず、トヨタイムスを拝見いたしました。

37万人の社員 家族も含めるととんでもない規模ですね。

豊田社長は、このトヨタイムズの中でトヨタらしさを語っています。
「今までも、これからも、とにかく、安全安心」
「1000万人のユーザーの命を預かっている」

私の「トヨタ」のイメージでは、無味無臭と言う感じです。
社長は「その中にもトヨタらしさがある」と。

一言でいうと「そつのなさ」なのでしょうか?
みなさんは、どういう印象を持たれているでしょうか?

トヨタの豊田社長は、こう言っています。
車が、愛車でなくなることは避けたい。
全ての方に移動の自由をというのには意義がある。
未来のモビリティーを作り上げる戦いだ。

豊田社長は年頭あいさつで、こんなことを言っています。
今年の労使協にて、本音の話し合いは進んだと思います。
でも、今回ほど、ものすごく距離感を感じたことは無いですね。
こんなにかみ合ってないのかと

豊田社長、直観的に、間違いなく面白いと思います。
でも、なぜ面白い人なのかということについて、
この後、少しづつその理由を明らかにしていきます。

CESでのプレゼンテーションへは、豊田社長ではないとダメだということで、
ご本人がアメリカで直接プレゼンテーションを行っています。

プレゼンテーションの時の話ですが、
英語は下手だし、ジョークも冴えない豊田社長のプレゼンテーションでしたが、ではなぜ、社長なのか?
日本の各大企業の社長の名前をご存じですか?

アメリカでどうかは分かりませんが、
GAFAのCEOと同じく、トヨタの社長は、
世界的な存在感を持っているのかもしれない。

やはり、豊田という名前の会社であることが重要なのかもしれない。
と、ご本人も言われておりました。そして
「自動運転カーにもうまい下手がある、
そんな中で選ばれたいという気持ちがある」
と言われていました。(ここがとても重要なんです)

MIRAI FCV(燃料電池車)は
静かで上品になる。
車は癒しになる
ヨットのような
静かなモビリティーは、景色や音を楽しめる

ファントゥードライブというキャッチフレーズについて。
クルマを運転する喜びとか楽しみという意味らしいですが、
ここにきて、これを再起動すると言っています。

移動できれば何でもいいよという ふうにされちゃうのは嫌だと

なぜ、再び、ファントゥードライブなのか、については、
話を進めていくうちにご理解いただけると思います。
これも、大変重要なキャッチフレーズになります。

移動できればいいは、電車と同じな感じでしょうか?
今後、運転をあえてしようと思う人はマイノリティな存在になるのでしょうか?

モビリティーとは
役割、存在そのもの

確かに、今までの歴史を見れば、モビリティは、特別です。
なにかに乗ると言うのは、
人間にとって、重要な位置にあったように思えます。

人馬一体という言葉がありますが、それが
移動という言葉に執着しすぎて、見失っていた本質だと思いました。

プロダクトデザインの分野では、プロダクトを装備と考えます。
人間の行動という機能を強化拡張する装備がモビリティ・・・?

モビリティってそもそも何だろう。
辞書で調べると、

1 移動性。流動性。居所・職業・階層などについて用いることが多い。
2 乗り物。移動手段。

場所、職業、社会的地位などの、可動性。移動性。流動性。
※タテ社会の人間関係(1967)

エンジニアリングの世界でモビリティというと、
物体に入力する力と、それによって発生する速度の比をとったもの。
振動分野で扱われる伝達関数のひとつで、このほかには、
力と変位の比をとったコンプライアンス、力と加速度の比をとったイナータンスなどがある。

コンプライアンス:法令順守
ひずみと応力の比で表される物質定数。弾性率の逆数。物体の変形のしやすさを表す。

一周回って、動作アシストの分野が来たw
私が小さい頃は、自動車会社は、ロボット開発に移行するのではと言われていました。
ロボット開発も本田をはじめ、積極的にやっていたし、なにより、

人を殺めることができるほどの強い動力を持つ機械の制御と、
生活シーンにおいての安全性(工場じゃないからね)
において、ワンストップで生産可能な会社は、確かに自動車会社です。

とにかく、A地点からB地点までの移動というイメージではない
人馬一体 誰もが思うように動けるというイメージだと思います。

コネクティッドシティと言うと、
人や物がつながって、効率の最大化を目指すような感じがしますが、

トヨタのアプローチは、恐らく違います。
人馬一体 誰もが思うように動けるために、
コネクティッドシティが必要であると。

行動には、かならず障壁があります。
時間通りに目的の場所へ移動しようと思っても、渋滞で遅れたりすることもあるでしょう。
集団としての効率性と、個人としての効率性があると思うんですが、

