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最終章 希望 長電話をしていた私を心配そうに見る主人と勇太がソファーに座っていた。私が電話をしている間に勇太は帰宅して、着替えていた。亮介はまだだった。 「亮介から連絡あった?」 「何もないからもう帰るんじゃない?そろそろ食べる準備しておこうよ」 フライパンに置いていたひき肉を温め始めると、すぐに亮介も帰ってきた。手にはコンビニで買ったファミリーサイズの大きなチョコレートアイスが見えた。今晩のデザートのようだ。気の利く息子である。 家族みんなが今日あった出来事を
第8章 決心 動画に集中していると、私の携帯が鳴った。由香の携帯からだった。 「もしもし」 「すみません。由香の母です。みゆさん、何かわかりましたか?テレビでは世界中で多くの人がいなくなっていると言っていますし、やっぱりこれは何者かに・・・」 「いえ、違うと思います。今日そちらに伺ってもいいですか?私、お話したいことがあります」 「もちろんです。何時に来られますか?」 「今から支度をしてすぐに伺います」 バスと電車を乗り継いで、由香の家に着いたのは午前11時