電車は、時間通りにいくよというのも、
あくまで予定調和。
集団としての効率を最大化したもの。
人が、その予定に、合わせている状態。

個人としての効率を最大化するというのは、
思うように動ける事であり、思考から移動までのレスポンスの事です。

ドライビングが気持ちいいのは、そのためだと思います。
したがって、きもちいい移動が、イコールで個人としての最大効率を表しています。

ここまでの話を頭に入れてもらったうえで、
具体的な、トヨタの未来構想と、woven cityについて解説していこうと思います。

woven cityにおいて、中心となって活躍するのは、
やはり、モビリティ

それを少し紹介します。

イーパレット
サービスを行う自動運転車両

イーチャージャー
非接触充電システムを搭載し、走行しながら他のEVに電力を供給することが可能な移動型インフラモビリティ

イーレーサー
共有するモビリティがあるからこそ、人はよりパーソナルなモビリティを所有することになる(豊田社長)」という従来からの「愛車」づくりの精神を進歩させたスポーツカータイプのEV

長距離移動も、短距離移動も行うが、サイズが馬鹿でかい
今の、自動車とは違うものになるかもしれませんが、
かかる費用と、装備としての重要性のバランスがとれれば
パーソナルモビリティは、確かに需要が見込めます。

パーソナルコンピューターが、スマートフォンという形で
多くの需要を生み出したのと似ています。

AIによって
車は、愛馬のような存在になるかもしれないし、

ナイトライダーのナイト2000だったら、
いくら出しても欲しいw

魔法のほうきなるものがモーターショーで紹介されていたけど、
きもちよく移動できて、自分の愛車になるのであれば、
どんな形でもいいというメッセージなのかもしれません。

【Woven City解説】

投資額1000億円超のプロジェクト

Woven Cityの主な構想
街を通る道を3つに分類し、それらの道が網の目のように織り込まれた街を作ります。
スピードが速い車両専用の道として、
「e-Palette」など、完全自動運転かつゼロエミッションのモビリティのみが走行する道。
歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存するプロムナードのような道。
歩行者専用の公園内歩道のような道。

街の建物は主にカーボンニュートラルな木材で作り、
屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、
環境との調和やサステイナビリティを前提とした街作りを行います。
暮らしを支える燃料電池発電も含めて、この街のインフラはすべて地下に設置します。

住民は、室内用ロボットなどの新技術を検証するほか、
センサーのデータを活用するAIにより、
健康状態をチェックしたり、日々の暮らしに役立てたりするなど、
生活の質を向上させることができます。

e-Paletteは人の輸送やモノの配達に加えて、
移動用店舗としても使われるなど、
街の様々な場所で活躍します。
街の中心や各ブロックには、人々の集いの場として
様々な公園・広場を作り、住民同士もつながり合うことでコミュニティが形成されることも目指しています。

自動運転技術など先端技術の導入や開発のための都市づくりでは、
中国政府が北京から約100kmの郊外に17年から着手している「雄安新区」があります。

自動運転の開発施設では米国・ミシガン大が敷地内に開設している「エムシティ」などが存在します。

ただ、woven cityの規模はそう大きくないとはいえ、
1企業がリアルワールドでの実験場を構築するのは極めて異例だそうです。

地球温暖化対策費の80兆円をこっちに使えばよかったw
といいつつ、トヨタにやってほしいと思う人が出資したほうがいいでしょうね。

トヨタの「自動運転実験都市」は当初住民約2000人、いつかあなたも住めるかもしれません。

エネルギーは燃料電池が主体です。

建物の屋根には、ソーラーパネルが敷き詰められ、
水素燃料発電や雨水ろ過システムなどのインフラは、地下に置かれ
モノの自動配達のネットワークも地下に作られ
住民は、室内用ロボットなどの新技術を検証できます。
スマートホームは、センサーベースの人工知能技術を使って、
冷蔵庫を自動で補充したり、ゴミを捨てたり、健康状態を自動でチェックできます。

コネクティッドシティ
これこそ、文明のあるべき姿という気がします。

今までは、自分以外の人や自然現象に対して、
個人個人が、歩調を合わせて来ました。

予定調和の中における効率というのは、
均一化の弊害と、地球環境における非効率を産んでしまいます。

コンピューターシステムによる自動的なパーソナルな行動予測や、
ミクロなコンセンサスによって、
個人も全体も、自然も、最大効率を実現しようとしています。

家の設計
街の建物は主にカーボンニュートラルな木材で作り、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど、環境との調和やサステイナビリティを前提とした街作りを行います。とのことだったですね。

サステナビリティとは、何かの物事について、現在から将来にわたってそれを持続することが可能である、という概念である。
「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、今日の世代のニーズを満たす」というものである。

グレタさんが、将来の世界のニーズだとすれば、
それを損なう事なく、グレタさんが、移動したいときに移動したり、
十分な生活水準をみたすような感じ。
この、サスティナビリティを維持しないと、我々は前に進めません。

スマートホームとなる住居内では、
AI搭載センサーやロボットアームが作動して、
食料品の補充やゴミ出し、ヘルスケアまでサポート。

食料品の補充は、地下インフラから送られてくるんだろうか
マーケットやネットで選んだものが自動的に補充される的な
鮮度管理や、調理スケジュールは、AIが行い、
ロボットが自動的に無駄のないように、最大効率で作業する。
最悪、廃棄になった場合、自動的に廃棄するみたいな感じでしょうか。

現段階で、食料品の無駄をなくすのは極めて難しい。
おそらく、工場で作られた出来合いの料理を、簡易的な調理で出す程度になると思われます。
もちろん、その気があれば、材料から料理を作ることも可能。

地下にインフラを集中

インフラ(インフラストラクチャー)って何だっけ?
そもそもは、「下支えするもの」「下部構造」を指す観念的な用語
一般的には、国民福祉の向上と国民経済の発展に必要な公共施設を指す。

学校、病院、道路、港湾、工業用地、公営住宅、橋梁、鉄道路線、バス路線、上水道、下水道、電気、ガス、電話など通信施設を指す。

インフラ埋設には、コストがかかる。
いろんな埋設方法があるが、
設置コストが安ければ、管理コストが高くなるし、
管理コストを下げれば、設置コストが高いというバランスがある。

ちなみに、日本は設置基準が厳しかったので、埋設が進みませんでした。

あと、インフラの維持に関しては、ドローンによる自動メンテナンスか、チェックだと嬉しいですね。

Worven cityでは、埋設ではなく、地下インフラ?

高床にするのかな?
町全体を高床にするのか、必要な場所に地下を作るのか?
どちらにせよ、埋設はコストがかかります。
町全体の方が、面白そうです。
町全体にセンサーを設置できるし、これから説明する重要な機能に大きな影響があります。

カーボンニュートラル
フェーズがあって、とりあえずは、化石燃料から電気エネルギーや
プラスティックのような炭素系素材を作るが、
段階的に、栽培された木材や、二酸化炭素から合成された材料に変えていく。

シェアリングや移動店舗として使われるのは
イーパレット
自動運転車をはじめさまざまなコネクテッドサービスに必要な
「モビリティサービスプラットフォーム」をつくる会社を目指すこととしています。

このプラットフォームや自動運転技術を最大限生かすためのモデルがイーパレット

全長4800ミリ×全幅2000ミリ×全高2250ミリのサイズで、低床・箱型デザインにより広大な室内空間を確保している。荷室ユニット数に応じて全長4~7メートルほどの異なるサイズの車両を用意可能

これまでトヨタが培ってきた安全性の高い車両制御技術を用いて開発した車両制御インターフェースを自動運転キット開発会社に開示するそうです。

専用OSがあるイメージですね。
APIを使って、独自の機能をこのイーパレットに実装して、開発できるということ。

簡単に言うと、車の開発が出来ないような会社でも、造れてしまうよと。
スマートカーみたいな感じですよ。

実は、自動運転システムは、名古屋大のスタートアップ企業が作った
オートウエアというOSを採用しました。
セブンイレブンやヤマトとの取り組み:将来e-Palette(イーパレット)活用も?

東京五輪での取り組みについては「トヨタが東京五輪で自動運転レベル4の車両披露」

十分なトライアンドエラーが可能であるかどうかが都市のシステム向上には重要
日本は、インフラが高価なので、不利です。
したがて、ある驚きの方法によってそれを解決するんですね。

【コネクティッドシティの本質について】

人と物がつながって、
なんとなく良いこと起こりそうという感じでしょうけど、
実は、このコネクティッドシティを、マクロ視点でみるとこうなります。

Woven cityは、専用のOSの上に作られる町になります。
町のオペレーティングシステムがあるんです。
町全体が、ひとつのコンピューターだと思ってもらうと分かりやすいです。

コネクティッドシティは、
見た目上、ひとつのプラットフォームになります。
全てのものは、このOSの上で繋がります。
あらゆる機能や、環境情報は、このOSのプロトコル、
すなわち通信規格によって
統一されていて、全ての人と物は、完全な連携を行うようになります。

しかも、町のあらゆる場所から得られる情報は、
環境情報として、すべてのものや人から利用できるようになります。
もちろん、権限管理はあるでしょう。

これだけではありません。
Woven cityは、まずコンピューター上に街を作ります。
仮想都市です。
すなわちバーチャル空間に、本物そっくりの街を作るんです。

この町は、なんと、四次元世界なんです。

並行していくつもの町が同時に動きます。
同じOS上で動いている町なので、センサーから得られた情報は、
リアルタイムに、このデジタル並行世界も動かします。

これは、冒頭お話した、デジタル並行世界です。
それらは、表と裏で動作します。

同時に、様々な検証やテスト、そしてトライが行われます。
もちろん、高精度な未来予測も可能になるでしょう。

これらは、問題を早期に発見し、解決します。
GAFAがオンライン上でのみ実現している、あのイノベーションスピードを、
リアル都市で実現しようとしているんですね。

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